至るところ不連続、積分するとゼロというDirichlet函数のような人生を送っている私、Pechedenferですが、年末には一年を振り返り、来年を展望したりします。Pechedenferは積分ができない(註)ので、連続性は気になりません。
(註)これはPechedenferが可測かどうかという話ではなく、積分が苦手だという意味です。日本語の助詞は特に口語体の時、複雑です。
真面目な話、世の中は不連続で満ちています。過去を根拠とした未来予想は微分可能が前提。そもそも無理なことをやっています。各種経済予想は不連続性を無視しているので、当たらないのがその本質。ビジネス小説とあまり変わらないのが本質。
話が最初から脱線していますが、連続性でした。体(たい)や集合の話ではなく、事業や営業の話です。
Accorhotelsが、Raffles-Fairmont-Swissôtelを買収するというニュースを先日取り上げましたが、Swissôtelは、今は無きSwissair(とNestlé)が1980年に創業した高級ホテルチェーンです。Wikipediaでは、"pitched at the higher end of the hotel market."と紹介されています。Swissairは、経営が傾いたSabena航空を救済、一緒にQualiflyerグループを立ち上げ、高級路線で差別化をはかった伝説の航空会社です。911のテロによる旅客減少のあおりを食らって、あえなく倒産。2002年に消滅しています。Qualiflyerグループも消滅。Swissôtelも売りに出されました。
Qualiflyerは一部のサービスを継続しています。ウェブ上にサイトが生きています。まがりなりにも連続性を持たせる動機が、信用なのか、未練なのか判断に迷いますが、単純に怪しげに見えます。
Qualiflyerの構成会社のうちいくつかは、その後Star Allianceに加盟したことががわかります。寄らば大樹の陰。
航空旅客輸送では、高級路線と言うのはうまくいったためしがないようです。国内輸送需要が大きく、無駄遣いが好きなアメリカでも出現しては、消えています。一般にサービス業で高級と規模の両立は難しいはずです。景気の交代に対して最も脆弱なカテゴリーになるでしょう。宿泊での高級は、移動での高級より、需要が安定しているでしょうが、景気にはやはり敏感なはず。Swissôtelは、親会社の倒産を目の当たりにしても、Raffles、続いてFairmontと一緒になるという高級路線を邁進、今までやっていたのですから、驚いてしまいます。
産みの親は滅んでしまいましたが、Swissôtelは何とか連続して生きながらえています。もちろんAccorhotelsの一部になったからといって、安泰とは限りません。世の中は、不連続ですから。
とはいうものの、今後はAccorhotelsのノウハウを導入し、コストを削れるところは、徹底して削ってくるでしょう。敏感な人だと、コスト削減がいちいち気になるでしょうから、興ざめするかもしれません。今のうちに旧サービスを堪能しておくのも大切かも、と考えました。