PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

フライングブルーが金額制に (3)

マイルについての補足

前2記事で書いた内容は、Air France, KLM, HOP!などFlying Blueのコア会社に関する変更点です。SkyTeam加盟会社などの提携航空会社への搭乗では、従来通り航空券の予約サブクラス別に定まっている加算率と搭乗距離の掛け算でマイルが計算されます。詳しい表は以下のサイトにあります。

Earn Miles on Permanent Benefits | FlyingBlue.com

 

加算率はよく変更されるので、航空券を購入する前にチェックする必要があります。チェックしていても予約後、搭乗前に加算率が変わる場合はどうしようもありません。Pechedenferも一度そういう目に会いました。

 日本在住だと、デルタ航空中華航空大韓航空ベトナム航空、中国東方、中国南方などを使う人の方が多いと思いますが、それらについては2018年4月1日はあまり意味を持たないようです。

 

マイルについての雑感

今回の制度変更、全体としてマイルが貯まりにくくなります。初見では獲得マイルが増えるケースが結構ある気がしたのですが、税金を甘く見ていました。改めて見てみると税金は航空運賃と同じぐらい、場合によってはそれより高いのでした。万事そういうことかもしれませんが、誰が一番儲けているのかよくわかります。

 

ところで航空会社が搭乗のオマケとしてのマイルを絞ると、FFP会員は提携先からのポイント移行に注力するようになります。FFPをマクロに見るとその方向に傾くのは、理の当然。つまりどんなFFPでも、マイル付帯を絞ると会員の陸マイラー化を招きます。乗るより移した方がよいのです。

 それに対して航空会社が特典に必要なマイルを増やすことで対応すると、次はFFP自体を見放す会員が増えます。搭乗していた顧客も含めて他社FFPへ変わります。一度スパイラルに入ると出口なしです。

 例えばSPGのクレカを持つプラチナ会員だと、SPG経由で年間10万マイル得るのは簡単です。通常のアメックスでも入会キャンペーンは強烈です。1.8万マイル分の搭乗をする資金を商品購入に使うだけで、3.2万マイルに換えることができます。FFPの価値向上のために幅広い提携は必須ですが、その提携が実搭乗へのモーティベーションを削ぐという皮肉。

 

Air Franceの努力だけではどうしようもない構造的な問題がありますが、反復利用を促す仕組みとしてのFlying Blueは役目を終えつつあるようです。

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上級会員への基準

エコノミー客でもビジネスクラスへの付帯サービスを一部受けられる上級会員制度ですが、これもビジネスクラスやファーストクラスを多用した方が達成しやすいという形に変わります。ただしこの点では、変更前からその傾向が顕著だったのでインパクトはありません。

 

その年の会員レベルが前年の搭乗実績で決まることには、変化はありません。搭乗実績は、2018年4月1日からXPというポイントの積算値で量られます。それは以下の通り、搭乗キャビンと距離で定められています。国内線は全て国内となります。DOM, TOMはたぶん国内扱いではありません。

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これらの数字はFlying Blueの利用会社、SkyTeam加盟会社共通です。上級会員基準(一段階昇進および維持)は以下の通り。1年間で貯めないといけません。

Silver 100 XP

Gold 180 XP

Platinum 300 XP

 

British Airways、Qantas、Cathay Pacificなどと同じシステムになりました。ポイント加算に関してはBritish Airwaysほどには、上級キャビン優先の露骨さはありません。エコノミーは一律一緒という点で、安い航空券で数多く乗る客には優しいプログラムです。比較してみましょう。

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BAとAF、最も安いエコノミークラス搭乗の獲得ポイントを1とした時、各サブクラスでどれだけ得られるかまとめてみました。BAでは格安エコノミーに乗って上級会員になるのは絶望的ですが、AFはそれほどでもありません。

 

これがまず特徴の一点目。ただし、そうは言うものの注意は必要です。格安の航空会社が集まっているような印象の強いスカイチームですが、その格安な航空券は大抵マイル非加算です。したがってXPも加算されません。少しましな利益をもたらす航空券でないと、Flying Blueには相手にされません。

 

次に距離区分によるXPの違いがいちいち顕著なので、日本在住者の場合は経路の選択に気を付ける必要があります。例えば東京-パリを往復するにしても、60%以上も獲得XPが違ってきます。これが特徴の二点目。

 

補足となりますが、大変重要な点です。現在のFlying Blue会員が、2018年3月31日までに得た資格マイルや搭乗回数で4月1日以降も有効なものに関しては、以下の換算レートでXPへ変換されてしまいます。

資格マイル:1000 miles を 5 XPに

有効搭乗回数:1回 を 7 XPに

2018年に限って必要な経過処置ですが、これを使って楽に上級会員資格を得たり、継続させたりすることも可能です。(後述)