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妙技を使う JAL 国内線ファーストクラス

JAL 国内線ファーストクラスでは機内食が出ますが、料亭、旅館などが監修したメニューが3つ用意されます。監修者の都道府県は毎月変わり、上旬、中旬、下旬で食事が変わるということで、頻繁に利用しても飽きが来ない工夫がなされています。

 

10月の焦点は静岡県。夕食だけですが、「浜松料理 じねん」が担当します。

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このシステムだと、47カ月、つまり約4年で全ての都道府県を回ってしまいます。二周目は別の旅館、料亭を選べばよいし、同じ都道府県内でも地区を変えるという手も使えます。例えば静岡県なら、沼津、静岡、浜松の文化の違いは別の都道府県に匹敵します。そういうことを続ければ、簡単に重なることにはなりませんが、システム全体が飽きられることも考えなくてはなりません。

 実際のところ、昨年まで洋食と和食を羽田行と羽田発で変えていたように記憶しているのですが、現在(2018年10月)夕食は和食のみになっています。

 

これだけだとコスト削減も疑われますが、細かいところでサービスの完成度を高めていました。10月夕方のITM-HND便。

 

小鉢2つ、温かい肉または魚一皿、温かい俵御飯、味噌汁、デザートという構成は変わりません。

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味噌汁は少しずつ違うようなのですが、地上では滅多に飲まない人間には味の違いが分かりません。

 

今回気が付いたのは、まず箸。

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天竜材とあります。美しい木目の割り箸。浜松の河川と言えば、もちろん天竜川が筆頭にあがります。割り箸まで地方の上物を用意するようになったのでした。

 

次に機内で上映されるビデオ。これに感心しました。

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オリジナルビデオということでしたが、グルメ番組仕立て。訪問地が浜松。実際の食を楽しむことと、その土地の食文化を知ること。これは良い組合せだと思いました。確認できなかったのですが、機内ビデオは全クラスで上映されているのではないでしょうか。すると、

 

クラス J と普通席では映像だけ、ファーストクラスでは実際の食事も提供

 

ということになり、ファーストクラスの特別感がかなりアップします。興味が持たれやすい独自のビデオを提供するというエンターテイメントのサービス向上に加え、ファーストクラスのブランド性を高めることに成功しています。

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この組合せにより、ファーストクラスの搭乗客には特権感が生まれるかもしれません。その他のクラスの搭乗客には、次はファーストクラスに乗ってみようという気が起きるかもしれません。かといって、商業主義的な嫌みはありません。

 

割り箸とビデオ。細かい工夫ですが、サービスが立体的になり奥行きが出た結果、 ワンランク上の旅になったという印象を持ちました。

 

米へのこだわりは一貫しています。「一粒の愛情」という昭和の香りがプンプンするコピーはご愛敬。

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浜松産ということですが、「やらまいか」は土地の言葉ですか?三河弁のようですが、浜松はお隣なのでそういうこともあるのかもしれません。

 

調べてみたら、「やら米か」は減農薬、減合成肥料で栽培したコメの地方ブランドでした。

「やら米か」とは - やら米か 浜松地域特別栽培米研究会

最近の流行りと言うより、農林水産省の政策だと思いますが、規定した方法で栽培され、品質がワンランク上のコメ。それを都道府県毎に(可能な限り)紹介している点は、JALファーストクラスの変わらない魅力です。


完成度を高めてきた国内線ファーストクラス。今指摘できる唯一の欠点は、わずか1時間の羽田ー伊丹線では楽しみ尽くせないことです。ぜいたくな悩みかも知れません。