この記事と次の記事も搭乗記ですが、
2019年8月12日。出国中止スタンプ。 - バス代わりの飛行機
の詳細になります。滅多にない事態で、情報収集と分析に時間が取られたというお話になります。
食が魅力というCTS
このフライトは16:35出発が定刻です。空港に早く着いた場合、腹具合は微妙というところでしょう。喰うべきか、喰わざるべきか、それが問題。
今回は喰うに転がり、スープカレー。
札幌は名物が多く、新千歳空港では誘惑にあらがうのが大変。一方この空港の国際線ラウンジは、食物が殆どないので、過食になることはないでしょう。
多くの物販店、飲食店が集積する国内線ターミナルビルから、直線通路でつながる国際線ターミナル。2階と3階が通路ですが、3階は小さなテーマパークが集まったような趣。夏休みなので、子供連れで賑やかなことでしょう。
一方、2階は広い「通路」ですが、Steiffによる実物大 (?) ぬいぐるみが数多く壁際を飾ります。牛はいかにもヨーロッパの牛。
象もありますが、アジア象でしょう。こちらは小さめ。
国際線ターミナルには、商業施設が貧弱です。チェックイン前の搭乗客は、国内線ターミナルで用を済ますことができます。空港がコンパクトなのはよいことです。
発着案内もこの通り。国内線・国際線に出発・到着の掲示が、この程度の量に収まります。羽田空港は近く再グループ化するようですが、第2ターミナル(おそらく ANA グループが引き続き利用)はこんな感じのコンパクト、高効率なターミナルになることでしょう。ビジネス客狙い、効率狙いの羽田ですから、JALに対して大きなアドバンテージとすることができるはず。
お盆休み・夏休み
キャセイパシフィックのチェックイン窓口がオープン。適当な長さの列が形成されています。最遠景の人混みはタイ航空で、そちらの方が明らかに混んでいます。開始時刻に一気に集まるか、各自好きな時間に来るかというメンタリティの違いもありそうですが、運ぶ人数もタイ航空の方が多いようでした。
ゲート近くのことですが、タイ語と北京語で客寄せしていた免税店があるのにはびっくりしました。ちなみにタイ語で声をかけられ、気分は少しだけバンコク。
キャセイは、チェックインカウンターや搭乗ゲートでの客の整理で統一化を進めているようです。前回の利用までは、場所によってやり方がまちまちだったのですが、今回の旅行ではあらゆる場面で
・First Class、Diamond会員、Emerald会員
・Business Class、MPC上級会員、oneworld上級会員
・Economy Class
の3種に統一されていました。表示のデザインも同じ。わかりやすくなりました。
ラウンジを少し冷やかして、待合ホールへ。このホールはスペースがぎりぎり。中間階には狭いラウンジとフードコートがあるだけ。時間つぶしはできる限り国内線ターミナルで行うのが良さそうです。
本日の機材はA333。ビジネスクラスは、逆ヘリンボーン1-2-1の配列。
ワゴンの新聞から FT を選択。ヨーロッパ人が国内でバカンスを過ごす割合を国別に表したグラフ。
上位の国々は国民の所得が低く抑えられ、どちらかというと「大きな政府」を持ちます。つまり民衆から金を集めて国内をよく整備しているため、外に行くより国内で過ごす方が魅力的というストーリーが見えます。こういう国では万民を観光で、レベルの高い人を移民や永住でと、外国からも富と人が集めやすいので、国家運営の一つの形です。一方、ドイツとスウェーデンの数字は意外に大きく感じました。
ワインリストは、白がブルゴーニュの Chardonnay と NZ の Sauvignon blanc、赤が AUS の Shiraz と ボジョレ(のGamay)でした。さらにデザートワインに Loupiac があります。
Loupiacはもちろん、Albert Bichot の Viré Clessé と、カンガルー島の Shiraz に興味を惹かれます。
安全のビデオは、アニメ+実写のバージョン。制作されてからそれほど経過したわけではありませんが、何だか古い感じを受けます。
事態の発生と空港からの退去
さてドアクローズし、搭乗橋も後退、安全のビデオも流して、出発準備も完全に整いました。しかし機材はピクリとも動きません。香港からの出発指示待ちです。
離陸の「おあずけ」は空港混雑が理由でよく起きるので、乗り継ぎ時間が短い場合を除いてあまり気になりません。しかし今日はあまりに長く、異常事態で空港が機能不全を起こしている可能性が濃くなってきました。結局50分ほどして、機長からアナウンスがありました。香港国際空港の発着が中止されることになったため、当機も新千歳に停泊。香港行きでは今後離陸する本日の便全て対象。当便は全員降機という内容でした。簡単ながら衝撃の内容。
香港国際空港の到着ホールでデモが続いていることは、報道で知っていました。「さてはセキュリティを突破してエアサイドにまでなだれ込んだか」ととっさに思いました。そこで調べたところ、空港の公式発表では、出発側でチェックインが終わっていない便が対象、到着側では現在離陸していない便が対象になっています。デモ隊の強行突破ではないようです。混乱の程度は低いようなので少し安心。しかし (おそらく航空会社が危険性を大きめに見積もり、) 香港近隣の空港へ着陸したり、出発空港に引き返した便もあったようです。香港が空港閉鎖になった時に飛行中だった QR816 は、Bangladesh 上空で折り返し、Dohaに戻ったようです。12時間の無駄なフライト。今回の「空港閉鎖」が招いた極端な事態は、以下の記事に見ることができます。
https://memeburn.com/2019/08/saa-flights-hong-kong-protests/
さて当面出発できない事がわかったCX581機内では、客室責任者からキャセイの対応について説明がありました。
・航空券は払い戻しが可能になる
・旅程の変更については係員に照会のこと
・この事態に対処するための宿泊費、交通費は客持ち
でした。
彼らも何も知らされてはずなので、フライトの再開について案内がないのは自然です。地上係員も同じはず。その場にいても時間の無駄になりそうです。キャセイのことだから、動きがあればショートメッセージで連絡があります。混乱の程度は低いようなので、長期間の空港閉鎖は心配しなくて良さそうです。自分がどうするかは、香港で何が起きているか情報収集してから決めることにして、札幌に引っ込みます。少し遠いけれど、わかりやすいので。
はからずしも札幌観光してしまいました。
夜見るのは初めて。
そして札幌名物、味噌ベースのラーメン。