GWはまだ少し残っていますが、報告をまとめます。
始まりはパリ
Charles-de-Gaulle空港。こんな状態でも管制できるのですね。この空港は朝早くからやっていますし、平原が広がる場所なので、霧の中の管制は慣れているはずです。
パリは世界有数の観光都市のはずですが、様々な顔を持っています。特に日本のGWの頃は、よく新聞記事の舞台になります。
防弾着とフルヘルメットで装備した警官だらけの写真とか、
話題の黄ベストの一団が、凱旋門前でスモークに見え隠れしているとか、
パリらしいおしゃれな光景ですね。メーデー(5月1日)が過ぎても1945年の終戦記念日(5月8日)があるということで、しばらく活動の名分ができた黄ベスト。
今年のメーデーは度を越して激しくやった方々が一部にいたらしく、催涙ガスまで登場。一段と派手になりました。
催涙ガスに耐えられなくて、Jean-Martin Charcot ゆかりの病院(l'hôpital de la Pitié-Salpêtrière)に逃れようとした一群がいたのですが、それを「黄ベストが病院を襲撃中」と報道したトンでもない記者が現れました。その報道は3日持ちませんでした。こういうのは、内乱を起す意図があったと看做される可能性があり、虚報では済みません。
この季節は警察だけではなく、CRS(共和国治安機動隊)にも活躍の場が提供されます。
映画のシーンみたいですが、脚色はないはずです。当局も「ちょっと、やりすぎじゃないの」みたいなことも起きます。
まさに手に汗を握る展開。ハリウッド映画顔負けのスリリングな気分になれる街なのでした。
少し真面目な事も言うと、この季節、パリは注意が必要な渡航先ですが、一般には危険性が認識されていないようです。しかし外務省のサイトでは注意喚起されていました。海外安全ホームページは、バランスよく情報を取り上げてあると感心しました。
一方で世界を相手に商売を行う連中は、騒乱が進行中でも、しっかり英語で広告を発信します。商売に不都合な一般報道は無視するのが、彼らの原理、原則。「だって関係ないじゃん」みたいな。
知らんぷりして宣伝。その潔さに感動すら覚えます。催涙ガスで散り散りになる労働者を見物できるなんて、素敵なホテルですねなんて、皮肉を言ってはいけません。ましては外国人だからって馬鹿にしてなんて、卑屈な発想をしがちな人はこの街では騙されないようご注意。
今年のメーデーには、当局の発表で16万4千5百人、労働一般連合(CGT)の発表で31万人が参加したとのことです。国全体の数字です。
Pechedenferは、幸い現場には出会わずじまいでした。下手すると負傷したり、一時勾留されたりしますから、そういうことが起きそうな場所はなるべく回避。
この季節は警官や軍の配置が丁寧なので、テロリストも活動しにくいでしょう。現実には、安心して御買い物も楽しむことができます。フランスならではの買い物といえば、フランス語の出版物。
たまには勉強しないといけません。
少しだけBA
Marks & Spencer が提供する欧州路線エコノミークラス(Euro Traveller)の有料機内食。すっかり定着したようですが、5月のメニューにはイングランド産ワインがありました。
醸造技術の進歩から生産を「再開」、軌道に乗りつつあることは知っていましたが、ついに機内でも体験する日が来たとは嬉しい驚き。Bacchusはドイツで生まれた品種ですが、本拠地のものより酸が際立っていました。
面白かったのは裏面。
警告文の部分です。
日本では警告文は「健康のため、飲み過ぎに注意」ぐらいになるでしょう。フランスではほぼ定型文になっていて、"L'abus d'alcool est dangereux à la santé. À consommer avec modération.(アルコールの濫用は健康を危険にさらします。節度を持って消費を。)”となります。明確に表現していますが、警告の意図は日本の感覚に似ています。
ところがイギリスでは、”Know your limits.(己の限界を知れ。)"でした。広場で吐いたり、道端で寝込んでしまったり、暴力を振るったり、キスをしまくったりしないよう飲み過ぎを諭すような感じです。ベクトルの向きが違います。お国柄ですね。
その他100周年を記念してマーマイトも機内販売する
British Airways - BRITISH AIRWAYS SPREADS ITS WINGS WITH LIMITED EDITION MARMITE
と一週間ぐらい前から言っていましたが、確かにそれらしきものを売っていました。
この酒粕(?)が無いと朝食にならないという人も多いはずです。食文化という文脈では、納豆に近いという理解でよろしゅうございましょうか。
ANAがらみで
日本のパスポートの所有者なら、リスボンの空港は電子審査で出入国できます。写真ページと顔の読み取りです。貴重なパスポートのページは消費されないし、すばやいし、大変便利。
びっくりします。ANAは就航していないはず。それなのに…というのは当然の疑問。これは他人の空似でした。全く関係がない模様。A3, LX, TK, SN の搭乗客も対象となっていたので、ANAのダイヤモンドサービス会員証、プラチナサービス会員証、スーパーフライヤーズラウンジカードなどを提示すれば入室可能なのでしょう。遠い異国でも日本の霊感に見守られ、感無量…なはずはありませんね。
さてこの会社をどう呼ぶか、アナ、えーえぬえ、全日空、ニッペリ etc...仔細なことが大真面目に議論されますが、「ANA」については GW 中に神託が下されました。発音記号をご覧下さい。
英語の標準としては、権威中の権威 Oxford 辞書チームの言うことです。「ANA」が英語なら、無視するわけにもいきますまい。もっともANAの構成員たちは、語法、文法、つづりであの調子なので、発音なんて考える余裕はないと思います。
リスボンは「七つの丘」の都市です。丘の斜面では風がやや強く、巨大な国旗が悠然とはためいていました。
そして反対側を見上げると、TAP Air Portugal がギアダウンを行っています。首都空港へのアプローチ。飛行機の撮影が好きな方には、格好のスポットだなんて思ってしまいました。
終わりもパリ
素人ながら、少しはパリっぽい写真も撮らないといけないと思い、ペアの男女のシルエットを。
Charles-de-Gaulle空港でもパリ。