PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

MH89:NRT-KUL ビジネス マレーシアのA380

成田の第2ターミナルに来るA380といえば、Emiratesがありますが、それ以外に就航しているでしょうか。第1ターミナルも、Thai Airways Internationalがバンコクへ飛ばしているぐらいでしょう。A380の凋落ぶりと日本の航空需要の凋落ぶりには目を見張るものがあります。そんな中、うれしいニュースは、マレーシア航空が成田線A380の運用を始めたこと。よりによって何故かマレーシア。

 責めの姿勢に転じたというより、持て余している6機のA380を少しでも有効活用したかったのでしょう。SQ, TGなど、地域に強力なライバルが目白押しのマレーシア航空。文化的な差異を強調して航空券を売ることができる日本路線は、まだ期待できるのかもしれません。機内で見ていても、乗継客はあまりおらず、KUL行く客がほとんど。日本では「マレーシアに行くから、Malaysia Airlines」というロジックが成立しています。

  

成田の第2では、大きいといっても大体 B777なので、巨大な機体が一際目立ちます。

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良い眺め。第2ターミナルの母屋は、設計が古くなりつつありますが、意匠の意図が伝わってきます。

 

そういえば、機材を観察するのに良いチェアが並んでいました。導入はいつだったのでしょうか。

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ゲートに着くと、想像通り人があふれています。長い列が3つ。優先搭乗もかなりの数になっています。CXのSilver(銀マルコ、oneworld Ruby)を手にしたオーストラリア人らしい父親、「ビジネスクラスなの?」と聞く子供に、「これで優先搭乗できるんだ」とデタラメを言って家族4人で並んでいました。ここではEmerald, Sapphireが優先搭乗の対象。

 空港により、航空会社により、優先搭乗の対象が異なるという複雑さはどうにかならないものでしょうか。徹底するなら、客一人一人を人海戦術で確認しなくてはなりません。そんなことはSwissportとの契約には入っていないでしょう。対象外でも堂々と並ぶ客が居ると、不公平感が起きます。一方、航空会社としては速やかに搭乗が済むことが一番重要。大勢の優良顧客が不満を抱き、他社に逃げる事がない限り、この問題にあまり手間をかけたくありません。面倒くさい話ですね。

 

乗り込むと、A330の新型とも旧型とも異なるシート。ビジネスクラスは、2階の前方。

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マレーシアは、A380に随分期待していたことが分かります。

 

シートは6K。最前列窓側が当てられました。

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さて今日の搭乗、いわくつきの航空券。座席指定時に1階の前方キャビンが表示され、1Aが予約できたのです。しかし、そこはファーストクラスのキャビン。

時々A380でやってくるマレーシア航空 - バス代わりの飛行機

あわよくば、そのままファーストのシートかと思ったのですが、やはりダメ。最前列窓側のまま、ビジネスクラスのキャビンへ電子データの段階で強制移動となりました。

 

飛行中で覗いてみると、ファーストのキャビンは全く使っていません。空気を運んでいました。本当に伝説になりつつあるA380のファーストクラス。

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ビジネスクラスの前方キャビンは満席のようでしたが、便全体としては空席があったのでしょう。週末には1日2便もあるMHのNRT便ですが、さすがにA380を埋めるほどはならないようです。恐るべしA380

 

ファーストのキャビンを覗けたわけは、ビジネスクラス客には1階のトイレも使えるようになっていたため。トイレのスペースは2階の方が広大。Qatar航空のようにファーストを2階にする方が、レイアウトが組みやすいような気がします。

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A380の2階といえば、脇の物入れ。これがあるとないのでは利用できる空間がだいぶ違います。特に最前列なら、エコ、ビジネスにかかわらず窓側がよろしいようで。

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出発に手間取っていたようで、予定時刻を20分ほど過ぎてからノソノソと動き始めます。4,000 mあるA滑走路を海側に向けて離陸しました。ある滑走速度に達すると突然浮力が働いて、ふわりと浮くというA380に独特の離陸。この機材、巨大な割には必要滑走距離は短いのです。

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本日は、日本人客室乗務員も搭乗していました。何回も会っていて名前まで覚えている方でした。わざわざ挨拶に来てくれました。

 

機内サービスはA330に搭乗した時とほとんど同じ。

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サテーは牛か鶏、または両方から選択できます。牛を食べる気分ではなかったので、鶏だけ。山盛りになっているより、3本ぐらいが品良く見えます。

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次は前菜類。インスタ風に直上から。貧弱さでは、絶対キャセイに負けないマレーシア。

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メインはチキンカレー、ゆでたカレイ(かヒラメかそれに似た魚)、ローストした野菜からの選択。珍しいので野菜に。

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本当に野菜だけ。こっちの方が前菜にぴったりです。低カロリー指向は機内食メニューとして良い傾向。

 

その後は、小型ハーゲンダッツ、セイロン茶で終了。

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ランチという時間帯のはずですが、非常に量が少なくなりました。これで長距離ビジネスクラス?と言う感じです。しかしホモサピエンスには、本来このぐらいが良いはず。足りなければ軽食(ミーゴレン、カリフォルニアロール、フルーツ)がいつでも食べられるので、そちらをどうぞ。

 

到着2時間前、希望者には軽食のサービスがありました。これはスキップ。行く場所は東南アジア。北欧ではないので、食べられる時に食べる必要をあまり感じません。

 

IFEの画面は、就航当時のレベルで考えても普通の大きさと普通の解像度。

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Malaysia Airlinesは、今A350の受領と就航で沸いています。機内誌が大騒ぎしています。今ひとつ南の人になれないPechedenferは、「A380の時もそうだったのでしょうけれど...」なんて、水を差すことしか思い浮かばないのですが、今度も気合が入っています。

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ビジネスクラスとファーストクラスでは、食器がノリタケ特製になるようです。食器が違うと食事の満足感が違うので、これは良さそうです。贅沢を言うなら、ビジネスクラス機内食が食器に負けないぐらい、華麗なものになることを願います。