ヨーロッパという地域は、様々な国、民族が入り乱れてきました。過去には立派な国家として存在していても、現在は一地方扱いになっている「国」はかなりあります。だいたい独立運動が存在しますが、独立派と残留派の勢力が拮抗しており、自治権拡大派も絡むケースがほとんどです。動きはあっても、実際には起きないという状態が何十年も続きます。
ヨーロッパ史の生き証人として無視できない国
そうした国の代表格がカタルーニャ。一度は、アラゴン王国と連合王国を成し、地中海の大帝国となりました。サルデーニャもコルシカも領土でした。現在は共に独立国家ではありません。しかしスペインのカタルーニャ自治州、フランスのルションの一部、アンドラは確実にカタルーニャです。
カタルーニャ語は健在で、アンドラの公用語になっている他、カタルーニャ自治州の公用語。日常的に使われ、日刊紙もあります。よく独立の話が出ますが、独立国に近い実質も手にしています。
カタルーニャの中心都市は、今も昔もBarcelona。標識がMadridより、はるかにわかりやすい都市です。カタルーニャ語は、スペイン語よりフランス語に近いので...。カタルーニャ人はよく瓜類を食べるところなど、スペイン人にしか見えないのですが、カスティーリャの人からすると、フランス人に近く見えるのでしょうか?
ヨーロッパには偶然で国家として存続しているアンドラ、サンマリノ、ルクセンブルグ、リヒテンシュタインなどの極小国も存在します。カタルーニャが独立国家ではないのも、やはり偶然。独立派、残留派にかかわらず、カタルーニャ人はそう認識しているはずです。
そこで調べてみました。Barcelonaの勢力を。
Perpignanの空港となるか、BCN
フランス側では、カタルーニャの大都市はPerpignanとなります。ここにも空港はあります。ただしParis ORYをつなぐAir Franceがほとんどです。他はごくわずか。7-8月には臨時便が数多く設定されますが、冬期は
ORY 週21便、CRL 週2便、STN 週1便
と、一応ベルギーとロンドンに便を持つものの、国際空港と胸を張るには難しいレベルです。
一方、Barcelona El-Prat 空港(BCN)は年間 3,500万人の旅客が利用し、Madridに次ぐスペイン第二の空港。規模が違います。BarcelonaからPerpignanはピレネー越えを含みますが、200 km、2時間の行程。文化、歴史を共有する住民が多数いるという状況を考えると、シャトルを運転しない理由はありません。
調べてみましたが、シャトルの定期路線はないようでした。その代り完全予約制のミニバンタイプのバスが利用できそうです。
完全予約制のミニバン空港シャトルは、北米やオーストラリアではごく一般的に使われています。大型路線バスでは採算がとりにくいけれど、ある程度の需要がある場合、利用者にとっても利便がよいサービスです。Perpignanは人口 12 万人。Barcelonaへは結構な山越えがあるので、こんな規模で十分なのではないのでしょうか。
日本から行くPerpignanへの場合でも、BCNは選択肢になります。EUの時代になって、国境を越えるのが非常に楽になったため、こういう移動はますます一般的になるはずです。