PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

空港ホテル(1):Pullman Paris Roissy CDG Airport

Global Elite Executive Premium Traveller(「出張社畜」という言葉をオブラートで包むのに、他にどんな形容詞があるでしょうか?目下募集中。)は、時として空港ホテルの利用が避けられません。この空港ホテルというカテゴリーですが、旅客数の増大とともに大きなビジネスに成長していることは間違いありません。最近は競争も激しいらしく、比較し甲斐があります。

 飛行機が好きで好きで、空港から離れたくないタイプではないので、私の利用頻度は人並み。シリーズにしたいのですが、緩慢に長くなることは最初から見えています。インデックスを作成できるとしたら数年後です。それでもやってみます。空港ホテル。

 

第一弾はパリの巨大空港CDGの敷地内にあるホテル。最近開業したPullman。建設中から気になっていました。

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上の地図の”Ici”にあります。オレンジの線はCDG-VAL(ターミナル間連絡のための無人運転シャトル)です。

 

CDGの空港ホテルは少し前に整理しました。

シャルル・ド・ゴール空港(周辺)ホテル: 4つのカテゴリー - バス代わりの飛行機

またAccorhotelsの新しい4ホテル体制についても整理しました。

パリ・シャルルドゴール空港周辺のアコーホテルの新展開 - バス代わりの飛行機

こんどは実践です。ウェブでの情報収集や妄想旅行は楽しいのですが、やはり実践にまさる情報源はありません。経験は真実ですからね。

 

このホテルはTerminal 1からもTerminal 2からも、CDG-VALで簡単にアクセスできます。下車駅はTerminal 3-Roissypole。

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ここはCDG-VALとSNCF(フランス国鉄)の乗換え駅です。

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地上階にあるのにもかかわらず、天井がコンクリートで重苦しい駅舎内です。

 

駅舎と駅前が工事中。駅前の区画にIbis StylesとPullmanがオープンし、オフィスビルも新しいものが建設されたので、その関連工事でしょう。

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駅構内案内には工事区域が示されています。従来からあったIbisは駅直結、PullmanとIbis Stylesは駅前です。

 

Le Dôme, Pullman, Ibis Stylesと案内がある出口からの風景。CDGの到着が夜で、初めて利用するとしても迷うことなくたどり着くと思います。

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空港ホテルでは、アクセスの分かりやすさは大切です。玄関の様子は昼間の写真から。

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さてこのクラスのホテルでは、レストランの存在感が軽めですが、まずはしっかり食べられます。共通施設のフロアには、デザインにいろいろ工夫がされていますが、特筆すべきことでもないので、客室へ。

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夜なので暗いのですが、昼間カーテンを開けてもおそらく大した風景は見られません。ベッドの足側の壁と机。

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机の上に置いてあったものは、メッセージ、書くもの、ブルターニュ産キャラメル、化粧品でした。

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"Dear Global Elite Executive Premium Traveller,"ではなく、 ”Dear Nomad,” で始まるメッセージは、単なるホテル案内。Globetrotter kitというクリームのセットは、ラベンダーとペパーミントの香り。バスルームの洗浄4工程(ボディジェル、シャンプー、リンス、ボディーローション)と香りが統一されています。

仏語のnomadeは確かによく使いますが、英語のnomadって、日常的に使う単語なのでしょうか?

 

入口近くにはロッカー

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と姿見が対面配置されています。

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姿見に拡大鏡があるなんて、老眼が増えているのでしょうか。しかしメークの最後の仕上げのため、小さな台がすぐ下にあるなど、心配りが行き届いています。台の下にぶら下がっているのはヘアドライヤー。

 

ロッカー内の引き出しを開けると、衣類に関するいろいろが入っていました。

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着替えの他、アイロン、お針子道具、クリーニング発注票があります。物の配置が考え抜かれています。

 

独立したトイレ。

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シャワールームにバスタブはありません。

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レインシャワーで十分です。

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洗面台に置かれたキットは箱にまとめられています。この辺は見栄えを意識しています。

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Style new-yorkaisですかね。Nouille-Orqueから来る客は、気が付かないでしょうが。

 

エスプレッソマシーンは部屋の角にあります。

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上部が金庫です。この角を90度周った右側、エスプレッソマシーンの下部は冷蔵庫の扉。

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ホットもコールドも飲料が置かれているのは部屋の角でした。角、角と言っていますが、何の角かというと、バスルーム、トイレを区分けした壁の角です。

 ホテルのベーシックな部屋では、入口側にバストイレを区分けして、残りのスペースを通路にします。そして奥の広いスペースにベッドと机、ソファーなどを配置します。この角の利用法は空間利用の効率が高く、多くのホテルで可能ですが、あまり見ません。

 ホテルの客室は、機能的なだけでは安っぽくなります。この部屋の場合、適度に質感があり、適度にデザインされているので、よく見えます。Accorhotelsはなかなか上手だと思います。

 

ちなみにアルコールを除く飲料は全て無料でした。これがLe Clubの会員特典か、全ての宿泊客へのサービスかは忘れました。

 

レセプションでしか従業員とは接触しませんでした。空港ホテルではそんなものでしょう。このホテルの従業員はフレンドリーな一方、必要事項を効率よく伝えてくれるので、有能という感じがします。

 

このホテルのようにデザイン重視、まずまずの質のものを置き、それを付加価値とする中規模ホテルが増えています。これはゴージャス一点張り(と言いつつ、見てくれだけ)だった、シティホテルの時代より良い傾向だと思います。空港ホテルなんて寝られれば良いという先入観もありますが、「せっかくパリまで来たのだから、少し余裕を持って」という人にはぴったりかもしれません。いつでもキャンセル可能なフルフレックス料金で2万円程度でした。