3月は東京より明らかに温かい鹿児島。薩摩の人々は外を歩く時、日陰を探しています。春分前、最高気温17℃なので過剰反応に見えますが、それが南国らしさ。
ところで鹿児島と聞いて、連想される物事は何でしょう。それは人によって異なり、リストを作ると非常に長くなるでしょう。しかしそういうリストを作ると、何でもすぐ見つかる気がします。
Pechedenferの場合、真っ先に連想するのはこれ。
今日も穏やかに噴煙を上げています。現在入山規制中のはず。灰は広域に運ばれ、時には噴石も降ります。降灰予報は天気予報より重要。
鹿児島は、Vesuvio火山を擁するナポリと姉妹都市になっていますが、桜島の方がはるかに都市に近く、荒々しい印象を受けます。写真だと風光明媚に見えなくもないのですが、実際には怖いぐらいの迫力で迫ります。
次に思い浮かぶのは、石橋(甲突川五石橋)ですね。平成5年8月豪雨で2つが流失し、残る3つは石橋公園に移築されて散歩用になりました。橋は本来の役目を終えたものの、往時の姿にもどり、良い結果になったと思います。
ところで隣接自治体を過剰に意識するという話は非常に多いのですが、鹿児島と熊本の間も例外ではありません。例えば、
島津 vs 細川
天文館 vs 上通・下通
山形屋 vs 鶴屋
伊佐米 vs 菊池米
黒牛 vs 赤牛
たんかん、ぽんかん、ぼんたん vs ばんぺいゆ、でこぽん、ざぼん
かるかん vs 誉の陣太鼓
さつま揚げ vs からし蓮根
etc.
とネタはいくらでも探せます。実は石橋は共に有名です。しかしこれは張り合うまでもなく、熊本の勝ちでしょう。比較できる写真が手元にないのが残念。
一方、英雄の揺籃となった点では鹿児島の圧勝。まずは石橋公園の近く、多賀山で今も鹿児島の海を見守る東郷平八郎。
何といってもイギリス海軍と戦火を交えたぼっけもん。しっかり見張って頂かないと...。
この地で圧倒的な存在感があるヒーローは Superman でも Nicky Larson でもなく、西郷隆盛。この人への敬愛は半端ではありません。
偉大な内面が現れるような像。これに比べると、上野公園の銅像はずっとソフトです。服装も違います。そういえば、東京は江戸城田安門の近くに大山巌像もあります。倒幕・維新から明治体制において、薩摩は優れた武人を輩出しました。
何故か京急になっている市電。今の時代、トラムと呼んだ方が若者が戻って来る気がします。
ブダペストでも感じたのですが、この種の古い路面電車は、最近になって整備が進むフランスのものより、風情があり、街を魅力的に見せます。
食の方では、天文館むじゃき(かき氷)がローカルに有名ですが、全国区では和牛、黒豚、地鶏の3つ揃った肉ですかね。
魚もまずまず頑張っています。これは釜揚げしらす丼。
しらすのような小魚が旨いというのは、とても良いことです。
お土産の一押しは、こちら。与論島の産物。鹿児島空港のセキュリティ通過後のコンコースで手に入ります。もずくをトッピングとして添えたのではなく、もずくを練り込んであります。
天然もずく40% + 小麦粉60%が原料で、水を足さずに練って麺とし、自然乾燥したという説明通りだとすると、かなりまじめに作っています。そばと銘打っていますが、蕎麦は使いません。島の味覚です。
重くても平気という方は、芋も高品質なものが簡単に手に入ります。サツマイモが有名ですが、ジャガイモも産地(長島町、沖永良部島、種子島 etc.)によってずいぶん香りが異なります。
自治体が力を入れているのか、工芸品は質量ともに充実しています。鹿児島空港2階のエアポートギャラリーでは、工芸作家の作品が展示販売(2週間交代。休日は作家本人が販売していることが多いようです。)されています。
空港周辺にも火山群があります。火山だらけの結果として、温泉も有名どころが多数あるのが薩摩。
妙見温泉は空港から近いのですが、どちらかと言うと高級なイメージ。
霧島連峰は、鹿児島空港からも良く見えます。この空港は、ターミナルからの風景が国内一と言っても良い気がします。
火山だらけと考えると剣呑なことこの上ありませんが、日本列島は全てそんな感じであることを思い出すべきでしょう。九州だけが、火の国ブランドを独占使用している状態。しかし大規模な噴火が起きれば、「さすが九州、火の国だ」とちゃちゃを入れては不謹慎だと非難されることは間違いなし。
旅の途中に出会ったこれは、噴火ではありません。
折あしく市内中心部で大きな火災。観光客には、しっかり火の国を印象づけました。