PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

JL42:LHR-HND プレミアムエコノミー

「暮らすように旅する」という言い回しはすっかり定着しています。Googleで「暮らすy」まで入力すると、検索予測に出る有様。しかしこの言葉、焦点がぼけた空虚な響きを持ちます。何を意味するのか、実体がわかりません。例えば、

 

気温が上がったから、河川敷を走り回り、

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紙が切れたから、買いに出かけ、

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靴に穴が開いたから、作りに行き、

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新作が噂になっているから、映画館へ行き、

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好みの女性がいたから、声をかけ、

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ナンパに失敗したから、一人酒することですか?

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旅行でやることと言ったら、せいぜいこんなもの。旅かどうかなんて、関係のない営み。

 暮らすように旅をする...現実から目をそらし、年金生活者の真似事をしているバックパッカーが自分を美化しているような欺瞞が漂います。無意味なフレーズ。

 しかしですね、蔑むのは誰にでもできます。大切なのは、「無意味でも、世に定着する新語を作ることができるのか、お前」ということですね。世に発信するなら、最低限の心がけは「批判より創造」

 

熱くなるとこのブログらしくないので、このぐらいにします。だいたい20世紀もすっかり前世紀扱いになった最近では、旅と日常の関係も様変わりしました。「暮らすように旅する」、「旅するように暮らす」よりも、「暮らすように移動する」、「移動するように暮らす」の方が実感に近い日本の修行僧たち。喰って、寝て、体洗って、ネットにつないでって、セキュリティ通過後に行うことは空港でも機内でも、生活そのもの。

 

そして本日はそんな移動の話。芭蕉の子孫が暮らす土地へ移動。

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ゲート付近の座る場所(seating area)に雰囲気があるターミナル3。

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今日のキャビンはこちら。JALが誇るプレミアムエコノミー。実はエコノミーもかなりワイドなので、差が小さい「半上級」キャビン。

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クッション、アメニティ、ヘッドセット、毛布が整頓されて客を待ちます。この様式美はまさにニッポン。

 アメニティの中身は、料金相応。

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布おしぼりも専用メニューもあり、エコノミーとの差別化が相当意識されています。一方機内販売等の物品販売カタログは同じ。

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JALが特別扱いすべき所得階層は、このキャビンを利用するとは予想されていません。

 

JALはTRAMONTANOに特製バックを作らせたようです。Longchampと同じ扱いになりつつあります。

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このナポリの高級鞄屋はちょっと偏屈者で、あまり他所では見られませんでした。土着の革製品。非常に個性的です。使いやすいかどうかは、ユーザー次第。世界で売ることを考えなかった結果、最近は沈没気味のようです。

 このJALの機内販売は、飼い慣らされた商品になっていると思います。このバッグを使ってみて気に入ったら、次は全革のバッグをナポリで。まだ命脈は保たれていると思います。

 

ドリンクメニューにはChampagneがあります。高級エアラインJAL

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とは言っても、通(connoisseurs=英語)が軽蔑する4分の1瓶(le quart = connoisseurs が格好をつけるために覚える仏単語)とプラコップによるサービス。

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多少の不便にはつべこべ言わず、ありがたく拝領します。

 

JALのPYでは、食器を含め、機内食はレギュラーエコノミークラスと同じはず。

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整列しています。以前申し上げた通りのトレイが眼前に出現し、自分でも妙な気分。お前のブログなんていちいち覚えているかというのは、もっともなご意見ですので、「JALとは違う」と主張した時の BA の機内食 (Yクラス) を再掲します。

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並べてみると明らか。同じロンドンー東京間。共同事業路線ですが、ここまで違います。人によっては、ロシアンルーレットになっている路線ではないでしょうか。

 

機内食の違いなんてごく一例。一事が万事違うのがJALとBA。出張など旅程最優先で移動する場合、悲喜こもごもの発券になっているでしょう。罪つくりなワンワールドの共同事業。

 

アイスクリームでとりあえず〆。clotted creamで、とってもイングランド

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学校英語の復習。dairy、diary、dailyを決して混同してはいけません。

 

この後キャビンは暗くなります。皆さん、go to Bedfordshire。Goodnight !

 

勤勉な Pechedenfer はブログ更新のため、水周りのチェック。B787らしい間接照明。

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便器横には、独立した折りたたみ式腰かけ。某社の東京ーロンドン便ファーストクラスのトイレよりずっと立派な個室。

 一方で赤ん坊置き場は、小さく心もとないのですが、使う人はいるのでしょうか。だいたい首がすわる頃には、このベッドからはみ出しそうなのですが...。

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シートに戻り、Fnacで購入した雑誌を延々と読んでいたら、巡回する客室乗務員から、声がかかります。これは JAL欧州便のお約束で、必ず一度あります。「うるさいから、ほっとけばいいのに」と思うようになれば、立派な BA の客。ユーモアでも一発かましてくれるならともかく、ひねりも効いていないお世辞では意味がありません。

 共同事業になり、BAにはJALの客、JALにはBAの客が大勢搭乗するようになりました。優秀なJALの客室乗務員です。BAの客かJAL本来の客は一目瞭然なはず。しかし区別せずJAL流のサービスを行うのは、会社の方針でしょう。

 一方 BAの方はどうかというと、JALの客かどうかなんて、乗務員が区別できるはずがなく、どう扱うかの問題自体起きません。

 

間食はブラウニー。何も言わないとこれが出てきますが、うどんですかいも選択できます。

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続いて延々と in the middle of nowhere を飛ぶ静かな時間。

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日本海へ出る頃になると、最後の晩餐ならぬ到着前のご朝食。

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素材はわかるのですが、料理はわからないという得体の知れないものが出てきます。ちょっとイギリスを感じます。もちろんドイツでもオランダでも、こういうわけの分からない料理を作る人は大勢います。

 

時間通りの到着。写真はなし。そして今日からは、「暮らすように暮らす」だけです。