バス代わりの飛行機

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フライングブルーが金額制に (4)

上級会員へのハードルはケースバイケース

上級会員になり易くなるのか否かも重要な問題です。結論から言うと、搭乗パターンで真逆の改革となります。比較するために、現行の上級会員への基準(暦年中の搭乗により得られた資格マイル)と新制度の基準(一年間の搭乗により得るpoints d'expérience, XP)を一覧にしてみました。

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資格マイルに関しては、旧制度では25,000 milesでSilver会員になれますが、新制度では100 XPです。したがって新制度で1 XPを得ることは、旧制度で250 milesを得ることを意味します。しかし会員レベルによって、事情は少し異なり、相対的にはGold会員継続へのハードルが最も下がりました。次はPlatinum会員です。

 

加算の仕組みは、コメントでご指摘があったように、

・XPの積算期間は一年間。

・基準に達したら上の会員レベルに昇進。XPはその基準分が減算。一年間が新たに開始。

・一年後に余ったXPは次年度に持ち越し。

となります。

 

この距離制の基準に加え、現行制度ではSkyTeam加盟会社(およびAircalin~いつの間にか有効になっていました!)への年間搭乗回数でも上級会員になれます。その基準は

Silver 15回、Gold 30回、Platinum 60回

です。他の多くのFFPと同様、セクター単位で数えます。長距離便をよく使う人は資格マイルで、短距離便を多く使う人は回数で会員レベルをアップできる制度でした。

 

4月から事情は大きく様変わりします。

 

まず回数基準が無くなります。国内線エコノミーはそれなりの距離としてしか評価されません。フランス国内線をエコノミーで飛び回っていた人は、新制度では上級会員になるのが非常に困難になります。

 

前記事にもアップした上級会員になるためのXP基準を再掲します。

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国内線エコノミークラスの利用だけでGold会員になろうと思ったら、現行の30回の搭乗回数が90回に増えます。絶望的な変化で、上級会員継続は諦めざるえないでしょう。

 

それでは資格マイルで上級会員になっていた客はどうなるでしょう。これは搭乗クラスと距離によって場合分けが必要ですが、いつもファーストを利用する人に上級会員制度なんて意味を持ちませんから、格安エコノミークラスを中心に考えてみます。Gold会員を継続するケース(あるいはSilver会員がGold会員になるケース)を想定します。

 

(1) フランス国内線

現行では125 miles/flightの資格マイルが得られます。新制度では1 flightで 2 XP。現制度で444 miles得たことになります。3.5倍も効率が上がるという大幅改善です。ただし国内線専門かつ資格マイルで上級会員になることは無かったはずなので、机上の空論です。

 

(2) ヨーロッパ便(中距離便)

現在188 miles/flightです。新制度では1 flightで 5 XP。1,111 miles得ることに相当します。6倍にも効率が上がっています。しかしながらこの搭乗パターンの場合も、現在は回数でクリアしているはずなので、この比較も意味を持ちません。

 

(3) 東京発でパリ往復

東京-パリを考えてみます。現在は航空券が非常に安い時、往復で3,010 miles。最も普通のパターンで4,530 milesです。GWなどではMなんて予約クラスしかなく、12,060 milesばっちり貯まりますが航空券価格もばっちりです。新制度では、往復で24 XP獲得。換算すると5,333 miles分を得たことになります。航空券価格が、安い時期~通常の時期だと大幅改善します

 

(4) 東京発のパリ経由欧州行

これも結構多いパターンでしょう。CDG経由で欧州内の都市に行く場合です。価格はCDG単純往復とほとんど同じ。現行制度では資格マイルは往復376 miles増えるだけですが、新制度では合計で34 XP得られます。これは往復7,556 miles得たことに相当します。改善幅は大きいのでした。

 

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(5) SkyTeamの~ 5,000 milesの便

日本在住だとこの距離のAF便を利用することは多くありません。SkyTeam加盟会社なら時々お世話になるかも知れません。その場合も格安エコノミーは25%や50%加算が多いので、ほとんどAFに準じて考えて問題ありません。2,000 milesの距離を往復すると、1,000 ~ 2,000 miles資格マイルが得られますが、新制度では16 XP。これは3,556 milesに相当します。大幅改善です

 

 

上級キャビン利用の場合

ビジネスクラス、ファーストクラスも見てみます。ただしAFなら東京-パリ往復の場合だけで十分です。やはりGold会員になる場合を考えます。

 

(1) 格安ビジネス

現在15,050 miles資格マイルが得られます。新制度では72 XP。これは現行の16,000 milesに相当します。若干改善されているものの、格安エコノミーに起きる変化と比較すると、無視できる程度です。

 

(2) 格安ファースト

現在360%加算率ですから、一往復で43,344 milesも資格マイルが得られます。新制度では120 XP。これは現行の26,667 milesに相当します。大幅改悪です。

 

他の距離区分でも大差ありません。ビジネスクラスは「あまり変わらない~小幅改善」、ファーストは改悪です。そもそも上級会員の特典は、キャビンクラス、予約クラスが下がるほど加速度的に有用になります。その意味では、格安エコノミーで大幅改善、ファーストでは改悪という今回の改革には、Air Franceの良心というか、顧客を向いたサービス精神が感じられます。

 

回数達成派の敗者復活戦

CIやKEの短距離国際便を格安エコノミーで飛び回り、回数で基準をクリアしていた人は微妙です。結論から言うと、搭乗パターンを変えるとGold会員になるためにかかっていた金額が減りそうな気配です。以後の記事で触れます。

 

結論

来年4月から、搭乗回数はカウントされなくなる。飛行距離と搭乗キャビンによって上級会員基準が決まる。格安エコノミーを利用するなら、現行の距離基準と比較した場合、大幅改善。ビジネスは横ばい、ファーストは大幅改悪。