初めての利用であることを白状しなければなりません。World Travellerのキャビン。
実はBAの利用歴が長く、海外発券も、国際線片道発券も、ビジネスクラス(Club Europe)も、プレミアムエコノミーもお初はすべてBAという Pechedenfer。このキャビンは、最後まで残った未知の世界。あえて搭乗したのは、GGL会員になり、客あしらいに幅の広さを感じるようになったからです。知らないとなると、俄然興味がわいてくるものです。また知ることが義務のような気持ちにもなっていました。
ついに未踏の地へ。
席はこちら。目の前はファーストまで見通せる通路と、特別席には違いありませんが、収納が一切ない点には注意。キャビン最前列の窓側でもスペースは十分なので、雑誌入れがあるだけ良いかなと思いました。
後ろのキャビンのバルクヘッド窓側は、脱出用滑り台の収納場所が少し大きいので要注意。よほど大柄でないと、脚を圧迫することはないと思いますが。
質素な座り心地でしたが、12時間のフライトも快適。問題なし。ヘッドレストが厚めで、疲れを軽減します。念のため言い添えますが、B777で3-3-3の配列ですから、空間には比較的余裕があります。BMI >35 を社会的に、BMI >40 を物理的に排除する 3-4-3 仕様で、日欧間を往復する某社のようなことはありません。イギリスも肥満が多い国ですから...。
満席でしたが、オーバーヘッドロッカーの収納場所を巡る混乱もありません。これはBAでは普通のこと。観察したところ、そもそも搭乗客の荷物は少いことに加え、周囲の状況を見て、彼ら自身が適当に空間を作っていました。ちょっとした「調和を大切にする」態度が、ストレスフリーにするのだと納得。大したことではありませんが、文化依存性があり、他の航空会社では真似が困難。客層は重要です。
BAの客は、搭乗も速やかに済みます。今日も例外ではなく、搭乗完了して出発を待ちます。そして遅れることもなく、普通に離陸。
おつまみ配布時に、食事のワインも一緒に配っていました。こんな形で省力化を進めているとは、知りませんでした。スペイン赤(と空のプラコップ)がそれです。このステージのドリンクは、水とChampagneということ。
普通のエコノミークラスでも、グラス入りのシャンパンが出てきました。バリューですねと書けば、アフィリエイト広告サイト並みの誘導。からくりを報告すると、BBBAはメモを手にし、Champagneを配っていたました。6つぐらい席番号が記せられていました。つまりワンワールドエメラルド会員が対象です。今日の機材は777-300だから185席。通路半分でこの数だと、比率は6%にもなります。World Travellerのキャビン全体で6人だったのでしょうか。
ランチトレイ。JALでは整列するところ、BAではカオス。Very British。
「国際線のキャビンは、後方に行くほどカオス」という表現はとてもイギリス的ですが、実践するほどでは無いと反省。悪ふざけしたわけではありませんが、おままごとのように並べてから撮影してあげるべきでした。日本語で紹介するのですから。ごめんなさい英国航空日本支社の方々。こんな写真をアップして。
整列していようが、カオスだろうが、時間が経過すればゴミと食糧がごっちゃになったトレイが出現するのは同じ。エコノミークラスですから。
和食としては、馬航のビジネス、昭南航空のファーストよりずっとまとも。調理の問題。
東京に入っている欧州の航空会社は、アエロフロートを含めて和食も普通。
メインは「魚のパスタ」と「和風の牛」からの選択。リスキーなパスタは避け、和風の牛に。タレよりソースに傾倒していますが、無問題で食べられる和食。英米系を意識させるソースの不自然なトロ味はコーンスターチ?白い野菜は白葱。ポアロではありません。牛は焼肉用サイズの柔らかい部位でしたが、ばら肉にした方がもっと和風になって良かったと思いました。
機内食終了。機材はこの辺を飛行中。どこにいるか全く見当がつかないシベリア。
冬だったら極夜突入フライトですが、夏だとずっと昼。日が沈むことが無い大帝国らしいフライト。窓の日よけは強制されることがないので、薄暗いキャビン。ほぼ飛行全区間を通じて、冬のヨーロッパで室内にいる感じ。自然とそうなっているのでしょうが、静かでとても居心地が良い空間。予想外に仕事がはかどりました。
寝るもよし、映画を楽しむもよし、読書するもよし。静かに過ごせ、他人が何をしているのか全く気にならないキャビン。World Travellerのキャビンも英国風でした。良い感じです。
Pechedenferは、めでたく東京ーロンドン間の全キャビンクラスを体験出来ましたが、キャビンに関係なく、BAの長距離路線では時間の過ごし方が大切だと感じています。暇をもてあますと、キャビンをうろうろし、他の客の鼻つまみ者になりかねません。保安上、危険な客とマークされる可能性もあります。そんな人は滅多にいないので、自分がそうならないように要注意。
BAに限らず、どの航空会社も御国柄からくる個性を持っているので、理解して搭乗することは大切。フライトの快適、苦痛を分けます。
さて到着2時間を切ると、2回目の食事。相変わらず雑然としています。パスタとカレーの選択で、カレーに。チキンカレーということでした。
"Very, very, hot ! "という注意とともに渡されましたが、もちろん温度の問題。スパイスの使い方の話ではありません。外国で作っただろう「マフィン」が載っています。
もうすぐゴール。うつぼに飲み込まれそうなBA機。喉の奥にはLondon。
この辺で、年輩の日本人客室乗務員から挨拶。メモを見ながらは格好悪いものの、会員種別を確認のうえ、微妙に挨拶を変えます。キャリアですね。他の客には種別を入れての挨拶でしたが、Pechedenferにはそれが無し。コワい、コワいと言ったところ。「イケない場所」に居るのが見つかった時のようで、恥ずかしさも混じります。
そういえば、搭乗時には客室責任者が迎えてくれましたが、搭乗券を確認する時、名前を呼んでの挨拶。ちょっとしたやり方の違いがあって、各人がそれなり工夫していることが分かります。
挨拶に限らず、乗務員個人による細かな工夫は、会社によって様々な形で現れます。気がつくことが、FFP 会員として定着した証でしょうか。