バス代わりの飛行機

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

MH71:NRT-KUL ビジネス(その2)

スケジュールでは、MH71便の到着は朝 4:10 です。「日本時間で朝5時過ぎ。5時起きなら、何となるでしょ。」なんて考えは、ナイーブ過ぎます。実績としては30分から60分ほど早着するのですから。

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長距離国際線のため、着陸1時間前にキャビンが騒がしくなり、到着前の軽食サービスがあります。つまり現地時間で朝2時20分(日本時間3:20 am)ごろ一日が開始します。乗継客にも早い到着ですが、KULで入国する搭乗客(註1)が多いという摩訶不思議。

(註1)マレーシアは南国。彼らに合わせて、暇な時には居眠りすれば必要な睡眠時間は確保できます。居眠りに限らず、住民を見習って現地の気候に適合した方が健康に良いはず。

 

さて覚悟を決めたら、機内食に関心は移ります。何と言っても搭乗記といえば、飲み食いですから...。いくら格好つけても、これが無い搭乗記なんて誰が読みますか?

 最近気に入っているウェルカムドリンク。

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大雑把なライムの切り方に、作った人の性格が出ています。

 

メニューは、こんな感じで手渡されました。

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独立したワインリストは赤ワインページ。それで KUL 発 NRT 行 MH70 便のメニューを隠しています。こういう細かい配慮ができる乗務員が多いこともマレーシア航空の特徴。

 

全てのアルコール飲料はワインリストに載せてあり、メニュー本編から独立。メッカ巡礼のフライトでは、ワインリストを搭載しないのでしょう。アルコールは、痕跡も残さず直ちに機内から駆逐できます。イスラム教徒の知恵ですね。

 ところでワインリストの表ページ。白ワインが増えています。

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一番下のMosel Riesling 2016 がその新顔。2015は Robert Parker が90点をつけたと、縁起でもないことが書かれています。

 注文時に Riesling が通じません。原因は、彼女らにはこの語の s が [z] だったからです。ドイツでも、フランスでもそんな発音は聞いたことがありません。念のため辞書で確かめてみたところ、英語ではそれが一般的なようです。

 リースリングではなく、リーリング。仙台は「国分町界隈のワインバーなら、そんな発音になりそうだ」なんて思った貴方、そんなことありませんから...。

 

その Riesling と袋入りナッツ。

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味わいはカリフォルニアワインのようでした。選択して失敗。この航空会社のワインの味覚は、QRよりさらにアメリカ寄りです。もし好みが合えば、とても良いのではないでしょうか。

 

前菜はトマトスープを選択。普通スープは前菜とは見なされません。試したことはありませんが、乗務員によっては、両方とも持ってきてくれるかもしれません。

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クルトンの様子が、ウェルカムドリンクのカットライムと重なります。料理は性格が出ますが、こんなわずかなことにも表れるのですから、恐ろしいものです。

 

さてメインは魚。東京発の Chef on Call は現在4品から選べますが、これで今年は完全制覇。

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Grilled Japanese Bluefish "Nanban-style"(焼いたスズキ、南蛮風)のはずです。Chef on Callについては、少し前に散々書いたのでもう止めますが、期待に違わず見事な外しぷり。その方向では大変満足。

 

デザートは、アイスクリーム、カットフルーツから選択。今日はフルーツに。

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国中で大量に用意されるカットフルーツ。マレーシア航空も、この形、この配置で大量に搭載しているはずです。Attack of the Clones または miss South Korea あるいは金太郎飴と言ったところ。 

 

さて食べ終えたら直ちに寝ないと、すぐに着陸前の軽食が来ます。一応、サービスを受けるかどうか聞かれます。スキップしても周囲は明るく、騒々しくなり、稼げる時間も30分ぐらいですから、おとなしく貰う意志を伝えます。

 

そして寝ます。フルフラットになるシートですが、少し勾配を付けます。

 

MH71ではいつもそうですが、起こしに来る頃、自発的に起きます。今日もそうでした。シートを起こした途端、寝る前に見たフルーツが同一の顔で登場。ホラー映画を見ているようです。言わんこっちゃありません。それからカリフォルニアロールと聞いていましたが、そう呼ぶには無理がある巻き寿司。

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断面を見ると、マヨネーズを和えたきゅうり・カニかま巻き。高校生が彼氏のために気合を入れて作った巻き寿司のよう。

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外国でよく見かけるユルユル、ボロボロではなく、日本人が見ても立派な巻き寿司です。それは良いのですが、オーソドックスに鉄火、かんぴょう、カッパで良かったのでは?"Foie Gras des Trois Empereurs"(註2)ならぬ "Makis des Trois Daimyos" などと物々しい命名をすれば、ありふれた巻き寿司でも外国人は有難がるかもしれません。

(註2)「三人の皇帝が患った脂肪肝」ではなく、「三皇帝のフォアグラ」。1867年に当時および後年の皇帝が3人会し、Café Anglaisで取った晩餐に因んで命名された La Tour d'Argent の一品のことです。グルメの世界では常識として知っておく味でした。(← passé simple)

 

食べ終わって片づけが済んだ時刻。日本時間です。

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予定通りの早朝。じたばたしてもどんどん高度が下がります。しかし横臥している客をできるだけ遅く起こす配慮はなされます。乗務員が寝ている客のシートを着陸位置に直し、シートベルトをさせてギャレーに戻る頃、機長から「乗務員はシートに着くように」という指示があります。絶妙なタイミング。こういうことからわかるように、個々の乗務員のホスピタリティは大したものなのです。これ重要。