バス代わりの飛行機

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

空港の孤立

きわめて風の強い台風15号が8月9日未明、南関東を直撃しました。広域で道路、鉄道が機能を失い、成田空港は陸路アクセスを失いました。8月9日は台風一過、空からのアクセスはまずまずだったため、次々に空港へ到着客を運びます。しかし人の流れはそこで滞留。この日13,000人以上の旅客が、空港で夜を明かす羽目になりました。当事者の身になってみれば、海外旅行の後で予期せぬハプニング。非常に体力を消耗するはずで、まさに災難でした。気の毒なことこの上ありません。後日この体験を笑って他人に話せるようになるとよいのですが、トラウマにならないことを祈ります。

 

房総半島は台風被害を頻繁に受ける土地ではありません。しかしいったん大きな被害が現れると、それは広範囲で同時に起き、面として社会機能が麻痺することが多いようです。地形のせいでしょうか。今回の被災でも、ほとんどの鉄道が停止、高速道路は通行止め、広域の停電と幾重にも被害が積み重なりました。台風被害というと、こういうパターンで現れます。

 こうなると自分の足、自転車ぐらいしか移動手段がありません。広域で陸上交通が停止する事態は、成田空港の台風リスクとして整理しておいた方がよい気がします。

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ただ成田空港は内陸にあり、孤立したといっても四方八方地続きなので、その気になれば移動は可能です。20 kmの徒歩が何でもない人たちなら、「孤立」しません。一方で海上空港は、事が起これば本当に孤立します。移動停止の可能性は、成田よりずっと高いのです。国内では、中部、関西、神戸、北九州、長崎が該当しますが、中部国際空港 (鉄道と道路はかろうじて独立) を除いて連絡橋は一つです。津波、大潮、地震、交通事故などで通行できなくなるリスクは、一般に忘れられているのではないでしょうか。

 昨年の9月、台風21号の襲来時には、風でコントロールを失ったタンカーが関西空港の連絡橋に衝突、橋が大規模に破壊されたため、空港で8,000人が移動できなくなりました。さらに高潮による停電。かなり深刻な事態ですが、海上空港では常に起きうる、しかもそれほど稀ではない災害、事故だと思います。

 

この災難を教訓に関西空港は備蓄を見直したようですが、個人でも海上空港を利用するときは、簡便なお泊りセットを持参した方が良いかもしれません。

 自然災害の可能性が頭になくても、ロストバゲージを恐れるがあまり、2、3泊分の着替えや常備薬を機内手荷物に入れる旅行客は多いものです。旅先でスーツケースとは別行動が基本になるような方なら、衣類の分散は当然のことになっていることでしょう。これに体を拭くタオル、多めのウェットティシュ、携帯充電用電源、食料があれば、空港孤立化への対策になります。

 

今回の成田空港の孤立では、その場で状況分析し、その日の航空券を予約、発券、すぐさま出発カウンターへ移動、別の土地に飛行機で移動した方が結構いらしたようです。多少費用はかかるものの良い避難法です。しかし年間50フライト、100フライトと飛行機を利用する方でないと、こういう発想はできないことでしょう。そこまで旅行しない方でもこういう解決事例を記憶するのは有用です。同種の事態に直面した時に、使えるカードが増えます。

 

日本は自然災害が多い土地。海外旅行に行くなら、大して使わないガジェットをごちゃごちゃ持っていくより、備えあれば患いなし系グッズを手荷物に忍ばせておきましょう。また被災事例から、どういうサバイバル法があるかリサーチは欠かせません。


一方リスクを過剰に見積もることは、常に問題です。持ち物に関して何が過剰で何が適切かは、個人が判断することですが、日本での空港孤立への対策なら、台風の季節(8月、9月)だけで良いのではないかと思います。

 

成田空港で足止めになった方は、本当に大変だったと思いますが、この出来事のおかげで災害に対するリスク管理がより良いものになる事は間違いありません。Pechedenferもいろいろ考えさせられました。