キャセイとしては、満を持して4 月に施行したマルコポーロクラブの新上級会員制度。その結果、多数の会員が見限り、他FFPへ流出したことでしょう。利用者減、売上減になりそうですが、利益増になったのでしょうか。たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じと、古(いにしえ)のミュージシャンが歌うとおり、日本で人気抜群だったCathayも凋落するかもしれません。
会員制度だけではなく、いろいろな改革を行う宣言をしていたので、様子を知るために新千歳空港から出発。
この空港の国際路線網は貧弱です。それほど大きな人口を抱えているわけではないので、致し方ありません。一方で国内線は世界最高密度の路線を抱え、利用者数は非常に多く、ターミナルも都市人口の割には充実しています。そこで国際線ターミナルは、国内線ターミナルから徒歩で移動できるよう設計されています。
国際線の客でも大きな顔をして、国内線ターミナルを利用できます。これはコスト削減、省エネルギーに効果的、実によくできていると、来るたびに感心しています。
札幌に来て、北海道の味覚を無視するわけにはいきません。
予約したCX581は運休。次のCX583に変えたと、自動生成メールが送られてきました。CX581とCX583、2便の予約を合わせても、行き帰り共、B777一機分にもならず、「片方、送るのやめるわ。しんどいし。」となったという、ありがちな展開。乗継ぎの都合も考えたのでしょうが、消滅したのはCX581。この便の予約を入れた客は、出発と到着が1時間繰り下がりました。
機内が混雑することも容易に予想できます。踏んだり、蹴ったりとは、こういうことを言うのでしょう。機材運用に長けたCXでは日常茶飯事。
チェックインの列。
Ich mag nicht Schlange stehen. 通過しても、保安検査で長い列。
この国際線ターミナルには、保安検査と出国審査の優先レーンはありません。本来は明るく、空いているターミナルなのですがね。
チェックインの後、ラウンジで時間をつぶすのには気乗りしなかったので、このホールに残っていました。出発時刻の1時間前に腰をあげ、長い列で時間をつぶし、出国したら搭乗ゲートはすぐ手前。まさに優先搭乗が始まるところだったので、立ち止まること無く搭乗しました。出国審査から搭乗までは、この上ないほどスムーズ。
スムーズな搭乗の副作用:ゲート付近の写真がありません。大勢の人がいたかもしれませんが、見ていません。
ビジネスキャビン
リージョナルの標準的なタイプ。
最前列で、IFEの画面は小さいのでした。
ビジネスクラスとエコノミークラスは通路が異なり、エコノミーの旅客が良く見えますが、とにかく大量。
ビジネスクラスのキャビンは、文字通り満席でした。私の隣はイギリス人男性でしたが、他に席は無いでしょうねと諦め気味に乗務員に訊いていました。もちろんダメ。最前列の窓側席で、こういうことを言う客はインボラアップグレード組でしょう。
2人の男性乗務員から「特別挨拶」。このキャビンで対象者は3人。意外と少ないDiamond会員+Emerald会員です。「ウェルカムドリンクさぁ」で出てきたのは、Billecart-Salmon。
Cathayの行く末も気になりますが、やはり距離を飛びたいのですね。BAの会員ですから。
日本ではBAの会員数が増えていると思いますが、CTS-HKG便のビジネスクラスの売れ行きは上を向いているでしょうか。運休を阻止できるほど急増しているわけではなさそうですが...。
17:40定刻に対し、17:35にドアクローズでした。満席でも悠々定刻出発できる日本発。CXの従業員は、心配が少ない日本便。
セーフティビデオは、このバージョン。
新千歳空港は、ドカ雪でもない限り混雑しないでしょう。15分後には離陸していました。
合冊メニュー、内容と実物
気流が安定しているのか、離陸15分後にはシートベルト着用指示灯も消灯。その直前、メニューが配られました。
カクテルにCathay Delightを発見。久しぶり。キャセイへの搭乗自体が久しぶりですが...。
ウイスキーは4種あります。英語圏の客を呼びたければ、このぐらいは必要ですね。アリタリアのたった1種類と言う切り捨ては、大胆不敵です。またジン系のカクテルも人気あるはずですが、キャセイは英国、豪州相手に商売をやっているだけあって外しません。
マルコでもないし、英語圏の人間でもないPechedenferは、Champagneベースのカクテル、Pacific Sunriseを選んでしまいました。強制的に泡を追い出す仕組み。
機内食は夕食です。前菜は選択なし、メインは3種から選択というキャセイ標準。前菜は驚き。
機内食で貝のタタキって、ありえ無くない?
スモモ蕎麦って、何?
鮭の卵と鱈の卵、魚卵の競演?etc.
破綻が約束されています。
楽しみにしていた前菜ですが、出てきたのは驚きのないキャセイ風。見た目は貧弱。トマトがひしゃげていますが、これは何らかの方法で水分を半分以上取り除いたもの。味が凝集されるので、生野菜サラダで直接使うのは理にかなっています。
魚卵2種は、別々に食べろと言うことでしょう。ホタテはタタキではなく、中まで熱が通っています。スモモ蕎麦は梅切りのつもりだったようですが、これは小麦ですね。本当にスモモ(あるいは梅)を使ったのかどうか怪しい一品。のびた麺をむしろ非難すべきですが、今時どこの航空会社でも平気で出します。
日本語の麺類の名称を使う場合は、その区別を厳格に行うよう、日麺連は日本に就航する外国航空会社を指導しましょう。そんな権限がないなんて、消極的ではいけません。供給者が蕎麦、うどん、そうめん、きしめんの区別をすることは、全世界の消費者の利益にかないます。ついでに機内食開発の技術協力も行い、日本産の麺類をガンガン売り込みましょう。
ガチャガチャ言っていますが、この前菜自体には文句ありません。さやインゲンの食感が良好でしたし。トマトは気に入りました。
ワインはBourgogne Chardonnayを合わせましたが、こちらはどうも今ひとつ。
メインは和洋中から選択という、昭和の百貨店最上階、魅惑のレストラン街。選んだのは中華。キャセイの場合、常に「何となく広東風」で内蒙古料理なんて期待できません。
男性客室乗務員がサービス。「とても良い選択だ」とフランス人のような台詞を吐いていました。ジャスミンライスは、一部乾固したキャセイ風。香りが良いのでもったいない気がいつもします。良く煮込んだブタにHaut-Médocを合わせましたが、あまり個性的でない赤ワインなら何でも良さそうです。
食事の途中ですが、くたびれてきたので、残りは次に。