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アスリート枠採用を開始した日本航空

par Lepoisson Davrille, envoyé spécial

 

日本航空JAL、9201)は4月1日に行われた入社式で、アスリート枠で採用した12人の新入社員に向けて会社の期待を述べた。

 

新幹線は路線網拡大と速度向上を続け、航空会社のシェアは縮小する一方である。日本航空も国内線の抜本的な改革に迫られている。特に課題となったのは、地上での時間短縮であった。それに対して全社をあげて取り組んだアクションプランが「-5」。チェックイン締切時刻、ゲート締切時刻、最短乗継時間を現状より5分短縮するという内容だが、ハード、ソフトの両面で「会社創立以来最大の」改革が必要となった。

 

現在日本航空では、搭乗時間が迫っている旅客には、チェックインカウンターや降機ゲートから係員が伴走、搭乗ゲートまで案内する。「-5」ではこのサービスを強化するため、空港エスコートと呼ぶ俊足の係員を配置する。そのために今年度新設された採用区分が、アスリート枠である。400 m から 10,000 m までの競走において、都道府県単位の大会で入賞した実績か、それに匹敵する実績があることという条件で募集したところ、10名の採用枠に対し72人が応募、狭き門となった。

 

この空港エスコートは、地上係員として一般業務も行う。研修期間は他の地上係員と同じだが、一般の発語トレーニングに加え、体育会向けボイストレー二ングも受ける。客に、前を走る係員に遅れずに走らなければと思いこませる技術を習得させる。「いわゆるかけ声だが、学生時代の部活動で基本はすっかり身についており、言葉遣いを少し調整するだけ」と、採用された社員の素養は十分らしい。

 

アスリート枠に関しては、ユニークな人事制度が採用されている。社員は勤務時間外に毎日1時間のトレーニングが義務づけられる。これは残業扱いとなり、自主トレ手当が支給される。そして原則として採用から10年間は空港エスコート係員として勤務するが、それ以後は通常の地上勤務職に変わる。

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ハード面では、空港コンコースに幅1435 mmの「特別トラック」を設置する。その部分は床の色が異なり、乗客の伴走誘導の時には埋め込まれた LED が発光、局所放送で道を開けるよう他の乗客に要請される。

 

一方で保安検査のスピードアップのためには、100 mを 10秒で走って通過しても検査可能なゲートを開発した。コンコース内 AED も増設、20 mごとに設置される。これら新機材の設置は、羽田空港第1ターミナル、伊丹空港北ターミナルが対象で、今年12月までに完了する。

 

「これまでの日本航空ではフライトの接続が厳しいお客様が到着すると、地上係員はゲート付近でお待ちしておりました。今年10月から、飛行機のドア前でお待ちします。つまり飛行機のドアが開くと、お客様のために屈伸運動を行っている係員の姿が目に入ります。その姿にお客様は、自分は絶対に間に合うと安心します。スポーツ科学の専門家の間で意見は一致しますが、信じることで早く走ることができます。搭乗するのはお客様ですから、お客様が早く走らなければ意味がありません。これは私どもが心理的効果まで検討した例ですが、「-5」が総合的な取組みであることがご理解していただけると思います。」

 

日本航空によると、「-5」の実現により東海道新幹線と比べて速達性に勝る地域面積が東京圏で12%、大阪圏で15%増える。これにより東京、新大阪で新幹線を乗り継いで移動した旅客の 8%が、日本航空の羽田接続便、伊丹接続便を利用すると試算している。

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当初はチェックインカウンターからコンコース内を通じ、搭乗橋までの動線で開始するサービスだが、2021年10月には京浜急行ホーム(羽田空港)、東京モノレールホーム(羽田空港)、大阪モノレールホーム(伊丹空港)、バス降車口とチェックインカウンターの間でもサービスが展開される予定である。