PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

カタール航空も言語の乱れ

非典型的なカタール航空のメール

先週の金曜日にQatar Airways(QTR)が送ってきた宣伝メール。簡体の中国語です。QTRも派手になったものです。

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今後の展開が期待できると喜んでいたら、月曜日にはお詫びメールが。しっかりしています。ただし火に油を注ぐようなことをやっています。

 「あなた様が設定とは異なる言語で書かれたメールを受け取ったかもしれない」からお詫びすると英語で言っています。すると日本語で送ってよこすいつもの広告メールは何?ということですね。Pechedenferが何語に設定していても、このお詫びに心がないことは明らか。

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しかし、あちこちに中国語メール+お詫びメールを送ったことを想像すると、笑えます。ANA並みに客をばかにしていることもバレた*し、今後ますますカオスになると予想されるので、楽しみです、QTR。

*ANAの場合も同じですが、正確には「詫び状が客をばかにしていることに気が付かない愚かさ」が明らかになりました。サービスにそつがない優等生だと面白みに欠けますから、こういうポカは大歓迎。

 

ご同輩は大勢

言語カオスはQTRに限りません。Pechedenferが最近ギリシャ語ばかりだと騒いでいる Aegean Airlines(AEE)なんて、典型的。

 そのAEEの最近の状況は以下の通り。

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図は拡大すると見やすくなりますが、宣伝はギリシャ語と英語。英語はアテネのラウンジ新装開店に関する3通だけで、残り全てがギリシャ語。搭乗の連絡はフランス語です。

 

もっとややこしい会社もあります。例えば Flying Blue は仏英日3言語で宣伝をよこします。発信元が全て異なるというのが特徴。Alitaliaではフランス語と英語を使った結果、向こうからの連絡は英語と日本語。ごくたまにイタリア語。

 

もちろんすべての場合で、言語の設定はなされています。彼らは参考にすらしていないようです。

 

一個人顧客に対して連絡が複数言語でなされるのは、不思議ありません。根本の原因は顧客側にありますが、サービスの供給者も軽視しているのです。情報収集に熱心な顧客は、いろいろな情報をあちこちで、つまりいろいろな言語で得ます。情報利用は、言語の壁を乗り越えやすい分野。古典芸能のように文化依存性の強い娯楽とは異なります。見つかった情報の周辺では、当然その言語を使います。購入、予約、照会、クレームなどその言語でなされると、電子的に言語と顧客が紐づけられます。サービス供給側が、顧客情報を部分消去することはありえません。こうして一つのサービス供給者が、一人の顧客と複数言語で結ばれる状況が発生します。

 

QTR、AEE、Flying Blue、Alitaliaで起きていること、つまり航空業界では、客の都合とは関係なく、多言語でメールを送ることが普通になっていると一般化しても良いそうですね。

 もっとも例外もあり、British Airwaysは100%英語、JALは100%日本語と大変優秀。BAなんて、フランス語やドイツ語で一度発券したぐらいではぶれません。常に英語!

 

カオスの近未来

現代日本では、日本の住所を登録すると、有無を言わせず日本語でコミュニケーションをとる傾向があります。これがカオスに拍車をかけます。

 電子メール送信はタダみたいなものですから、言語違いへのチェックは省略され、こうした状況が放置されます。通じる言語だってあるでしょうみたいな...。

 

こういう条件が重なり、一人の人間が相手しなくてならない言語の数がゆっくりと増え続けています。面白いような、面倒くさいような感じです。

 

最後に原理原則を述べると、客に分かる言語でサービスをするのは基本中の基本。つまり航空会社やホテルが言う、「パーソナライズされたサービス」とか、「一人一人のお客様に...」なんて全くの嘘っぱち。言語という基本レベルの事柄ですら、まじめに対応する気が無いのですから。