直前の記事の続きです。個人が体験している限り Marriott Bonvoy は、
(1) 変換先が多く、(2) 変換が素早く、(3) 変換が1マイル単位
という特長を持ちます。Marriott というホテルに失望するかどうかは別に、Bonvoyというプログラムの利用は考えばよいと前回の記事に書きました。つまり宿泊・飲食サービスはどうでもよく、顧客プログラムにだけ注目します。こういう思考様式は、陸マイラー諸兄にはお手の物のはず。
今日は利用者タイプ 1.~ 3.別にシミュレートしました。
0. Bonvoy の特長のおさらい
(1) マイルへの変換ができる航空会社が多いこと
以下の航空会社のマイレージプログラム(FFP)のマイルに変換できます。40社以上です。多くは Bonvoyの 3 pts が 1 mile になります。航空会社・FFP名と変換レートは以下の通り。
Aegean Airlines | 3:1 |
Aeroflot Bonus | 3:1 |
3:1 | |
Air Canada Aeroplan | 3:1 |
Air China Phoenix Miles | 3:1 |
Air France/KLM Flying Blue | 3:1 |
Air New Zealand Airpoints™ | 200:1 |
Alaska Airlines Mileage Plan® | 3:1 |
Alitalia MilleMiglia | 3:1 |
ANA Mileage Club | 3:1 |
American Airlines | 3:1 |
Asiana Airlines Asiana Club | 3:1 |
Avianca LifeMiles | 3:1 |
British Airways Executive Club | 3:1 |
Asia Miles™ | 3:1 |
China Eastern Airlines Eastern Miles | 3:1 |
China Southern Airlines | 3:1 |
Copa Airlines ConnectMiles | 3:1 |
Delta SkyMiles® | 3:1 |
Emirates Skywards® | 3:1 |
Etihad Guest | 3:1 |
Frontier Airlines EarlyReturns® | 3:1 |
Hainan Airlines | 3:1 |
Hawaiian Airlines HawaiianMiles® | 3:1 |
Iberia Plus | 3:1 |
Japan Airlines JAL Mileage Bank | 3:1 |
Jet Airways JetPrivilege® | 3:1 |
JetBlue TrueBlue™ | 6:1 |
Korean Air SKYPASS | 3:1 |
LATAM Airlines LATAMPASS | 3:1 |
Lufthansa Miles & More | 3:1 |
Multiplus | 3:1 |
Qantas Frequent Flyer | 3:1 |
Qatar Privilege Club | 3:1 |
Saudia Airlines | 3:1 |
Singapore Airlines KrisFlyer® | 3:1 |
South African Airways Voyager | 3:1 |
Southwest Airlines Rapid Rewards® | 3:1 |
TAP Air Portugal | 3:1 |
THAI Airways | 3:1 |
Turkish Airlines Miles&Smiles | 3:1 |
United MileagePlus® | 3:1.1 |
Virgin Atlantic® Flying Club | 3:1 |
Virgin Australia Velocity Frequent Flyer | 3:1 |
特殊なプログラムの Air New Zealand などを除くと、United で 1割レートが良いことが目を引くぐらい。後は 3:1で固定。
ちなみに 60,000 ptsの一括返還ごとに5,000 milesのボーナスがつきます。
(2) すばやい変換
Pechedenferの経験では全て 2日で変換が完了しました。他のポイントプログラムではこんな速い体験はなく、1週間~2週間と言ったところ。しかしながら、他の方の報告では、Bonvoyからの変換で4週間以上という話も出ています。どちらも真実だと思いますが、将来的にはシステムは速い方に統一されるはずです。
(3) 1 mileからの変換
