空港に泊まる人たち
巨大空港Roissy Charles de Gaulle。航空券を持っている場合、出発の前日から滞在が認められています。朝早くに空港に到着すると、ゴロゴロと、床や腰掛で寝ている若者を多く見かけるのは、そのためです。ADP(Aéroports de Paris)によると、夜は施錠するのですが、24時間を超えて空港の中に居続けることも可能でしょう。実際、この空港に18年も滞在した人がいます。これは政治亡命、盗難、法制度の穴が絡んだシリアスな「事件」ですが、この実話を下敷きに軽めの映画が作られています。
Tombé du ciel - film 2016 - AlloCiné
映画では、パスポートを出発空港で盗まれたものの、とりあえずParisまで来て、当然入国できない男の話となっています。
あまり陥りたくない状況ですが、こんな場合でも長期滞在が楽になりました。トランジットゾーン、つまり制限区域内にホテルが出来たのです。
日本便の発着ターミナルに出現
すでAmsterdam(Schipol)、London(Heathrow)、London(Gatwick)にトランジットホテルを展開しているYotelairが、ターミナル 2E, ホール Lに80部屋の「仮の宿」を開業しました。
Terminal 2Eは、Air Franceやその提携会社の長距離便用ターミナル。2Eから出発する前か、2Eに到着後、別のターミナルから出発する前に利用できるようです。
Terminal 2Eから、いろいろなターミナルの制限区域内に徒歩で移動することは可能ですが、パスポートコントロールがあります。2E内で乗継ぎというケースは、遠くから飛んできて、遠くへ飛んでいくことになるので、それほど多くないはずです。AFを利用して、日本からパリ経由で南米に行くような場合です。欧州Shengen域内へのAFのフライトは、2Fか2Gを利用しており、2Fと2Gの間のシャトルは頻繁に周回しています。このトランジットホテルを利用する多くの客は、2E⇒2Fか、2F⇒2Eを移動すると思います。パスポートコントロールを通ったら、逆戻りが困難なことには注意が必要かもしれません。
全ての部屋はキャビンと呼ばれ、窓はありません。介護用ベッドのような電動ベッド、大型テレビ、収納式テーブルと各種コンセント、シャワー、トイレは標準装備されていて、機能的なつくりになっています。19.5 平方メートルがファミリー用(ダブルベッド+補助ベッド)、プレミアムキャビンが 9 平方メートルと、スペース自体は大きくありません。
他に共用スペースがあり、ホットドリンクが無料で提供されます。
価格は、プレミアムキャビンの4時間の滞在が59 EUR、18:00-9:00の一晩が99 EUR。24 hいつでもチェックイン、チェックアウトできるはずですが、料金は注意が必要かもしれません。また時間がない客用に、シャワーのみの部屋もあります。最大1時間の利用で15 EUR。有料シャワーと同じですね。1時間は長め。
Yotelairは、Amsterdamですでに10年の実績があります。ParisのYotelairは、Amsterdamのものより快適なつくりとなっています。
このチェーン、次は2018年にSingapore(Changi)に、同様のトランジットホテルをオープンする予定です。