PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

ワインスクール代わりの飛行機(その16):アリタリアのワイン以外の飲料

良く知られるように、ワインの教材はワインだけではありません。ワインを①知る、②味わう、③楽しむ時と同じ方法で他の飲料に近づくと、違う世界が見え、それが還流してワインの理解を深めるといった効果があるようです。

 

こんなことを言い出したわけは、アリタリアビジネスクラスではワイン以外にも力が入っているからです。簡単に紹介。

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Birre/ Beers/ ビール

ビールは土地のもの。ワインと比べ、はるかに輸送が困難です。ビール工場の灰が落ちる所で飲むものだという説教は、工場近くでそのビールを飲んだことがある人なら理解できます。したがって、珍しいビールは必然的に多くなります。高度10,000 mが遠いかどうかは別として、アリタリアもその土地に行かないと味わうのが難しい品を積載しています。

 

(1) Birra Moretti alla Friulana, con Mela Renetta Friulana

フリウリ地方のビール。特産のリンゴを使った新鮮な甘口。それだけで味わっても良し、ハムやチーズと一緒でも良しと、機内サービスではウェルカムドリンク向けですね。

 

(2) Birra Moretti alla Toscana, con Pregiato Orzo Toscano e Farro

トスカーナはMaremma地方の大麦から造った特徴的なビール。高い香りとしっかりしたボディから、肉料理を含め、いろいろな料理に負けません。

 

(3) Birra Moretti alla Siciliana, con Fiori di Zagara Siciliani

シチリアのビールですが、現地のオレンジやレモンの花を使っています。魚料理と合わせるのが良いとされます。そのままビールだけ味わうのも良いはずで、これもウェルカムドリンクにも適しています。

 

Apperitivi e Liquori/ Aperitif and Spirits/ 食前食後酒

(1) Grappa Nonino Vendemmia Riserva

(2) Amaro Mediterraneo

(3) Glen Grant

(4) Limoncello Villa Massa

(5) "Opera" Amaretto Bianco Beltion-Merak

 

蒸留酒には関心が低いようで、説明がありません。そもそも用意している品も有名どころばかりです。そういうものかもしれません。ウイスキーが好きな人には、たった1種類しかない状況から、少し気落ちするかもしれません。アメリカ人は水割りをよく飲むので、大西洋便だともっとあるかもしれません。ブランデーもグラッパ1種類。

 少し見方を変えると、(3)以外は全てイタリアの飲み物で構成されているので、天晴とも言えます。

 

Caffè ed Infusi/ Coffee And Tea/ コーヒーと茶

独立したLavazzaのメニューがあります。Luigi Lavazza S. p. A.は、トリノを本拠地とするtorréfacteur(コーヒー販売業者) 。1895年創業とあるので、それほど古いのれんではありません。現代では勢いがあって、広告なんかも洒落ていることは良く知られるところ。

 

(1) ¡Tierra!

強い100%アラビカ種のブレンド。中南米産コーヒー利用。強さ5/5、アロマ4/5。

 

(2) Gran Riserva

アラビカ種とロブスタ種のブレンド。甘く、強さが理想的なアロマ。強さ3/5、アロマ4/5。

 

(3) Gran Crema

理想的なイタリアンエスプレッソ。アラビカ種とロブスタ種のブレンド。強さ5/5、アロマ4/5。

 

(4) Dek

デカフェインのエスプレッソ。それでも強く一定した味わい。強さ3/5、アロマ3/5。

 

(5) Prontissimo! Classico

フィルターで淹れるタイプのコーヒー。コロンビアのアラビカ種100%。強さ5/5、アロマ4/5。

 

以上がコーヒー。茶はすべてWhittingtonラベルで、以下の通り。

(6) Ceylon black tea

(7) China green tea

(8) Golden Flowers

(9) Herbal Comfort

(10) After Dinner

コーヒーのバラエティの広さに比べ、茶は一通り揃えましたという感じがします。普通の人には十分でも、ハーブティーにこだわりを持つ人に選択肢が2つというのは、かわいそう。

 

イタリアの食文化に沿って、「えっ、こんなにできるの?」というぐらい頑張っています。コーヒーは何回か飲む機会があるので、幾種類か試すべきでしょうね。一方イタリア文化を外れると、「とりあえず」という感じのアリタリア。もっとも「ほうじ茶一つないのか」と、怒り出す方がわがまま。ほうじ茶が恋しくなっても、これはわがままと自分に言い聞かせる方が外国ではうまくいきます。

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ナポリの色ですね。

 

振り返って日本の航空会社では、宇治茶、伊勢茶、静岡茶、八女茶ぐらいの種類は用意できるのでしょうか。チェックするのもいやらしいし、調べていませんが、少し心配になってきました。

 

海苔は伊勢、瀬戸内、有明、上総ぐらい用意しろとは言いませんがね。緑茶も海苔も産地によって全く香りが違いますね。