PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

BA8:HND-LHR ワールドトラベラー(その1)

4月は 1日のバカ記事を除くと、マイルとか、ポイントの話ばかりになりました。こういうテーマは、話が細かくてつまらないと思います。きっちり整理しなくてはならないのが、ものぐさな Pechedefer には苦手。定性的でOKな、チャバネゴキブリ観察日記のような記事の方が簡単です。

 

ゴキブリ観察は、このブログでは却下・没ネタ。それならゴーマンズ観察日記はどうかと、羽田へ。

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新しいし、清掃も行き届いていて、美しい通路。このラウンジ、中に入ると内装の安物感が半端ではありませんが、この通路にはそれがありません。ゴーマンズの巣に相応しい出入口。

 

朝早いので人があまり居ないラウンジ。やはり空いていることが極めて重要。

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ゴーマンズ認定できる観察事項は、簡単に見つかるわけではありません。コロニー特有の生態を指摘すると、窓際に選択的に付着することぐらい。大きな荷物を隣席に置いて、無駄にスペースを占拠するのも御約束。こうした集団でも大部分の人間は、混んできたら荷物をどけるので、マナー違反にもなりません。平和なラウンジでした。

 一見して外国人だと分かる客が半分ぐらいのダイニング。30分ほど過ごしたら、次々人が入ってきました。日本人らしき客は、大部分がレジャー客。その多くが得体の知れない系。だいたいファーストクラスラウンジなんて、年齢、職業、性別等、得体の知れない感じの客が多いのですね。ファーストクラスのキャビンになると、その傾向はさらに強まります。

 

席を譲ってSitting sectionに移ります。まだ空いています。

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しかしここも30分ほどで、ダイニングからあふれた人が流れ着いてきました。やはり窓側席が好繁殖地。

 盛大に音を立てて味噌汁をすする中年男性が出現。マナー違反の危険域がだいぶ近づいてきました。ここはダイニングではないからです。

 日本だからまだ許されます。静かであるべき空間なので「ダイニングで食べろ」と思う客が出る程度。しかし、このことに非寛容な社会で無神経に音を立てて食事していると、忌み嫌われます。醜悪な生物を見る様な視線が投げられるかも知れません。中世日本で穢れた、中世ヨーロッパでmaudit (英語だとdamned)という形容詞が付く排斥された者へ向う視線。その現代版です。

 この「場所を意識せず、騒音を立てて食べているラウンジ客」は、鈍感そうな中年~老年男性に多いのですが、これから海外に出るわけです。少々心配。

 どこで食べていてもとがめられなくなったのは、戦中、戦後世代から。それ以前の日本では、特に教育のある人は食べる場所と時間にうるさく育てられたはず。(本人はもとより)親の育ちが悪いと言うと反感を買いそうですが、まさにそういうことです。

 

逆光なので分かりにくいのですが、窓の外にはANAがずらり。羽田国際線ターミナルANAの勢力下に。

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多分ラウンジはJALの方が空いていて快適でしょう。

 

ラウンジのどんつきにある絵画。これ以上先へは逃げられません。

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このラウンジのために描かれた絵だったように記憶しています。初めてまじまじと見ましたが、日本がやたら大きく、イギリスが存在していません。一方セイロン島などは、律儀に表現されています。現在の地球科学からは、こんな世界地図になることは過去未来を通してないでしょう。

 

普段と変わった事も起きそうに無いので、ゲートへ。遠い増設部分でした。 出国から近いところはANAJALが使います。

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まずまずの客の入り。BAは客層が良いのか、混んでいてもストレスになりにくいのが不思議です。イギリス人も多いので、列もできます。

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客の様子をもっと知りたかったので、列に並んでみました。すぐ横のシートにフランス語で喋っている客が着席していました。年輩の男性と脚の悪い女性というペア。Air France, c’est le dernier choix(エールフランスは、まっぴら御免)というタイプかもしれません。この二人、係員に促され、優先搭乗に混じって搭乗。日系では事前改札扱いされる車椅子の客が、一般客と仲良く搭乗。地上係員はJALでしたが、人権の理解*が出来ている様です。

 ただしこれを可能にするには、客の意識も高い事が必要条件。幸いゴーマンズの令名は影を潜め、JAL上級会員を含めた総ての客がそれなりの振舞をしていました。BAでは外様だからゴーマンズが萎縮したのではなく、圧倒的に人権意識が徹底しているヨーロッパ人たちに影響されたのでしょう。自分のマナーを向上させるのに最も簡単な方法は、周囲の良い点を学ぶことだと再認識。

*自律も含めて、「健常人」と同じ生活ができるようにする事。足が不自由ということを、背が低いからオーバーヘッドロッカーに届かないので不自由だとか、英語が苦手だから国際線利用が不自由だとかいうことと同じレベルで発想し、本当に必要な補助に留める事。それ以上の措置が人間の尊厳を損なう事を、助ける方も助けられる方も理解する事。

 

周りの空気が読めない人間には、周囲から立ち振舞いを学ぶことは困難。国際線ラウンジで静かなセクションに食べ物を持ち込んで、盛大に音を立てて食べて平気な人間には期待できません。まさに学習困難という handicap です。しかし本人は、自分には空気が読めない事はおろか、この能力に劣ることの重大性に死ぬまで気がつかないでしょう。社会は handicap として扱わず、ソフトな排斥に向います。不幸な事です。