バス代わりの飛行機

Tipps für Flugreisen

飛行機旅行はワイン初心者には格好の足掛かり

新年度一週目は見事に忙殺されました。覚悟はしていたものの、仕事の配分を相当考えないといけません。何か良い手はないかと、思い悩む事態に。いろいろ面倒くさくなってきて、全て放り出してしまいたい気分で書く飛行機旅行 x ワイン。またか、です。

 

ワイン初心者がぶつかる障壁

記事をいくつか書いて気が付きましたが、ビジネスクラス以上のキャビンは、ワインに関心を持ち始めた方にとって、これ以上は無いというほどの足掛かりになりそうです。

 

ワインを美味しいと感じたら、ワインの世界の最初の一里塚*。残念ながら、多くの人がそこで障壁にぶつかるでしょう。「エグゼクティブがワインにはまる理由」とか、「ビジネスエリートが身につける教養」などとわめき散らし、何がしたいのかさっぱり分からない輩が蠢いています。航空旅行の顔をしてワインの蘊蓄たれまくりの怪しげなブログ**もあります。通らしい人がいるけれど、美味しいワインを見つけたなんて言うと、バカにされそうな雰囲気...と、いろいろ難しそうに見える世界なのです。

*:酒をうまいと感じることが、アルコール依存症への最初の一里塚。ワインも同じ。L'abus d'alcool est dangereux pour la santé, à consommer avec modération.と例のアレを書きます。「アイスは1日1個まで」と同じで、「ワインは1日1本まで」と自制が必要です。

**:http://pechedenfer.hatenablog.com/

 

しかしワインの世界を広げるのは簡単。世の雑音は気にせず、

(1) 味・香りを記憶にとどめる

(2) 経験と表現を大切にする

(3) そのワインの身辺調査をする

以上。ここには、近似も割り切りもありません。

 注意深く記憶することが、意味ある経験につながるのは、ワインに限りません。さらに個人の体験を社会の中で整理することが、ワインでは重要。ところでビジネスクラスでも、ファーストクラスでも、航空会社はワインリストで過剰に説明しています。(3)はシートに座ったままで、ワインリストを開けるだけでできてしまいます。

 例えば iPhoneで実物とワインリストを撮影、後は味わいの記憶を言葉にして、Twitterやブログにでもアップすれば、良いトレーニングになります。

 格好よく述べられない?馬鹿にされそう?そんなことはありません。ワインの場合、個人の感じたことは他人にとって興味深く、重要な情報になります。ワインを飲んできた人には、「プロ」のテイスティングノートなんかより、(顔を知っている人の)生身の声の方がずっと興味深い***のです。このことは知っておいて損はありません。(2)は本人のみならず、周囲の人にも重要なのです。

***: 逆に、飲んだことのないワインを語るプロは存在価値がありません。店や機内で勧めるワインを勧める人自身が飲んだ経験がないなら、軽蔑に値します。そういう事が起きないよう、高価なワインは自ら選んでください。

 

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機内ワインの特徴は初心者に有利

機内で提供されるワインの種類は、頻度まで考慮すると、地上に比べるとかなり限定されます。

機内、ラウンジでのワインの注文方法(その1) - バス代わりの飛行機

ワインリストに表れる相場とメッセージ - バス代わりの飛行機

その結果、機内でワインに関するコミュニケーションを図る場合、少しの知識で大きな効果が見込まれることは指摘しました。このことはワインの世界で最初の何歩かを踏み出す時に、良い環境だという気がしてきました。

 イタリアワインを好きになったします。何か入門書は無いかと探すと、

「土着品種で知るイタリアワイン」(中川原まゆみ著、ガイアブックス 2007)

など、優れた本が日本にもあります。「イタリアは品種で入る」とは慧眼ですが、品種の数が半端ではありません。しかもこの本を読めば、膨大な数が全体の一部であることに気づきます。途方もない世界にドキドキしますが、最初の内はこういう心理はあまり良くない気がします。

 本を読んで基礎知識を整理してから、ワインに臨むより、

Chardonnay, Sauvignon Blanc, Shiraz (Syrah), その他 ビジネスクラスの世界)

と分類して、経験を重ねる方が有意義でしょう。飽きてきたら、その他とした品種にも注意深くなり、世界を公平に理解することができます。次の段階では産地による整理も身に付ければ良い、そんな感じの道が想定されます。小さな世界で何をどうするのかを学び、自分自身で大海の航海を始めるというやり方。

 

お金がたくさんある、あるいはマイルと暇がたくさんあるという幸運な方は、ファーストクラスで行うのもOK。その場合は、

泡は、大手メゾン上級キュベ

白は、Bourgogne 一級畑

赤は、Médoc 二級 Château または Bourgogne 一級畑

か、それ以外

です。まず世界の分割で始める点は、ビジネスクラスと同じ。大雑把にやり過ぎですか?割り切りが必要****というのは、ワインらしい話ではありませんか。そもそも偏向した考えで切り崩していくのが、本来のワインの世界。ワインスクールでバランスよく学ぶのも一手ですが、頭の中の規格化はワインの世界と相容れません。

 

****:例えば同じワイン。下の写真のように30年以上も質が向上するとされるワインも数多くあります。しかし経過年数が大きいと、ボトルによって差が生まるのが普通。同じロット、同じ温湿度でも、別の場所で保管すると味わいに大きな差が生まれます。さらに同じ場所に保管してあっても、ボトルにより差が出ます。

 経年変化でなくても、「同じワイン」には、いろいろ割り切りが必要です。そして人は割り切って購入、割り切って味わっているはずです。

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お顔のシミのようです。まだ33歳なのに...。

熟成させて味わうワインの代表のように考えられてきましたが、Latour 以上に熟成期間が必要なワインはごろごろしています。