「今や世界のトレンドはドバイから」と言われるところまで繁栄は続かなかったようです。ドバイショックがどの程度のレベルだったかわかりませんが、投資の減速が起きると、「世界の中心」的な論調はたちまち霧散します。ドバイタワーこと、Burj Dubaiはバベルの塔にならずに済んだ(けれどBurj Khalifaへの改名に甘んじた)し、DXB空港の年間利用客は増加傾向は変わらず、いまやLHRとHNDを抜いて世界3位になっているはず。それなりに発展が続いているようです。
経営難によって竣工できず、放置される未完のビルはアジアに多い気がします。それが世界一の高さになるはずだったなら、話題性は抜群。世界経済を冷え込ませることにかなり貢献するでしょう。しかし歴史はそうなっておらず、巨大建築物の完成後に不況が訪れるというパターンを繰り返しているようです。不吉なのですね。世界一の建築物。これはジンクスではなくて、たぶん因果があります。目下工事の真っ最中なのが、サウジアラビア。原油価格が下降基調に変わったこともあり、気になります。
世界中からドバイに人を集めるEmirates。機内エンターテイメントは世界一の人気者。驚異的なのは、そのポジションが不動だということ。Skytraxで確認したところ、少なくとも過去5年間は世界一。Skytraxのにはいろいろなカテゴリーがありますが、世界連覇を続けているのは、Emiratesの"Airline Inflight Entertainment"だけでしょう。
そのEmirates。ウェブサイトでいきなりJennifer Anistonが登場することは、先日記事にしました。
それでこそ、IFEの王者です。ハリウッド女優の登用には、EtihadのNicole Kidmanの先例がありますが、Emiratesは映画仕立ての宣伝ビデオを作った点で映画好きを喜ばせていると思います。
ちなみにこの2人の女優は、ハリウッド映画で共演しています。その作品を見て、「EKとEYのコードシェアだ」と思うかどうかがオタクの認定基準になりそうです。
IFEの情報は、Book, Manage, Experience, Destinationsと並ぶプルダウンメニューから、Experienceを選択すると、Jennifer Anistonの姿を隠す御簾としてメニューが現れます。
彼女の左手薬指の指輪の辺りが、ちょうどinflight entertainment。当然ここをクリック。膨大な内容がぶら下がっていそうなページが出現します。EmiratesのIFEはiceと呼ばれます。どこかの国の高速鉄道と同じです。
この3分半のビデオはiceの紹介ですが、特徴的なチャンネルが次々現れます。チャンネルの数が半端ではなく多く、映画、TVショー、ゲーム、音楽をすべてあわせると2,000を超えます。
この下には今月のハイライトが紹介されますが、映画、
TVショー、
音楽とラジオ番組、
とカテゴリー別になっています。今月のハイライトだけですよ。それぞれのカテゴリーには、搭乗するフライトで何が楽しめるか、全て表示できるようになっています。"See what's on your flight"をクリックすると全チャンネルリスト。ためしに2月にDXB-NRTへ空想旅行するとして、表示させます。すると映画、TVショー、音楽、ラジオ、ゲームの全てのタイトルが見られるようです。
さらにカテゴリー別にサブカテゴリーが現れ、そこにタイトルが分類されています。映画にStar Warsなんて項目があるので、そこをクリックすると、EK318便で見られるStar Warsが全て表示されます。
新作Star Wars7以外の6作全てが視聴可能。これだけで、DXB-NRTの時間は過ぎます。初作をクリックすると、出演者、監督、言語、字幕などの基礎データと共に一言紹介が。
これは簡潔で使いやすいと思いました。
ヨーロッパ映画は41タイトルあります。
フランス映画:20
ロシア映画:5
カスティーリャ映画:5
イタリア映画:7
ドイツ映画:3
スウェーデン映画:1
という内訳でした。イギリス映画はここには分類されていません。
アジア映画は75タイトル。日本映画を探そうと、ウェブページの言語を日本語に換えると、こんな感じになります。
残念ながら、表の中身までは多言語対応していません。こういう時は、出演/声優の欄に日本名が並ぶタイトルを探します。というのも、この表は同じ言語の作品が一箇所にまとまっています。
すると下の方に、日本名が並ぶタイトルを発見。
Good Stripesから下は、日本映画のはずです。結局全部で19タイトルありました。邦画が目的ならその部分だけつぶさに見ればよいので、予習もすぐ済みます。19タイトルは、JALのMAGIC VIの邦画の数よりも多いのでした。
このウェブサイトは、機内で徹底的に映画を楽しむための予習にぴったりです。傑出していると思います。
航空券の料金の方は
で紹介したとおり、上手にセールを使うとオヤっというほど安く済みます。ヨーロッパが全て込みで、65,000円は素晴らしい運賃です。中東経由ですから、時間もたっぷりかかります。映画三昧にはもってこいのルートなのでした。ただし時間帯が理想的とは言えません。東京からドバイは一日一便。
EK319:NRT22:00発、DXB5:00着
です。12時間のフライトです。普通なら寝ている時間です。また帰りは
EK318:DXB2:55発、NRT17:20着
の9時間のフライトですから、全部が起きている時間とするのも無理があります。起きている時間だけでも十分として、割り切るのが正解のようです。