支払い金額に対して、受けるサービスは多い方が良いに決まっています。旅好きにとっては、旅行の回数も多い方が良いに決まっています。トルコ航空(TK)、エジプト航空(MS)の上級会員は、シンガポールやバンコクに年2~3度(註1)行くだけで維持でき、エコノミークラスで移動しても、優先チェックイン、優先レーン利用、ラウンジ利用、受託手荷物追加、受託手荷物優先扱い、優先搭乗などのサービスが無料で付帯します。
(註1)SQやTGの通常期のマイル積算最低料金を利用。年間15,000 -18,750 milesの搭乗が必要なのに対して、NRT-SIN間往復が約6,600 miles、NRT-BKK間往復が約5,800 milesです。NRT-SIN-BKKなんて経路を往復すると、8,400 milesも獲得できてしまいます。SQのサイトでは、さらに東京ーハノイ往復なんて普通に売っていますが、これだと9,400 milesも獲得できます。
スターアライアンスのゴールド会員として迎えられることのメリットは大きいのですが、人によってはいたって簡単。エコノミークラスの旅が充実します。エーゲ航空(A3), TK, MSの3社は顧客を取り合う関係にあるので、しばらくはこの状態は継続、極東の会員はメリットを十分享受できると思います。
TKは「海難1890」でも特別協賛を行っており、日本での存在感を増していますが、まだまだ新規会員を歓迎するようですね。
ここまで簡単ではないものの、これまでは他FFPでもエコノミークラスの搭乗だけで上級会員になれました。最近ほとんど不可能となっています。つまらない世の中になっているのは、このブログでも常時嘆いているとおりです。
別にいいのですよ。どういう客をどう持てなすかなんて、定時運航性や安全性に比べれば、些細なことです。しかし「賢く、得に旅する」というゲーム感覚がブログ向き。無料発信されるメディアが総体として魅力に乏しくなります。
「ビジネス乗りました。サービスよかったです。」
「ファースト乗りました。サービス最高っす。」
「ゴールド会員が維持できました。」
では、書く内容が相互に関連せず、ばらばらになります。毎朝のジョギングを記事にするより退屈になりそうです。FFP冬の時代が、航空ブログ冬の時代になりそうです。
Pechedenferは日本語を書く訓練がまだ不足しているので、目付柱の揺らぎを見逃すことはできません。航空旅行をあっさり見限って、別分野を選択するのは簡単に見えますが、ディープになりすぎず、1年以上続けられる世界を探すとなると意外に難しいのでした。
とりあえず舞台はそのままにして、新しい方向性を探すことにしました。やはりテーマのある旅になるでしょうか。テーマといっても航空旅行に限ります。「芭蕉の足跡をたどる」なんていうのは論外です。芭蕉は上級会員はおろか、飛行機の搭乗経験ゼロでしたから。具体的に機材、航空会社、空港に密着した何かを必要としています。
そこで第一弾は、映画にしました。映画の題材になった路線、空港を追体験するという意味ではなく、機内エンターテーメント(IFE)での映画鑑賞を旅の一部として考えてみようというわけです。
そこで映画鑑賞に適した路線、航空会社を探してみました。改めて考えると、次のような条件が重要であることがわかります。
・昼間のフライト
眠くなっては話になりません。ふつう活動している時間を飛んでいる便が対象になります。空港へ行くのに早起きするのも眠気の原因になります。11:00以降に出る便だと言うことありません。
・映画三昧をするための距離が十分あること
1本だけあわただしく見るのではなく、3~4本ぐらい見てしまう方が良いでしょう。街の映画館だと一日映画を見て過ごすような感じになります。またよくわからない部分は2度目の視聴も可能です。これは映画館より手軽で、機内ならではの楽しみ。やはり6時間程度は欲しいところです。
・IFEのハードが優れていること
画面が粗いとがっかりです。音声も良い方が良いに決まっています。新しい機材、新しい内装が鍵になります。
・IFEのソフトが優れていること
重要な点です。わからない言語に字幕が無い映画を誰が見ますか。
映画といえば日本映画ばかりという日本人は多いと思いますが、こういう場合JALやANAが圧倒的に有利です。一方で何も考えなくて済むのはアメリカ映画を見る人です。メジャーな航空会社だと絶対に10本以上は用意しています。その他の国の映画を見る人たちだと、EmiratesやSingaporeが多言語で、膨大なチャンネル数を持つことで光ってきます。
・エコノミークラス
「クルーのサービスが最も簡単」は、「クルーの邪魔が最も少ない」です。映画に没頭するには重要な要素です。また画面が近いことも便利だったりします。
極端なケースですが、A380のファーストクラスなどでは画面が遠すぎるかもしれません。シートを前に出しての鑑賞も可能ですが、一生懸命になり過ぎで少々目立ちそうです。笑えない話ですが、先日のQR39の搭乗では地図が遠くて判読できず、オペラグラスが必要でした。
航空会社、路線でかなり差がありそうです。
常々思っているのですが、体格が小さい人はエコノミークラスの移動もそれほど大変ではないのではないでしょうか。映画館代わりに機内を利用するのは悪くない気がします。あまり動けないのは同じ。機内だと食事は出てくるし、家でピザをとってビデオ三昧するより良さそうです。
逆に映画は飛行機の中でしか見ないという方も大勢いると思います。ツタヤにいく間もない忙しい人たちもいるのです。
少なくとも、目的地の訪問+新作映画の鑑賞+上級会員資格の獲得維持という旅のパターンは、充実しているように思えます。
レガシーキャリアの回し者ではないかという疑いがかかりそうですが、しばらく意識して少しリサーチと実践を行ってみます。
第二弾はファーストクラスに注目して「カプセルホテル代わりの飛行機」を予定、ということはありません。