PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

男性用フレグランス売れ筋ベスト10

ショッピングネタです。香水類は、機内販売や空港免税店で買うと圧倒的に安いので、当ブログとしては避けられません。ヨーロッパでは贅沢品と日用品の間ぐらいに位置するので(利幅)X(流通量)が大きく、おいしいビジネス。競争が発生しているのでしょう。

 

男が香水なんて...

と言うのは少数派。「2016年に最も売れた男性用香水10」という記事が11月に出ています。

Les 10 parfums pour homme les plus vendus en 2016 | Parfum

まだ2016は終わっていないのですが、クリスマスプレゼントの参考にという趣旨です。香水>オードパルファム(EDP)>オードトワレ(EDT)>オードコロン(EDC)の順で香りの強さや持続性が落ちますが、現代はEDP、EDTが売れ、品揃えも充実しています。特に男性用の売れ筋は EDT で、機内販売でも多くが EDT です。免税店では、EDPもかなり売っています。

 液体物としては、重量あたりの価格がBordeauxの1er Cru Classéぐらいなので、機内販売にも向いています。

 高価なようですが、医薬品には勝てません。例えばその倍もする目薬は薬局で普通に売っていて、誰でも変えます。香水類より、造るのがずっとやさしいのですがね。

 

またフレグランスの客層が、機内販売に抵抗が無い年齢層に一致することも大きいと思います。若者の体臭は加齢臭、老年臭に比べると嫌悪感が全く違います。20代は清潔にしていれば、まあ体臭は気にしなくて良いのです。金はないし、夜遊びで金は使うし。基本的には、夜遊びは体力的にきついアラフォー以上が香りの顧客。ゲルマンよりラテン、特にフランス、イタリアが利用率高し、と言ったところでしょうか。30までは、「親父が使っているのを借りた」なんてケースも多いようです。ワインと同じで家庭内教育(=子は親の背を見て育つ)に影響を受けますが、ワインより気軽で、かしこまったところはありません。

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フランス男の売れ筋ベストテン

さてそのベスト10ですが、以下の通り。Air France, Alitalia, Iberia, KLM, British Airwaysでの機内販売での扱いもメモしました。香りの要素は別に調べました。

 

1. Terre d'Hermès (2009)

AF, AZ, IB, KL: 100 mL 75 €

BA: 100 mL £60

オレンジ、グレープフルーツ、火打石、パチョリ、胡椒、桃色の実、ゼラニウムの葉、安息香、ベチベル草、ヒマラヤスギ

 

2. One Million de Paco Rabanne (2008)

AF, IB: 100 mL 74 €

AZ: 100 mL 65 €

KL: 100 mL 69 €

BA 100 mL £53

ペパーミント、マンダリンオレンジ、グレープフルーツ、桂皮、バラ、香辛料、パチョリ、龍涎香、白木、黄色い革

 

3. Sauvage de Dior (2015)

カラブリアベルガモット、アンブロキサン

 

4. Le Mâle de Jean-Paul Gaultier (1995)

AF: 75mL 53 €

IB: ? mL 58 €

ラベンダー、ペパーミント、ベルガモット、オレンジの花、桂皮、クミン、バニラ、ヒマラヤスギ、白檀、トンカ豆

 

5. Invictus de Paco Rabanne (2013)

AZ: 100 mL 65 €

グレープフルーツ、海の香り、月桂樹、ユソウボク、パチョリ、龍涎香

 

6. Boss Bottled d'Hugo Boss (1998)

KL,BA: 35 mL 瓶の組合せ商品で扱いあり

ゼラニウム、リンゴ、プラム、ベルガモットレモン、ブナにつくコケ、カーネーションマホガニー、桂皮、白檀、オリーブ、煎じたバニラ、白いベチベル草、ヒマラヤスギ

 

7. Dior Homme Intense (2007)

ベルガモット、ラベンダー、龍涎香、カカオ、アンブレッドの粒、はっきりしたアヤメ、ヒマラヤスギ、パチョリ、ベチベル草、革

 

8. Habit Rouge de Guerlain (1965)

薔薇の木、ベルガモットレモン、マンダリンオレンジ、カーネーション、ヒマラヤスギ、パチョリ、桂皮、安息香、バニラ、 龍涎香、革

 

9. Bleu de Chanel (2010)

ナツメグ、ピンク胡椒、ペパーミント、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ジャスミン、ヒマラヤスギ、ベチベル草、生姜、乾いた香り、半日花のラバダム、パチョリ、白檀、乳香

 

10. Azzaro Chrome (1996)

ローズマリー、生姜、パイナップル、レモン、プチグラン(未熟の柑橘類の果実や葉より得られるエキス)、ジャスミンシクラメンコリアンダー、アヤメ、ヒマラヤスギ、 ブナにつくコケ、白麝香、トンカ豆

 

機内販売が無くても、大型空港では免税品売り場にほとんど揃っているので心配は要りません。価格も機内と大体同じです。Air FranceやIberiaの機内販売のように、搭乗前に購入しておくと割引がある場合もあります。アジアでは、機内でも空港でも少し高くなります。

 Habit Rouge なんて、ずいぶんクラシックなものがランクインしています。Guerlainは伝統を大切にする人に愛されているようです。初代Pierre-François-Pascal Guerlainは歴史的な調香師。調理人のMarie-Antoine CarêmeやFrenand Pointに匹敵します。

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あらためて基礎

アジアはヨーロッパより概して気温が高く、オマケに湿度も高かったりします。そのため柑橘系の香りが好まれます。CX, MH, SQのビジネスクラスの化粧室に備えてあるEDC やその他の化粧品類も柑橘系が普通です。おフランスの流行ざますと言って、むやみにプレゼントにするのは考え物。近くの男にプレゼントするなら、自分が気に入った香りが条件ですが、他の人も嗅ぐことを考えるとやはり基本に忠実な方が無難です。男性が自分用に買う場合も同じ。自分の趣味も良いのですが、周りの迷惑も考えましょう。女性は、想像以上にクンクンしています。(=意識的に臭気を嗅ぎます。)

 臭覚が敏感で疲労が早いことも、思い出す必要があります。生理学の単位のためではなく、人間芳香剤になって周囲の顰蹙を買う事態を回避するためです。男性用はEDT が売れる訳です。

 

なお香水類の人気は、気候、文化、顧客、流通経路にも影響を受けます。たとえば英国のアマゾンで売れ行きベストテンは、

 

1. Le Mâle, Jean-Paul Gaultier

2. Issey Miyake

3. CK, Calvin Klein

4. Boss Bottled by Hugo Boss

5. Versus Blue Jeans

6. Fcuk

7. Obsession, Calvin Klein

8. Joop Jump

9. Paul Smith Extreme

10. Escape for Men, Calvin Klein

 

でした。フランスの売れ筋とは全く違います。ただし2つを比べて改めて思うことは、価格がかなり大切だと言うことです。あまり高価なものは売れません。