PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

映画館代わりの飛行機(その5):テアトル日本航空

日本人なら機内では日本語でリラックス。圧倒的大多数のはずです。多くの日本語の番組を機内で提供するのは、なんと言っても日系レガシーキャリア2社。使命のようなものです。

 映画鑑賞を旅の目的の一つとして搭乗する場合、昼間のフライトを想定しています。日系2社では、東京出発、到着便だけとっても膨大な数になるので、紙媒体の時刻表で調べさせてもらいました。手元にJALの時刻表しかなかったので、JALを紹介します。

ANAの時刻表も探してこないとなりません。探しながら記事に取り上げる基準も考える場合、紙媒体のほうが便利です。

 

(1) 昼便

 昼間の出発で到着時刻が出発地の23:59を過ぎないこと、フライト時間が概ね6時間以上を条件に選んでみたところ、以下の通りになりました。

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・黒字は東京発、赤字は東京着の便

・SS6, SS7, SS8は、それぞれB767, B777, B787JAL SKY SUITE。導入路線一覧表は

JAL - JAL SKY SUITE 777、JAL SKY SUITE 767、JAL SKY SUITE 787 導入路線のご案内

で確認できます。機材は時々入替えがあります。772はB777-200、788はB787-8です。

・NRT: 成田, HND: 羽田, ORD: Chicago, DFW: Dallas, JFK: New York, LAX: Los Angeles, SAN: San Diego, YVR: Vancouver, HNL: Honolulu, HEL: Helsinki, CDG: Paris, DME: Moscow, SYD: Sydney, SIN: Singapore, KUL: Kuala Lumpur, CGK: Jakarta, DEL: Dehli, BKK: Bangkok

 

SS8と788の違いは以下の通り、

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上がSS8、下が788です。座席数が少ない方が高級という判断は大体あっています。またSS7はB777-300ER。772より新しいタイプの機材です。

 

(2) IFEについて

シート配置図でも一番重要なのは、「機内エンターテイメントMAGIC-VI」などとある表示。JALの機内エンターテイメントシステム(IFE)は、随分昔からMAGICという名称が使われていますが、その後のローマ数字が大きいほど新しいハードやソフトです。また番組の数もバージョンによって異なります。機材とIFEの対応は、

SS6: MAGIC-V

SS7: MAGIC-V

SS8: MAGIC-VI

772: MAGIC-III

788: MAGIC-V

となります。それぞれのIFEのプログラムは、

JAL国際線 - 機内エンターテインメント

で確認できます。現在、MAGIC-V, VIでプログラムは同じです。ハードや操作性が違うだけということでしょう。MAGIC-IIIは番組数が相当少ないのですが、削られているのは洋画旧作がほとんど。新作はMAGIC-IIIでもとりあえず鑑賞できます。

 

MAGIC-V, VIでは、2016年1月から番組数がこれまでのほぼ倍になったそうですから、いつもより多く感じるのは間違っていません。

 

MAGIC-V, VIの映画の構成は、洋画56、邦画12、中2、韓2、印1となっています。何を新作と呼ぶかにも拠りますが、洋画の新作は15本ぐらい。洋画総数がSQの新作総数ですから、SQと比べると見劣りします。しかしSQの邦画新作は4に対して、JALは9。さすがに面目を保っています。JALでは邦画の大部分が新作ということになります。

 MAGIC-IIIで削られている邦画は、旧作の一つのみ。やはり日本人旅行者への配慮は相当なものです。

 

(3) どの便がよさそう?

洋画も楽しみたい場合、MAGIC-IIIを搭載している772は避けた方が良さそうです。

JAL781(HNL-NRT)、JAL31(HND-BKK)

がそれに当たります。日によって772に当たる可能性がある

JAL772(SYD-NRT)、JAL37(HND-SIN)、JAL32(BKK-HND

も要注意です。

 邦画が目的なら、とりあえず上のどの機材でも十分な新作が楽しめます。ただ画面の大きさ、操作性などは新しい機材の方が優れているはずです。

 

海外旅行が特別なイベントではなくなっている現在、邦画ファンだと

・楽に映画三昧したい → JAL国際線で海外旅行 → 訪問地決定

という計画のプロセスは、

・訪問地決定 → 道中映画も楽しみ → JALの利用

よりも普通になりそうな気がしてきました。

 

(4) IFEの案内誌

上の機内エンターテイメントのサイトの下の方に、機内用のIFEプログラムの案内がデジタルブックで閲覧できます。ANAと同じことをやっているのですが、2社で歩調を合わせているのはいつものとおり。IFEぐらい、大胆なことをやればよいのにと思います。