PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

バルセロナで買ったワイン

Barcelonaで買ったワインもそろそろ落ち着いただろうと、「一気飲み。」

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全部Rias Baixas。一番右のボトルは2本あります。半分が免税店で購入。半分がCarrefourで購入。

 

Rias Baixasは、生産地丸ごと国際販路をつくった成功例。近年では珍しいことです。アメリカで大変人気があると聞いていますが、日本ではそれほど輸入されていません。良いものもあるし、そうでないものもあるという印象をもっていました。

 さらにスペインで開けるボトルの質が、日本に輸入されたボトルの中身より、顕著に良いという疑いをもっていました。今回はそろそろ結論を出そうと思い、まとめ買い、まとめテストです。

 

結論からいうと、これらのボトルはすべて大した品質で、柔らかく、ニュアンスに富んでいました。残念ながら、日本で買える同名称のワインの多くは、これらに比べると刺々しく、痩せています。スペインより「空輸した」ボトルも、少し残して翌日飲むと同じように刺々しく痩せたものとなってしまいました。

 

つまりRias Baixasは、「旅をさせてはいけない」ワインと結論しました。

 

運ぶとワインの味は変わります。昔から言われています。人によっては微妙、人によっては許しがたいほどです。これは味覚臭覚の問題であると共に、感性の問題でもあります。並べてみれば比較すれば明らかですし、ワインのラベルが記憶できる人なら、生産地で味わいが異なる体験は珍しくありません。それをどう思うかですね。

 Médocのワインのように「運べる」とされるワインですら、Bordeauxで味わうとずっと新鮮な果実味を持っています。若かろうが年を取っていようが、この傾向は維持されています。

 Bourgogneのpinot noirは、もっと激しく変わります。口当たりの良い、丸く柔らかいニュアンス*が、船で輸入すると失われます。pinot noirを官能的だと讃える人の気持ちが分からないという人は多いと思いますが、この要素の有無が原因ではないかと、Pechedenferはにらんでいます。

*Pechedenferはフランス人女性の尻に譬えているのですが、共感が得られたためしがありません。みんな堅物。

 

この「旅による劣化」は、気になる人と気にならない人がいます。その人のキャリアやワイン全般に関する理解とは関係ないようです。気になる人は、ある時気が付いてそれ以来、気になって仕方がないというアレルギーか心配性に似たところがあります。気にならない人を説得するには、日本で買ったワインと同一ワインを生産地近所でも買い、飛行機で運び、並べて飲ませ、違いを熱く語らないと難しいと思います。そういう印象付けが必要です。

 リファーコンテナを使うかどうかと言うレベルの話ではありません。船で運んだものは、飛行機で運ぶものより大きく変わります。

 

ワインの面白い点は、置かれた場所によっても味が異なり、保管地によって傾向があることです。ロンドンで保存されたワインは、コルク臭に近い香りが付くことが多いようです。パリで保存されたワインは、エッジが無くなり、飼いならされてしまったようです。

 

こういう事情があるので、生産地近くで味わうことは重要です。欧州では、ワインを観光の目的に挙げるのは古臭い定番。さらにこの体験を外挿すれば、Rias BaixasはGaliciaで味わうと、さらにフレッシュに感じられるはずです。次のスペインはGaliciaで決まり。

 

SCQに白ワイン巡礼では、罰が当たりそうだからVGOですか。AFはVGO便を止めてしまったし、行くのが難しくなっていますが。

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