PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

個人的に2018の10大ニュース(その1)

12月になると、キリスト教徒であるか否かにかかわらずクリスマスを迎えるための大騒ぎにつき合わされます。大都市なら、地球上どこでも状況は似たようなもの。商店も頑張りますが、もっと頑張るのが教会。数多い不届きな信徒を典礼(礼拝 etc.)に集めることが最も容易な日。新信徒獲得にも年一度のチャンス。

 街に出れば、クリスマスソング。今日も "O Little Town of Bethlehem" というアメリカの歌(註1)が聞こえてきました。教会もクリスマスソングを大いに利用します。アメリカで教会に行ったことはないので、ドイツのサイトから。

O, Bethlehem, du kleine Stadt (20.12.2015) • SWR2 Lied zum Sonntag • Manuskripte • Kirche im SWR

この曲の場合、ドイツ語の詩が非常によくできており、初めて聞いた時、もともとドイツ語で書かれた曲だろうと思ったぐらいです。英語よりはるかに平易で、色彩感豊か。音節が音楽と調和しており、ドイツ語初心者にも強い印象を残す詩(註2)となっています。

 Die Prinzen がこの曲を英語とドイツ語で続けて歌っているので、”Die Prinzen, O Little Town of Bethlehem" で検索してみてください。この辺の状況が理解できます。アップされているビデオの著作権がどうなっているか不明なため、これ以上紹介できません。

 

註1:日本語の曲名は「ああベツレヘムよ」だそうです。記事を書くといろいろ勉強になります。

註2:布教にはとても大切。今でこそドイツでは標準ドイツ語をしゃべる人ばかりですが、100年前はそうでもなかったはず。ことさら易しい言い回しは重要なのです。教会が易しいドイツ語を使う伝統は全く変わらず、その結果、外国人でも比較的入りやすい領域となっています。信者が増えますね。この O Little Town of Bethlehem = O, Bethlehem, du kleine Stadt も、ドイツ語初心者の心を動かすほどの容易さ。言語の習熟度は A2 レベルで十分。これこそ教会の力。

 

さてクリスマスはともかく、〆の時期には総括が必要。個人で勝手に考える今年の10大ニュースを順不同で。

 

(1) GGL会員

1月1日にメッセージが届いたことから、強い印象が残っています。British Airwaysマイレージプログラム Executive Club で会員ランクが一つ上がり、GGL会員になりました。

Executive Clubからのお年玉 - バス代わりの飛行機

 ゴールド会員の時はそんなことは無かったのですが、日本支社に電話すると恥ずかしさを感じるようになりました。さすがに日本では少数らしく、会員の個人情報確認の後、少々声の調子が変わります。退屈な割には神経を使うオペレーターの気晴らしになっていると良いのですが...。

 

(2) アルコール関連の事件で揺れる ANAJAL

かねてから存在した問題がたまたま顕在化し、大騒ぎになったというタイプのお話。就寝中の客へ放尿した酔客の存在で、ANAは顧客の野蛮さ、キャビンの危険さを社会に印象づけました。その暴行事件のすぐ後に、機内で大量飲酒したパリ支社長が(おそらく)暴行事件を起こすという不祥事がありました。ANAビジネスクラスのキャビンを知る人の多くは、この会社の機内サービスに問題があることに気づいていると思います。

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ANAの機内サービス:アルコール - バス代わりの飛行機

 

ただ ANA はまだ改善できそうな気がします。JAL の場合には深刻なものを感じました。副操縦士が搭乗前のアルコール検査を逃れ、現地英国の法令に違反。逮捕、拘留、裁判と進み、実刑が下され、禁固刑に服しています。これを越えると犯罪という検査がすり抜けられること自体、組織が機能不全に陥っている証拠ですが、それよりも JAL の身内に甘く、いい加減な体質が変わっていないことに驚きました。つまり、機長の精神障害が原因で起きたJAL350便墜落事故(羽田沖墜落事故)の教訓が生かされていません。アルコールによる酩酊状態(註3)、疾病による妄想。操縦できる身体状態にない者がコクピットにいる日本の翼。このままだと向かっているのは明日の空ではなく、海の底ですね。

註3:アルコール依存症をセルフチェックするサイトはいくつもありますが、今回の騒動の主人公、元JAL社員‐現受刑者がそういうチェックを行ったら、「専門医への相談をお勧めします」になるはずです。そしてアルコール依存症精神科医の領分です。酒酔いの状態での乗務は、統合失調症の症状が出ている状態での乗務と多くの共通点があります。

 

ANAにしろ、JALにしろ、まともな会社であるなら、アルコールの管理は厳しくするはずです。機内サービスでも制限がかかりやすくなるに違いありません。酒を飲んでいい気分になり、うたた寝するのが楽しみだった無害な搭乗客は、楽しみが減ります。