PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

映画館代わりの飛行機(その9):マレーシア航空シネマ

この航空会社、機内エンターテイメント(IFE)が語られることはほとんどありません。Skytraxでも番外です。しかし私は必要にして十分という印象を持っています。セレクションが良いのです。

 

ウェブサイト

Home | Malaysia Airlines

では、左下の隅にIFEのページがあります。

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そこをクリックすると、今月の新作のポスターですね。

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さらにポスターをクリックすると、予告編ビデオを見ることができます。さらにIEFの内容全体がpdfファイルに収まっています。これは、機内誌going placesのIFEの該当箇所全体です。リモコンの使い方も見られます。

 

ということで、搭乗前に完全に予習が可能です。MHはNRT-KUL間を毎日2往復しており、

MH89 NRT 10:30発 KUL 17:05着

MH70 KUL 10:50発 NRT 18:30着

を利用すれば昼の往復です。機材は昼便夜便とも今はA330-300で、昨年運航していたB777-200よりかなり良くなっています。一方、ビジネスクラスのヘッドホンは特筆するところがありません。自分でノイズキャンセラー機能の付いた製品を持ち込む方が良いと思います。

 

機内誌の新作欄は、10作品。

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話題のSpectre以外は、Legend, He Named Me Malala, The Man from U.N.C.L.E., Our Brand is Crisis, The Martian, Extraction, The Intern, The Peanuts Movie, Pan

とアクション、スリラー、SF、コメディー、ドキュメンタリー、キッズとかなりバラエティに富んでいるのでした。The InternはAnne Hathawayが出るからか、他の会社ではトップで紹介されていました。The Martienもトップでよく取り上げられました。

 

私がひそかに感心しているのは、ヨーロッパ映画。数は5と多くありませんが、選りすぐりなのか、個人的には外れに当たったことがありません。今月は

Le Goût des merveilles(仏)

Premiers Crus(仏)

Der Nanny(独)

Se Dio vuole(伊)

Isla Bonita(西)

というラインアップ。このうちフランス映画2作は、前から興味を持っていたもの。IFEの画面では一つのページに収まります。

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綴りが間違っているのはご愛嬌。この映画、Bourgogneの農民の感覚(と我々が勝手に想像するもの)が良く描けていて、びっくりしました。発音も矯正したのか、現地の老人にそっくりの俳優がいました。出身者?ドラマとしてはさらりとしていますが、印象が強烈。

 もうひとつのフランス映画、Le Goût des merveillesは、20 ans d'écartの女の方を演じたVirginie Efiraが主演。「再び」という共通点も見つかりますが、様相がだいぶ異なります。評価はかなり高いようです。AlloCinéでは20 ans d'écartより評価が高く、恐らく彼女が主演した映画で最高評価。

 

このIsla Bonitaというコメディも面白そうです。

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他の言語では、

マレー新作2、クラシック1

インドネシア

アラビア1

タガログ1

中国新作2、クラシック1

日本語2(グッド・ストライプス、もういちど)

朝鮮語

ヒンディ新作2、クラシック1

タミル新作2、クラシック1

でした。それぞれ必ず現地語表記があります。

 

それ以外に、英語の旧作が57あります。合計すると、映画は堂々の91作。退屈することは無いでしょう。多言語対応には、目を見張ります。計14言語ですから。ちなみに馬、中、日、朝、タミル、ヒンディ、仏では、テレビ番組も用意されています。自然、ビジネス、歴史、ショービズ、科学技術、音楽ステージ、旅行、ライフスタイル、キッズのほか、宗教のチャンネルがあります。

 

音楽では、マレー、広東、ヒンディー、タミルあたりが珍しいのですが、地域柄なのでしょう。作品は多すぎるので、機内誌でも紹介し切れていません。これは他の航空会社でも同じ。

 e-learningチャンネルは、コーラン、ベルリッツ監修の23言語、b-wise(いろいろな地域の商習慣、文化)などでした。

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マレーシア航空は料金控えめ。安い航空会社は乗る前から軽く見られ、「安いなりだろ」となりがちですが、こういう先入観を持つと損をします。IFEをしっかり予習して、できるかぎり楽しむことを考えた方が良いと思います。