Etihad Airways PartnersはあくまでもEtihadとの2社間の協力関係で、三大連合のような多社間の関係ではないと思っていました。しかしそうではありませんでした。
写真を整理して気が付きました。ローマーFiumicino空港のAlitaliaのラウンジの入口案内です。長距離便が出るGサテライトにあります。
立て看板が出ているように、Etihad Airways Partners各社の上級会員も入室できます。
さらに同じくFCOで見たAlitaliaの優先搭乗案内。
ガラスに映りこんでいて見えにくいのですが、
Business Class, Freccia Alata Plus, Freccia Alata, SkyTeam Elite Plus
に加え、
Premium Economy Class, Ulisse, SkyTeam Elite, Corporate Premium, Carta Alitalia Oro/Platino Amex, Etihad Guest (Platinum, Gold), Jet Priviege (Platinum, Gold), topbonus (Platinum, Gold)
とはっきり表示されています。Etihad本体の上級会員だけではなく、Jet Airwaysやairberlinの上級会員もOKなのでした。
ということで各社の上級会員を相互に優遇するシステムになっていました。3大航空連合と同様、多社間提携でした。
Etihad Airways Partnersの規模は、
8航空会社、325就航都市、93就航国
です。SkyTeamの
20航空会社、1,057就航都市、179就航国
と 比べると確かに小さいのです。しかし注意が必要です。SkyTeamもoneworldもStar Allianceも世界的な航路網を展開しているのに対し、Etihad Airways PartnerはEtihadの路線網の拡大です。今のところ、欧州ーインド洋、南アジア、シンガポールーオセアニアと世界の一部が対象です。地域と呼ぶにはあまりに広大ですが、あくまでもEtihadの路線網の補完、充実の域を出ません。
3大航空会社は、最初から世界的な航路網の構築を指向していました。
Star Allianceがドイツ、北欧、北米2社、タイで始まり、すぐブラジルが加わったこと
oneworldが英国、香港、オーストラリア、北米2社で始まったこと
SkyTeamがフランス、オランダ、メキシコ、韓国で始まったこと
を見ても分かるように、各社が路線を補完すると言うよりは世界分割の様相を呈しています。欧州勢は相変わらず植民地時代の感覚が抜けていないようです。
一方Etihad Airways Partnerの路線網は、確実に利益をもたらす部分で協力し合っているようで、ずっとビジネスライクに見えます。脅威に見えるのは当然でしょう。小さく見えても、弱くもなければ、劣ってもいません。「航空連合は時代遅れ」Etihadの社長が発言したと思いますが、確かに3大航空連合はビジネスを目的としているのか、その目的のために提携の最適化を考えているのか怪しくなってきます。