国際チェーンでは、多言語化はサービス向上の第一歩。資本と人の流動は今後盛んになる一方ですから、この傾向はますます顕著になるはずです。自動翻訳技術も進んでいますから、多言語対応はやりやすくなっていますが、妙な問題も散見されるようになりました。最近見つけた言葉の乱れについて。
(1) Présidentの機内食バター
Présidentのバターは日本ではとても考えられない品質に対して、低価格。消費量が多いからこそ可能になるのでしょうね。4~8℃で要保管、移動自体に弱いので、なかなか国外に運ぶのが難しいはずですが、意外と東南アジアの外国人向けスーパーでは見かけます。マレーシア航空もこのバターを使っています。
今回はマレーシア航空のポカではなく、EUでの表示の有名無実化。EUの場合、国内だけで売っていても仕方ないので、ワインのように文化的な壁がある商品でない限り、表示が多言語対応しています。ここでは賞味期限表示。加工食品の場合、義務付けられているはずですが、この製品
A consommer de préférence avant le:/ Best before:/ Consumir preferentemente antes del:/ Da consumarsi preferibilmente entro il:
と仏、英、西、伊と4言語で書かれています。肝心の日付は
と仏語だけ。仏語は分からなくても、容器のどこかに表示されていることぐらい常識でわかるだろうということでしょうが、EUの規制があるはずなので、まずいのではないかと思います。
ちなみに底面を見ると、2桁の数字が3x2で6つ並んでいます。3つで一組、どちらかの組が賞味期限の年月日、もう一つの組は多分製造年月日でしょう。これも常識で判断せよということのようです。
(3月5日追記)
裏面の写真です。
日付は読めないことは無いものの、かなり苦しい気がします。
規制が企業側によって勝手に、だんだん緩やかに運用されるようになるのは、洋の東西を問わず起きています。
(2) バンコク、ロイヤルオーキッド・シェラトンホテル&タワーズ館内Wifiの設定
ここでも理解しがたい現象が。利用画面は、12言語に対応しているようですが、それはともかく情報を表示する言語。
問題が起きているところを拡大してみます。
Choississez votre plan(プランを選択)は仏語、その後のAs a privileged memeber,...から、次行の1 Dayまでが英語、その次のAnzahl(申込み回線数)は独語、Montant total(合計金額)は仏語と目まぐるしい変化です。
3カ国語表示。ただし客に3言語を要求する3ヶ国語表示です。バグだったとしても、理解に苦しみます。
(3) ドライビングブルーのQ&A
Driving Blueは、Air France-KLMのFlying Blue会員向けにつくられたハイヤーサービス。空港-都市中心間にサービスを特化しています。世界中で利用でき、私もハノイ、バルセロナなどで利用したことがあります。ウェブや電話で申し込みができます。都市によって値段がばらばらなので、その都市の相場を調べた方がよいのですが、それはさておき、FAQ欄。
AMS BCN FCO CDG LHR MAD- Find answers to your questions - Driving Blue
FAQは仏語ではFoire aux questionsです。
少し英語が見えて、嫌な予感がしますが、本文を見ると予感は的中するというか、呆れてものが言えません。
Comment puis-je annuler ma réservation?(どうやって予約を取り消せるの?)と聞かれ、”You can cancel your...”と英語で答えるDriving Blue。天晴れです。3つ目の質問はフランス人の中に紛れ込んだnon-francophone。英語で質問しています。答えも英語です。
この程度を仏語にするのは、どうと言うことないはずです。サボっているのは何故でしょうか。