PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

最上級会員が安上がりなフライングブルー

今年4月から金額制となったフライングブルー。改悪との声が世を支配しましたが、良くなった点があります。しかも半端な改善ではありません。それは上級会員資格維持に必要な最低費用です。大雑把に言って半分以下に下がりました。

    フライングブルーの会員レベルの基本は、4段階です。

 

ブルー:平会員。無いよりはずっとまし。

シルバースカイチーム・エリート):優先受付、優先搭乗、預入荷物の追加など。

ゴールド(スカイチーム・エリート・プラス):シルバーに加えてラウンジアクセス。

プラチナ(スカイチーム・エリート・プラス):ゴールドよりさらに優遇。

 

このプログラムには、終身会員制度があります。10年間プラチナ会員を続ければ、終身プラチナ会員になれます。1年あたりで安いのだから、終身会員も驚くほど安上がりになります。

     以下は一例を紹介します。実行可能性は人に依ります。

 

フライングブルーのしくみ

改革が発表されたのを機にまとめて記事にしたので、ここでは概要は書きません。

フライングブルーが金額制に (1) - バス代わりの飛行機

フライングブルーが金額制に (2) - バス代わりの飛行機

フライングブルーが金額制に (3) - バス代わりの飛行機

フライングブルーが金額制に (4) - バス代わりの飛行機

フライングブルーが金額制に (5) - バス代わりの飛行機

フライングブルーが金額制に (6) - バス代わりの飛行機

フライングブルーが金額制に (7) - バス代わりの飛行機

 

上級会員への条件だけおさらいします。暦年1年のうちに、距離別、搭乗クラス別にフライトごとに定められる xpを

シルバー 100 xp、ゴールド 180 xp、プラチナ 300 xp

獲得しなくてはなりません。到達に関しては一段階ずつです。したがってゼロから始めて、1年以内にプラチナに至るためには、その年は 580 xp 必要です。

 

フライングブルー用のクレジットカード

会員資格を保つ上で最強なのは、おそらくこのカード。アメリカでごく最近(2018年10月16日)発行されました。ついでに取り上げます。

AFKL Co-Branded Credit Card

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Air France-KLM and Bank of America Announce Air France KLM World Elite Mastercard®

このカード、入会ボーナスで 60 xpが得られます。そして年間利用額 0 USD で 20 xp、15,000 USD で 60 xpが得られます。年会費は 89 USD。

 他にも入会ボーナスに 25,000 milesとか、年間利用額が 50 USD 以上で 5,000 milesのボーナスがあるとか、利用 1 USD あたり 1.5 miles(普通の買い物)、3 miles(スカイチームの航空券)得られるとか、かなり強力なカードです。

 

搭乗する路線

低価格で高い xp が獲得できるのは、

・西ヨーロッパ大都市間の国際線ビジネスクラスのフライト

・競争が激しい路線

・直行便がある区間を、パリ経由かアムステルダム経由で利用

・土日の利用

という条件をすべて満たす航空券です。往復共1回乗継の4フライト(全て国際便)の航空券は現在、季節に関係なく往復 400 ~ 440 EUR程度で手に入るようです。これで 60 xp獲得。5 往復 20 搭乗で 300 xp となります。都市としてはマドリッドバルセロナアムステルダムコペンハーゲンなどが狙い目です。

 散々調べたのですが、AF-KLMの欧州短距離国際便ビジネスクラスは 100 EUR / フライト が下限のようです。それに加わる税金やら諸費用が、路線によって異なる程度。

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実際どのぐらいかかるか

上記の航空券が、430 EURだとして計算してみます。

 最初の年は、580 xpですから10往復で 58万円ぐらい。上記クレカがあれば 60 xp が付くので1往復減算、年会費を合わせて 53万円ぐらい。

 

2年目以降は、300 xpでよいので29万円程度。上記クレカがあれば1往復減算でき、その年会費を合わせても、24万円ぐらい。

 クレカの年間利用は一切合切合わせて、160万円以上あると仮定しています。人は機内食のみに生きるにあらず。地上生活もするので、この程度の出費は行うはず。

 

年間 24~29 万円でエールフランス-KLMの最上級会員が維持できるなんて、昨年までは考えられない話でした。Pechedenferは、ゴールド会員維持でもこれ以上の出費が必要でした。この低価格は、他社プログラムではちょっと見つからないでしょう。

 

そして終身プラチナ会員

10年間同じパターンが続くと、いよいよ終身プラチナ会員。以降は搭乗実績に無関係に、全スカイチーム加盟航空会社で Elite Plus 会員。エールフランス-KLM利用時には、さらに優遇が受けられるプラチナ会員。かかる費用の総額は 319 万円程度。上記クレカがあれば、その年会費(9年分)を合わせても 269万円ぐらい。終身の最上級会員としては、格安です。

 ちなみに同等の会員レベルと言える British Airways の終身ゴールド会員には、最低 800~1,000万円かかります。

 

しかしながら、10年間同じ方法が有効になるとは考えられません。フライングブルーは 2005年にスタート。それから2018年4月までの13年間、距離制が続きました。その間でも、効果的な上級会員到達・維持の方法は数年で様変わりしていました。そして今年 4月の金額制と xp の導入でまた一変。万物は流転します。いつでも「現在の良い方法」という割り切りが必要です。

 フライングブルーに変更があり、今までの方法が不利になったり、新たに有利なルートが見つかった場合は、随時このブログでも取り上げます。ネタですから。

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Paris CDG の Air France ラウンジ。

 

日本のデルタ航空アメックスゴールドカードだと...

今日のテーマでは有用な比較。

 日本ではデルタ・スカイマイルアメリカンエキスプレス・ゴールド・カードという長い名のクレジットカードに人気がありました。このクレジットカードは、これまでデルタ航空スカイマイルのゴールドメダリオン会員資格(スカイチームの中では、下位エリートプラス)が付帯されていたからです。しかしこのカードもサービス内容を改悪。年間 150 万円の利用が会員資格の必要条件になりました。

 しかもこの会員資格、フライングブルー・ゴールド相当です。プラチナの一段下。さらに言うと、スカイマイルのゴールドメダリオンには終身会員の制度はありません。

 

自社会員優遇という原則があるので、デルタ航空を利用する時は、スカイマイル・ゴールド会員の方がフライングブルー・プラチナ会員より多少優遇されてもおかしくありません。しかしエールフランスやKLMを利用する時は、相当大きな差があるはずです。この場合、

スカイマイル・ゴールド<フライングブルー・ゴールド<フライングブルー・プラチナ

ですから。