PECHEDENFERのブログ

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2016年版スカイチームのFFPあれこれ(1)

マイレージプログラム(FFP)の話が続きますが、今年も残すところ46日。今年起きた変化や利用経験を元に、来年の対策を考えなくてはなりません。

 

SkyTeamの航空会社でも、先日と同じような比較を行ってみました。対象は次の4社。

DL: Delta Airlines(SkyMiles)

CI: China Airlines(Dynasty Flyer)

AZ: Alitalia(MilleMiglia)

AF-KL: Air France-KLM(Flying Blue)

です。Deltaは、成田空港の第1ターミナル北側を支える重要な航空会社。日本では一番存在感のあるSkyTeam加盟会社です。日本で就航地が多いのはChina Airlines。15空港は、日系の会社を除いて一番多いのではないでしょうか。本拠地の台北桃園空港は、東南アジアに行く場合、ハブとして機能します。3番目に取り上げたのは、Alitalia。今年、太っ腹なステータスマッチを世界中で行っています。Etihadとの提携で、経営に新しいビジョンが描けるようになり、攻めの姿勢なのでしょう。これだけ大掛かりなステータスマッチは滅多にないので、本格的にAlitalia乗りになるなら、この機会を活用しない手はありません。最後はよくお世話になるAir France。

 他にもVN, GA, KE, CZ, MUなどが日本に就航していますが、今回は省略しました。2017年版でも同じ記事を書くなら、取り上げます。

 

私の場合、Star Allianceはゴールド会員維持が、判断の90%を占める関心事ですが、SkyTeamはマイルを貯めやすい、使いやすいという点も重要です。Star Alliance Gold会員に匹敵する共通会員レベルは、SkyTeam Elite Plus会員です。前者が(航空会社IATAコード)*Gと表記されるのに対して、(航空会社IATAコード) ELPSなどと表記されます。

 

(1) ELPS会員の基準

 

Delta Airlines SkyMiles

DL ELPS会員資格は

・年会費26,000円(+税)のクレジットカードの審査に通る

ことで得られ、資格維持は

・そのクレジットカードで焦げ付きを出さず、年会費を払う

だけでOKです。圧倒的に簡単です。クレジットカードを維持するだけですから。この「デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」という商品、日本では航空会社ラウンジが利用可能な上級会員資格が要望されるので企画されたのでしょう。年間最低5,6回は国際線ラウンジを利用しないと割高な感じがするのですが、会員はそんなにSkyTeam各社を使っているのでしょうか。

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China Airlines Dynasty Flyer

Gold会員(SkyTeam Elite会員)が

・一年間50,000 miles以上の搭乗

・一年間にCI(またはマンダリン航空)のファーストかビジネスを30回以上搭乗

・一年間に40トリップカウント以上の搭乗

のいずれかを満たすと、Emerald会員、CI ELPSになれます。トリップカウントはファーストが2、ビジネスが1.5、エコノミーが1です。2年間の会員資格期間内に

・80,000 miles以上の搭乗

・CI(またはマンダリン航空)のファーストかビジネスを40回以上搭乗

・70トリップカウント以上の搭乗

のいずれかを満たすとさらに2年間資格が更新されます。

 更新は意外と楽です。東京からバンコクシンガポールジャカルタなどの往復は115%加算のビジネスクラスが10万円ぐらいです。これを年間5往復でOK。エコノミーしか使わない人でも、年間35搭乗。さらにCIは長距離便の運賃が特徴的で、欧州便、オセアニア便をウェブサイトで購入しようとすると、エコノミークラスは通常積算率100%の運賃しか提示されません。しかも料金は格安。12万円台でFRA, AMS, VIE, FCO(往復で約14,500 miles)、SYD, MEL, AKL(往復で11,500 ~ 13,000 miles前後)などという航空券が見つかります。

 

Gold会員からEmerald会員と段階があるようですが、実際にどういう運用になっているのかはわかりません。CXのMarco Polo Clubの改悪があるという状況で、CIの日本路線は拡大中。本気で利用する会員は、のどから手が出るほど欲しいはずです。ステータスマッチを申し込んでみる価値はありそうです。

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Alitalia MilleMiglia

例えばBAからだと、

Bronze→Ulisse(AZ EL)、Silver→Freccia Alata(AZ ELPS)、Gold→Freccia Alata Plus(AZ ELPS)

とステータスマッチを行ってくれるようです。搭乗記録も今後の予約も不問のようですので、手に入れるのは容易なようです。航空会社他社の上級会員だと獲得できるということで、AZ ELPSはDL ELPSに続く2番と認定します。

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継続は

・一年間に50,000 miles以上の搭乗

・一年間に60回以上の搭乗

でOKです。標準的です。特殊な場合を除いて簡単ではありません。その特殊な場合とは、AZの長距離国際便ビジネスクラスの利用です。これは300 %の積算率。東京からイタリアは遠いので、意外とマイルが稼げます。例えばFCO経由CPH往復を行うと、6,169x 2x 300%+ 2,500x 2= 42,014 milesになります。これにCIの格安ビジネスクラスのNRT-TPE-SIN往復(全予約クラスで125%、8,383 miles)を加えれば更新です。

 これが特殊な理由は、Alitaliaはそれほど多くの長距離路線を持っていないためです。甘いのには理由があるのでした。

 AZのビジネスクラス欧州往復は、無茶苦茶に安くなることありませんが、かかる費用はそれほどではありません。それに最近では小出しにセールを行っています。

 

Freccia Alataは、50%のマイルボーナスがつきます。日本からの欧州往復ビジネスクラス無料航空は160,000 milesでよいので、かなり気前が良いFFPです。意外と狙い目かもしれません。

 

Air Frace-KLM Flying Blue

フランス国外在住の場合、Gold会員は、到達も更新も

・一年間に40,000 miles以上の搭乗

・一年間に30回以上の搭乗

なので、楽勝FFPと言ってよいでしょう。フランスの銀行口座があれば、アメックスカードが作れ、搭乗実績付きだったり、AFの航空券購入時のポイントが資格マイルになるなどの特徴があります。しかしフランス在住の場合、搭乗マイル基準が60,000 miles、搭乗実績から国内線分は除外と、条件が厳しくなります。このクレジットカードの美味しい点を活用できるのは、フランス国内の銀行口座を持ち、定期的に入金があるフランス国外在住者ですから、働く必要が無いような富裕層が主体でしょう。

 Flying Blueでは、CIの搭乗加算率がDynasty Clubの場合と同じです。マイルでAF ELPSを更新する場合は、CI ELPSと同じパターンの利用が有利です。ついでにAF ELPSとCI ELPSで更新条件もほとんど一緒だったりします。

 他にも、AZのプレミアムエコノミーの利用は特異的に有利です。格安運賃で150 %積算されます。欧州往復はセール時で14万円台~。FCO経由欧州一都市往復で約20,000 miles。2往復で更新です。航空券価格だけなら、AZ ELPSよりも少なくて済みます。

 回数で更新だと欧州でAFやKLを利用して、うろうろするのが正解でしょう。運航密度や定時性の上で、多分楽です。

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