PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

マレーシア航空あれこれ

2014年 3月 8日 0:14、239人を載せた Kuala Lumpur 発北京行の MH370 便は消息を絶ちました。ちょうど5年ということで、あちこちのメディアで解説風の記事が書かれています。

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The Guardian でも、クロノロジーが整理されています。

MH370: five years of theories about one of aviation's greatest mysteries | World news | The Guardian

「史上最も高価な海中探索は機体発見には至らず、上層部は進路を変えた理由の理解に全く近づいていない。」とGuardianは書いています。

 (5年を機にインタビューがあったのでしょうが、)マレーシアの外務大臣は、提案があれば捜索を再開する意志を表明しました。

MH370: relatives call for 'serious commitment' from Malaysia to find plane | World news | The Guardian

 

同じ2014年の 6月17日には、MH17便がミサイルによって撃墜されました。2件の不幸な事件が重なったマレーシア航空から客は離れ、危機に陥ったのは記憶に新しいところです。事件を起した便は 2件とも B777 でしたが、この機材は完全に置き換えられ、現在フリートにはありません。結果的に新機材 A350 の利用が早まった感じがします。

 もっともマレーシア航空の経営がここ 5年間ずっと綱渡り状態であることは間違いないようで、3月7日にもお膝元の有力紙 New Straits Timesに「ナショナルキャリアは運航停止か売却」などと書かれてしまいました。

https://www.nst.com.my/news/nation/2019/03/466730/shut-down-or-sell-national-carrier

いろいろコストカットを行っているのは客の眼にも明らかなのですが、収益を生むには至っていないようです。

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確かにサービスを受ける側としては、いろいろな変化を肌で感じます。日本にも入っている長距離便ビジネスクラスは、B777のシートピッチが大きい 2-3-2 配列の古いタイプから、現行の A330-300、A350-900のスタッガード配列のフルフラットに変わりました。(Airberlin のお下がりの A330-200 は独特の配置。)商品競争力は高まり、燃料の消費は減ったはずです。

 機内食の質がじわじわと低下していることは明らかでしたが、最近また向上する兆しが感じられます。視覚的にデタラメになっていたオードブルですが、以下の写真ではこだわりが復活したかのようです。

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ただしデザートは、焼き菓子・ケーキ類が廃止された後、アイスクリームまたはカットフルーツの選択から変わりません。メインも何だかすっきりしています。

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ファーストクラスは廃止して、ビジネススィートとなりました。現れるサービス内容はファーストクラスと変わらないようなのですが、コスト削減と販売促進に一定の効果があるのでしょう。

 パジャマ一式(本体上下にアイマスク、靴下、スリッパ付)が機内販売されています。

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約3,800円で、この商品については搭乗前にオンライン注文が必要です。夜便のビジネススィートに搭乗すれば配布されるもののはずですが、わざわざ売るということはそれなりに耐久性のある良い品なのでしょう。

Temptations - Malaysia Airlines

機内食の改良とか、アメニティ商品の開発とかはある程度会社が元気でないとできません。航空券セールも行うには行いますが、以前のように非常に安いということはなくなりました。経営は最悪でもないようです。

 

航空会社が突然破綻なんて事態になると、昨今では発券済み航空券が紙くずになり、丸々損失ということが多いのですね。少しは気にしていないといけません。