Air France は改革の一環として、コストを抑えた会社を新たに立ち上げ、路線網の一部を移管しました。この会社は Joon という名で、サービスの上でもいろいろと新コンセプトを持ち込んでいます。これは実際に利用するとすぐに気が付く様なレベルのお話です。
一応フルサービスキャリアですが、エコノミークラスの機内食は有料と、BAの欧州線に倣っています。路線網は欧州に集中しますが、Fortaleza(ブラジル)、Le Caire(エジプト)、Le Cap(南ア)、Mahé(セイシェル)、Mumbai(インド)、 Quito(エクアドル)、Saint-Martin(どこでしたか?)などの長距離路線も担当しています。どういう基準で本体からこれらの路線を移管したのか、良く分かりません。何となく Air France 本体とは分担をさせる一方、今後は調子の良い方が勢力を増すような気がします。つまりグループ内でも競争させ、全体として競争力をつけようという腹ではないでしょうか。機材はA320、A321、A340だけです。
Joon - nouvelle compagnie d'Air France
形をそろえるのはAir France流。ユニフォームは当然ですが、安全のビデオもこの会社専用のものがあります。
JOON - Consignes de sécurité - YouTube
ベルリンとパリを往復したことがありますが、往復共にビデオ設備が無い機材で、実演が見られました。
チェックインや利用ゲート等は、Air France 便と変わりません。CDGでは移管前と同様、普通に2Fが使われます。
ビジネスクラス利用客や SkyTeam の Elite Plus 会員なら、Air Franceラウンジが利用できます。Air France が運営するラウンジは、TXL にも CDG にも あります。
機内内装はAir Franceの赤に対して、青が基調のようです。シートピッチは特に変わらないようです。
ビジネスクラスなら機内食も出ます。内容は、同じ程度の距離の Air France の路線と比較するとかなり簡単です。品書きには Liège 風ワッフルとありましたが、トレイ上には見当たらず、その代わり品書きにはない pain au chocolat が載っています。
ラウンジに大量に納めている pain au chocolat と同じ品のようです。用意が出来ないから手軽なところで誤魔化したような気がします。それはともかく、アジアの近距離国際線エコノミークラス並みの機内食です。
IFEシステムは積んでいないようですが、Wifiが整備されています。アプリを地上でダウンロードしてから搭乗しないと使えませんが、まずまずの充実ぶりでした。オープニング画面。
下にいろいろとメニューが出てきますが、かなりの種類があります。その日のニュース、新聞と雑誌、いろいろなお知らせやルポ。さらに運航地図、TVシリーズ番組、ライフスタイルのコラム、漫画などが並びます。
さらに子供用の音楽、音楽、ラジオ、ゲーム、スポーツニュースなどが並びます。到着地の情報も便にカスタマライズされて表示されます。
ただしAir Franceがそもそもそういう旅行ガイドを持っているので、それも利用できるようになっています。この TRAVEL by Air France は、アプリでは Joonの就航都市のガイドだけを収録したようです。Flying Blueの紹介もほんの少しあります。また食事メニューも一応見られるようになっています。語学は「こんにちわ」だけ。8言語で練習できます。
運航地図は立派ですが、リアルタイムでは追随しません。またいつ情報更新が行われているか良くわかりませんでした。改良の余地ありです。
なお安全のビデオも視聴できます。確かFlyJoonの中に入っていたと思います。
ついでに機内食メニューも紹介します。
表紙を開くと、なぜか機内の過ごし方案内が出てきます。
サンドイッチが多くなるのは、宿命のようなもの。ただしカップ麵やインスタントスープもあります。
わざわざ「フランスのワイン」もそろえてあります。やはり chauvins, chauvines が多いのでしょうか。
非アルコール飲料もあります。Champagneもあります。念のため。
スナック類も売れるのでしょうか。
スナックを飲み物と合わせて購入すると割引があるのですが、大々的にセット料金も提案されています。雰囲気がどことなくファストフードか大手レストランチェーンのお品書きのよう。
今日は写真の羅列になりましたが、Joonの旅はこんな感じになります。確かにエコノミー、ビジネス共に、「タダでついてくる」サービスは削減されています。しかしそれ以上にコストは下げられているような気配。客室乗務員は目にした範囲内では全員若手。せいぜい30歳でした。
一方、機内での客の選択肢は増えています。Air Franceの新たな試み、成功するでしょうか。