破綻して10月に運航停止した Air Berlin。BerlinとDüsseldorfをハブとしたドイツ第二の航空会社でした。会社本体の大部分を吸収したのは Lufthansaですが、顧客の集団には特別の興味は無いという立場です。Lufthansaは、Air Berlinのマイレージプログラム(FFP) topbonus の会員を明確に見放しています。
Kein Lufthansa Status Match für airberlin Vielflieger
在りし日の topbonus はステータスマッチに熱心でした。日本でもソーシャルメディアに煽られ、実行した方が大勢いたと思います。しかし多くのマイルを抱えた人や、会員 tierを維持した人は例外的な存在だったはず。ほとんどの人にとって、Air Berlinの破綻による損害は軽微だったと思われます。カードだけ手に入れて、ほとんど利用しなかったことが幸いしました。topbonusは、世界中でそんな会員ばかり増やしていたのでした。
そういう会員内容の悪さも手伝って、破綻後の topbonus 会員には救いの手を差し伸べる会社が現れません。結局、路頭に迷うのかなと思っていました。
しかしドイツにいると情報が拾えるものです。Air Berlinが加盟していた oneworld から、British Airways がドイツ在住会員限定で特別措置を発表していました。British Airways のFFP、Executive Club の会員にスムーズに移行できるよう特別な提案です。
British Airways のドイツ版トップページ。
実はこの救済キャンペーン、すでに終了しており、実行するための情報としては意味がありませんが、oneworldの記録として記事に残しておきます。
条件は以下の通り
・ドイツ在住18歳以上のtopbonus会員で、tierはSilver, Gold, Platinumである者が対象
・2017年10月17日から11月30日までに申し込み
・すでにExecutive Clubの会員でも対象となる
・Executive ClubのBronze会員に迎える
・12月31日までにBritish Airwaysを4搭乗以上行えば、9,000 aviosのボーナスを与える
・専用メールアドレスABtieroffer@ba.comに、11月30日までにtopbonusのtier statusの証拠を付けてExecutive Clubの口座情報と送る必要がある
これを利用しても、topbonusのマイルは無くなるわけですし、会員レベルも
Platinum (oneworld Emerald)
Gold (oneworld Sapphire)
の全てが、一律 Bronze (oneworld Ruby)になってしまいます。Platinum会員は相当な格下げ。彼らにとっては、無いよりマシな程度。会員 tier の救済以外に、BA利用による aviosボーナスの合わせ技で、topbonusの中でも良質な会員を招こうとしています。
ドイツ在住者に限定しており、無節操なステータスマッチで生じた世界中の幽霊上級会員は排除しています。そういう会員が増えることは、何としても避けたいのでしょう。
Air Berlinは冷戦時代の徒花のような存在。ドイツ社会では重視される存在ではなかったこと、長距離路線への進出等の背伸びが祟ったことが経営上の問題だったことはすぐに気が付きます。Miles & Moreの会員からすれば、でたらめやりすぎな topbonus を救済するのは、受け入れがたいかもしれません。彼らには彼らの感覚や理屈があると改めて認識。
なおこの期間は2倍aviosキャンペーン中ですので、それも加わります。
現在Air Berlinのトップページは以下の通り、死亡広告状態。
なおStatusmatcherを見ていると、少し前まで積極的だった Emirates や Etihad も慎重になっていることが分かります。応募者の現在の会員 tierがどうであれ、それぞれのFFPで「上級会員の最低 tier」で迎えるケースがほとんどです。今回のBAによる topbonus 会員の救済もこの線に沿っています。
こんなことまで、相場があるのですね。勉強になりました。