キャセイ・パシフィックは、本拠地である香港国際空港に6つのラウンジを持ちます。2つがファーストクラスラウンジ、4つがビジネスクラスラウンジです。会社の顔となるラウンジはザ・ウイングのファーストクラスでしょうが、インテリアデザインにこだわり、居心地の良さを徹底的に追求したザ・ビアのファーストクラスもなかなかのもの。
場所はターミナルビルの外れにあり、出国後すぐ左手にあるザ・ウイングと相補的に機能します。
ご当地バーガーが地域おこしに役立つ日本ですが、世界中の空港ラウンジにもその種の創作バーガーがあります。人によっては目的化するという意味で、ご当地バーガーと共通点があります。このブログでも、5月にヒースロー空港のブリティッシュ・エアウエイズのラウンジで供される BA バーガーを紹介しました。
今回訪問したザ・ピアのダイニングには、ベジバーガーと和牛チーズバーガーがありました。BAバーガーのような、場所限定の定番という位置づけではないようです。
和牛の呼称を巡る問題については皆さんも良くご存知だと思いますが、authenticity の問題は別にして、この皿の意図ははっきりしており、牛肉本来の風味を味わえるはずです。実は BA バーガー以来、ラウンジバーガー全般を気にするようになり、今回のザ・ピアではこれを注文するためにダイニングに足を踏み入れました。香港国際空港の混乱を受け、旅行中止を検討する段階では、無意識下に作用したかもしれません。
いつもは揚げイモと一緒に供されるはずですが、今回は夜遅かったので、付け合わせは生野菜+ピクルスだけでした。これは給仕から予告説明がありました。
記事のために、二つに割ってみました。このバンズには覚えがあります。
本当にひき肉のハンバーグとチーズだけ、チーズも控えめな大きさと厚さです。実にシンプルな構成。
左半分はそのままで食べました。軽く胡椒は振っているかもしれませんが、味付けは塩だけ。牛肉本来の風味がします。和牛と言っても、脂は多くありません。皿の上の生野菜がパンに挟んでもらいたいように見えたので、右半分はそれを使ってアレンジ。
やはり上下からパンで挟まないと、ぴんと来ません。
見た目は少し豪華になりますが、味付けがとても軽いので、野菜本来の苦さが目立ちました。B級らしさを期待するなら、注文時にケチャップかマスタードをお願いすると良いと思います。今宵は隣のテーブルにうら若き女性が一人で座っていましたが、同じく和牛チーズバーガーを頼み、ケチャップを追加してもらっていました。
もともとの味付けが簡単なだけに、野菜をはさむ、ケチャップを追加するなどは、許されるアレンジでしょう。
ザ・ピアのダイニングでは、改装開店以来ハンバーガーがリストに載っているようです。4年前に訪ねた時は、アンガス牛のビーフバーガーでした。
ハンバーガーの内容が変わっています。2回の経験では、味付け控えめで牛肉の風味を大切にするというコンセプトが共通していました。
Cathay Delight に匹敵する名でオリジナルバーガーを定番化すると話題になるだろうにと思いました。癖になる法悦というコンセプトで、Cathay Ecstasy とかどうですかね。
夜はこんな感じになるザ・ピアのダイニング。ラウンジとしては、ワインもまずまず充実しています。オードブルが5種、チーズが2種もあるので、ワインバーのような使い方も可能です。締めのラーメンの代わりになるヌードルもありますが、ここはぜひ和牛チーズバーガーを。
魅惑あふれるキャセイパシフィックの旅。