PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

エグゼクティブクラブの規則改定

昨日

”Mr. ~, We're making changes to the Executive Club”

という表題のメールが届きました。明らかにFFPの制度改革(サービス内容の変更、改悪、etc.)の連絡です。「BAよ、お前もか」と、早速メールを開けてみます。

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詳しくはExecutive Clubのサイト

http://www.britishairways.com/en-gb/executive-club/club-changes

を見ていただくとして、「小改定ではないが、昨今の他社の改悪に比べるとおとなしい」という程度でした。

 

以下に内容をまとめます。すべて4月28日以降の予約が対象です。

 

(1) 上級会員資格

Executive Clubは北東アジアや北米在住者にとって、上級会員になりやすいプログラムですが、資格到達の基準に関しては記述がありません。変更無い模様です。

 Tier pointsに関して、一点だけ変更があります。予約クラスがQ, O, G(最安値エコノミー)のTier pointsは、基準の50%積算が25%積算に変わります。このクラスのチケットのお世話になるケースは多いのですが、上級会員になるためにはあまり効果がありません。影響はほとんど無いでしょう。このクラスのtier pointsは、

(4月28日まで)10, 20, 35, 40, 60

(4月28日以降)5, 10, 17.5, 20, 30

となるはずです。

 

(2) Aviosの獲得

これは高いチケットで今より有利、安いチケットで今より不利になります。新旧比較表は以下の通り。

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キャビンクラスごとに高い運賃と安い運賃に分けています。割合すっきり変更しました。

 BAのExecutive Clubは格安のエコノミーでも100%「マイルが貯まる」おそらく最後のプログラムだったのですが、終焉を迎えます。この予約クラスでは、他のFFP並みに25%になります。他の予約クラスに関しても、標準的な積算レベルと言えそうです。

 これが今回の改定で、もっとも残念なところです。

 

この変更に準じて、最低獲得Aviosも変更されます。欧州内のBAのフライトが多い人には問題になりえます。

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(3) 上級会員のAviosボーナス

Gold会員とBronze会員は現状維持。Silver会員は半分になります。

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BAのフライトでは、Silver会員の荷物タグを割合見かけます。結構な数がいるのでしょう。Bronzeはもっと多いはずですが、もともと25%のボーナスなら大きくありません。Executive Clubとしては、節約しやすいところを狙ったのでしょう。

 (2) と (3) は日本在住の会員にも少し影響が出そうです。

 

(4) Aviosの利用

BAのフライトについてのみの変更です。フライト日で必要なAviosが変動するようになりました。日系の航空会社と異なり、peakとoff-peakだけです。一覧表はおそらく片道に必要なAviosです。

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HND-LHRやNRT-LHRは、Zone 7ですが、現在必要なAviosは、

Economy 30,000, Premium economy 45,000, Business 60,000, First 90,000

です。エコノミーの特典航空券は、4月28日以降有利になります。プレミアムエコノミーでは、Off-peakで有利、Peakでは不利で、現在と拮抗します。ビジネスとファーストでは、必要なAviosは値上げされます。とは言っても、13%から50%の値上げ幅で、ビジネスの方が大胆なので、それほど目立ちません。

 Flying Blueのファースト片道260,000マイルに比べると、かわいいものです。しかし確実に特典航空券は遠ざかりました。

 

なおOff-peakとPeakの日を示したカレンダーは以下の通り。2015年版です。

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「4月28日までのデータもあるのは何でだ」という突っ込みはさておき、これを見ていて思ったのですが、イギリスの休暇事情が反映されています。そのため日本在住者の特典航空券の利用傾向とズレがあります。こういう点は、一般に考えられる以上に有利に働きます。欧州の航空会社のFFP会員になる大きなメリットです。

 

(5) イギリス国内の特典航空券の扱い

欧州とイギリス国内を結ぶ特典航空券で、乗継がある場合だけが該当します。この場合の国内便は無料だったのが、4月28日以降、独立して特典航空券をとる必要があります。長距離国際便に関しては変更ありません。

 

(6) 経営主体の変更

会員には直接見えませんが、Executive ClubのAviosの管理については、より独立性が高くなります。もしかするとAeroplanのようにキャンペーンを多発し、採算性を追及するようなプログラムになるかもしれません。

 

以上ですが、oneworld他社の利用について、2つ注意が必要に思えます。

・Iberia以外では、特典航空券に必要なAviosのカレンダーによる変更はないと明言されています。一方、上級キャビン特典に必要なAviosは値上げされるということです。詳細は後日まとめられると思います。BAの通常期のチャートと同じです。上級キャビンでは、かなりの値上げになります。

・格安エコノミーの搭乗で得られるTier pointsも、BAと同様に変更されると私は予想しています。

 

もう少し落ち着いてみないと判断できないことも多いのですが、上級キャビンの特典航空券は遠ざかります。またAviosを買う金で旅行したら、ほとんど同じAviosが貯まるなどということもなくなります。日本在住者としては、JAL国内便の特典に必要なAviosは地味に重要ですが、今ある情報から予想すると変更なさそうです。