PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

LH2041:TXL-MUC エコノミー(その3)

静かで平和なキャビン

さて搭乗が完了すると、さっさと扉を閉めてプッシュバック。ガラガラの国内線は定時より 5分早く出発。ドイツ流の時間へのこだわりは影を潜めます。

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もちろん文句を言うような輩(やから)は、この場にはいません。

 

300 miles足らずの旅程。距離は羽田ー伊丹並みです。

 雲の上に出ると太陽光が直接機内に入ってきます。冬季は貴重な陽の光。飛行機で移動する楽しみのひとつというドイツ人はきっといます。

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もちろん弱々しい夕陽で、機内が明るくなるわけはありません。しかしキャビンの照明は灯ることがありません。

 

食の欠乏とは無縁のドイツ

機内食が出ます。tadaaam!

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ダイエット中の朝食ですね。これは。しかし羽田ー伊丹を含め、日本の国内線の普通席では飲み物以外は出ないことを考えると、Lufthansaの提供するサービスは多めと言えます。ちなみに両国とも鉄道移動だと、飲み物すら出てきません。

 

飲料サービスでは乗務員はリクエストを聞いた後、「水はいるか?」とか「他に何かいるか?」と追加質問するパターン。

 労働協定のためか、客ごとにカート搭載品の案内は行いません。列(A, B, C あるいは D, E, F)の最初の客にのみ行います。誰かに説明すれば、列全員の耳に入るはずという理屈です。壁に耳ありのドイツ社会を思い出しました。

 Pechedenferの列でも、窓側の女性客に何が用意されているか(ドイツ語で)説明していました。その隣人は Sekt を所望。ビンがちょうど空になりました。サービス進行は間断を許しません。乗務員はすぐこちらを向き、型通りの質問。Was trinken Sie gern ?だったか、Was möchten Sie trinken?だったか忘れました。Sekt に興味があったので一瞬逡巡しますが、即答が期待される国内線。さてどうする?という状況ですが、Riesling の一言で乗務員の笑顔が引き出せたので「恐れるに足らず」でした。

 Riesling だったから品種名で案内していたのであって、Grauer Burgunderだったら白ワインと案内していたでしょう。こういう「常識」は、外国人が言葉を使う上で重要だと思います。また乗務員の使った単語のとおり応答した方が、好印象。彼女たちが相手をする数を考えるとこんな小さな事も馬鹿になりません。

 

日本の航空会社でも一緒ですが、短距離となる国内線では、阿吽の呼吸が客にも期待されます。短い時間内にサービスを充実させたいので、勝手が分からない客に時間を費やされることを恐れるのです。外国人旅行者らしい雰囲気で、乗務員はリスクを想定します。客は普段より頑張って、彼らの習慣や発想を真似る方が良いようです。笑顔が引き出せることも含めて、居心地が違ってきます。

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使い捨てプラカップに9割以上注いだRiesling。少し前に記事にしたグラスに関する理屈なんて、全然関係のない世界です。

 ちなみに追加質問に水と言うと、発泡か非発泡かを聞いてきます。何年かぶりに使いました、Kohlensäure なんて。

 

故障ではないはず…

冬の日は短く、空間が徐々に暗くなっていくのが実感できます。キャビンの照明は最低限なので、地上で室内にいる時と同じ感覚。

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夕日を鑑賞しているわけではなく、何か読んでいる客が多いのですが、あまり読書灯を使いません。

 

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Pechedenfer は日本で普通に読み書きしていると、親切な人が電灯をつけてくれることが多いのですが、それでも文字を読むには無理になってきました。

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彼らとて、そろそろ文字を読むにはつらいはずですが、読書灯というデバイスを知らないのではないかという人が大勢います。読みやすくなるよう紙面の角度を変え、相変わらず自然光で読書するのです。

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乗務員は決して照明を追加しません。光の変化を尊重するかのようです。

 

着陸前ですが、「夜間の着陸に際して、機内照明を云々、窓の日よけを云々」のアナウンスはありません。そもそも日没に対して何も対応していませんから。

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写真を見ると、読書灯を使っている人も居ますね。

 

この日没による暗闇はユニーク。これがドイツの国内線なのでした。

 

Münchenはバスで地上移動。バイエルンの地に足を下ろすのが心地よい感覚。

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右足からが良いのですかね。少し調べてみます。

 

Liab Minga.

到着後、空港で係員にいろいろ物を訊く必要があったのですが、挨拶や日常会話の語彙が Berlin と異なることにあらためて気がつきました。そして自分がどちらの世界の者か思い知らされました。

 空港でも従業員同士で冗談を言うようなことはあるはずですが、Tegelでは状況自体全く理解できません。München だと向こうの方から言葉が飛び込んできます。アクセントが違い、聞き取り易さが全然違うことに加え、表情だとかジェスチャーが違います。Berlinでは自分が慣れ親しんだ挨拶をすると変な顔をされるのですが、Münchenだと皆その挨拶をします。かなり大きな違いです。 

 

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確かにドイツ語はドイツ語です。イギリスやフランスにはない、共通する常識も存在します。しかしまるで違う国です。

 

これまでは Berlin にも München にも、外国から直接入ることばかりだったので、両者がここまでのコントラストを見せることには気が付きませんでした。

 

Lufthansa は想像以上にフレンドリーでした。欧州内の移動を Lufthansa に集中したくなります。現実にはこれほどの雰囲気がいつも保たれているわけではないので、慎重にならざるを得ませんが、今日の印象は圧倒的でした。

 国内線だけ違うのかどうか、どう利用すると良いのか、何となく見当はついていますが、見極める必要を感じました。

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