中東3会社はハードで優れ、ソフトでも今までにないレベルのサービスを提供でき、世界で勢力を拡大中です。機材が新しければ、IFEも良いものが提供できます。現実にSkytraxの第1位はエミレーツの指定席。2015年の世界2位はQatar航空で、Etihadも5位につけています。航空旅行客の分布を見た場合、中東は世界中から客を集められないことはないのですが、一方どこからも遠いという特徴があります。長旅になる場合が多いので、良いIFEを提供することは、理にかなっているし、重要なのでした。
さて今日はQatar AirwaysのIFEを調べてみました。この航空会社は何回も利用していますが、いままでIFEを利用したことがありません。特に意識していなかったのですが、世の評価が高いという事実と照合すると、自分でも不思議です。
さてウェブサイトからチェック。IFEの紹介は日本語版がありません。3月のトップページは、Star Wars 7です。
路線ごとに検索できるので、HND-DOHを入力してみます。すると、
Premieres, Modern Greats, Hollywood Classics
という米系の映画が、時代に沿って3つに分類されて現れます。
つづくカテゴリーは、
Arabic Classic, Bollywood Premieres, Bollywood Classics
さらには
Arabic Premieres
が続き、近い将来のPremieresも予告されます。
アラブというのは本拠地への配慮。Bollywoodが充実していることから、中東の建築現場で働くインド人の数の多さを思い出します。Qatar Airwaysでは、インド系は御得意様のようです。一方、同じぐらい流入しているはずの外国人労働者、フィリピン人の影は見えません。
それぞれのカテゴリーでは9つの映画が紹介されています。
この画面で、言語もチェックできるという優れもの。使いやすいページです。それぞれの映画の簡単な説明も見ることが出来ます。Bollywood映画でも以下の通り。
あっさりしていて良いのではないでしょうか。
さて、便ごとの検索結果のトップページの上部のメニュー画面で、⊗をクリックするとまたフライトの選択画面にもどります。
今度は、DOH-CDGと入力してみます。すると出現するカテゴリーは以下の通り。
Mavel Cinematic Universeというカテゴリーが加わります。その内容は、次の通り。
すべて英語の映画でした。Qatar Airwaysの大きな欠点だと思いますが、英語のモノリンガルには十分なサービスを提供する一方、それ以外の客には物足りません。一事が万事この調子なのです。もっとも吹き替えやら字幕は充実しています。
PEK-DOH間はDOH-CDG間と同じで、中国系の映画があるわけではありません。
Bollywood映画やアラブの映画のファンには、素晴らしいプログラムだとは思います。その他の国々で製作される映画は、期待できません。Skytraxで評価される部分では手を抜かず、こういう方向では経費を削減していて、経営も良好。しかし、非英語圏かつ非アラブの客の立場からは、質の高い航空会社とは言いかねます。IFEにこの会社の特徴が出ていて興味深い調査でした。
しかしですね、欠点が無いというのも面白みに欠けるので、このぐらいでちょうど良いのではないかと思います。
最後にQatar Airwaysで感心する点を。長距離ビジネスクラスでも本格的なノイズキャンセリングヘッドホンが提供されます。たぶんBOSEの製品です。これは重要なポイントです。