Bonvoy側では 3 pts単位の変換になります。これはすっきりしている以上に利便性が高い性質。他のポイントプログラムだと変換後に 1,000 miles単位にしかならないとか、制限がかかります。
1. 複数FFPのハードユーザー
les petits infidèles futés
「いつもご利用ありがとうございます。」は、仏語では"Je vous remercie de votre fidélité."(貴方の fidélité(=誠実、忠実、貞節)に感謝します。)となどと言いますが、実は複数の航空会社 FFP で上級会員になっている者も少なからずいます。これはinfidélité(不誠実、浮気、不貞)以外の何者でありません。頻繁に会い、かつ長い時間過ごしてくれるし、求めにはいつでも応じてくれるしと、安心していると他の女でも同じだったという男がたまにいますが、表現の上ではFFPと全く同じ。
しかしこういう複数 FFP のハードユーザーにこそ、Bonvoyは役に立ちます。Bonvoy は主要なFFPの大部分をカバーしているのですから。
特典航空券をゲットするのにマイルが少し足りないという場合、Bovoy にポイントが十分あると重宝するのは、くどくど説明しなくても理解できるはずです。旅行できそうな日程に無料航空券が取れそうだったら、すぐにオペレーション。足りないマイルをキッチリその分だけ即補給。こんなことは Bonvoyにしかできません。ある程度のポイントを常に入れておくと良いでしょう。
2.「お、おにぎりはラウンジにあるんだな。」
les véritables nomades
ポイントを購入、マイルに変換、無料特典航空券に換えるというスキームを考えます。かつてのSPG Starpoints 購入の -35% off プロモーションの例では、2.28 cent/pt。これを変換ボーナスと現行の Avios ボーナスキャンペーン中の+30%を完全に利用できたとします。すると、1.4 cent/aviosとなります。
これをお得だと言われる JAL 国内線(片道4,500 Avios)の特典航空券に首尾よく変えることができたとします。ここで払ったのは結局 6,300 cents=7,000 円となります。
7千円で国内線一区間。羽田ー札幌でも良く、この区間は安くても個人で買うと11,000円ぐらいになります。Aviosで取れるなら、お得は間違いなし。しかし航空券の取り易さも重要です。予約のしやすさは当然、先得>JMB特典航空券>Aviosの特典航空券の順になります。Aviosでは、思ったようには航空券が取れないのではないでしょうか。
FFPの補完という位置づけができないケースでは、航空券が取れる日時で有意義に旅行ができる方にだけ Bonvoyのポイント購入が意味を持ちます。
裸の大将が足の向くまま放浪して創造活動を続けたように、検索で見つかった特典枠をすぐ自分のものにし、ふらふら現地へ移動。そして芸術作品を残すとか、ツイートする、インスタするなんて方には、Bonvoy の利用価値は高くなると思います。普通の勤め人には現金 → Avios の変換は、深刻な流動性低下を招き、結局損になる可能性が高いので注意が必要です。
3. 流行に敏感な方
les masses populaires
「現金→ポイント→アビオスと換えると半額で航空券を買えるなんて、すごい手があるものだ。直前でもOKと使い勝手も抜群ではないか。いろいろなブログを読むと、どう考えても得だ。」なんて他人の言うことをすぐ信じてしまう人、これは社会の多数派のようです。流行に敏感だとか、アンテナを張り巡らせているなどと自負する方ほど危険。
Bonvoyのポイント購入をプロモーション時に行い、航空会社 FFP の変換キャンペーン時に変換し、そしてようやく特典航空券へ変える準備ができるなんて、お得そうだからとふらふら実行する人たちには、難易度が高すぎる気がします。と言うのも、通常はこの準備に必要な期間は半年~ 1年。価値が上がったのか下がったのか判断できないでしょう。
自由時間に制約があるサラリーマンなら、しっかり旅行計画が立てられない限り、ポイント購入は止めた方が良い気と思います。
4. その前に
Bonvoyでは年間 50,000 ptsまで購入できます。1 USDで80 pts。(旧SPGのStarpointsは、この三分の一に相当。Bonvoyではポイントが数字の上で3倍なのです。)常時設定される 60,000 pts ごとの変換ボーナスを完全に使えると、Bonvoy の 80 pts は多くの FFP で 33.33 milesになります。つまり 2.4 cent/mile。だいたいSPG時代と同じです。
購入プロモーションと変換プロモーションが無いと、金額ですら元を取るには努力が必要なようです。