PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

食器が変わったJAL国内線ファーストクラス

日本料理店、特に料亭では、料理そのもの以外に雰囲気を楽しむことが重要。立地で客入りや客層が異なるのは当然ですが、しつらえに工夫を凝らすのは初歩の初歩。そして立地やしつらえよりもさらに重要な要素は、何と言っても食器。

 

機内食や空港ラウンジは、ホテルのダイニングとほぼ同じものを目指しており、それは料亭やレストランとは全く異なります。しかし食器によって客に与える満足度が異なることは共通します。食器に鈍感だと、食の楽しみは半減すると言ってよいのではないでしょうか。

 

とは言うものの国際線ファーストクラスでさえ、若い新婚が揃える程度の食器しか使いません。要は安物ですが、レベルが低いなら低いなりに差が出るのも食器。注目に値します。

 

久しぶりに JAL 国内線ファーストクラスに搭乗したところ、お膳が全く変わっていました。驚いたので乗務員に聞いたところ、10月1日から変わったとのこと。

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筒形の小鉢3つ、主菜用の皿、米用の方形皿、下敷きの紙。これらが新調されていました。3つの小鉢は同じ形状で、デザインが全て違います。

 これまでは大人しい皿の一揃いだったのですが、ずいぶん幾何学的な構成になり、見た目はシャープになりました。ソーシャルメディアを意識したのかと疑いたくなるような見映え。

 

比較のため、以前のお膳の写真。下の写真から箸置きが変わっていますが、赤い折り鶴の箸置きも以前から使われています。味噌汁の容器も何種類かあるので、更新されていないと思います。カトラリー・ナプキンの束は、全く変わっていないように見えます。

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新しい食器セットになって、配膳は楽になったことでしょう。小鉢が入れ子になっていないだけでもずいぶん違うはずです。配膳の自由度は上がったので、乗務員によってはとんでもない配置で出してくる可能性もあります。そういう常識外れも搭乗の楽しみ。次回に期待してしまいます。

 

食べやすいかとか、触感はどうかというレベルでは、旧型の方が良かった気がします。ありふれた食器の持つ形は、長い年月に磨かれたもの。それなりに理由があるのだと再認識しました。

 

さて10月の夕食監修は、福井の開花亭(https://www.kaikatei.biz/)。色彩と盛り付けを頑張っています。味付けが非常にあっさりしており、印象に残る料理でした。白米も個性が光ります。「いちほまれ」は福井で最近開発されたコメのようです。

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JALはしつこく宣伝することはないものの、一貫して白米へのこだわりを見せます。日本酒も、その月の都道府県から選ばれているものが秀逸。肩の力が抜けたセレクトながら、違いは容易に分かるといった代物が出てきます。

 キモ甘活動家なら、デザートも要チェックのはずです。先月までは空港・駅でお土産として、きれいに箱詰めされる個別包装菓子(例えば北海道だと、マルセイバターケーキとか、霜だたみとか、チョコマロンのような菓子)のバラ出しでした。今日のデザート、豆乳プリン・黒蜜は、小鉢で出されています。今後ずっと小鉢に入れて出すことになるのかどうか、来月も要チェック。

 

ファーストクラスといっても、国内線は比較的簡単に手が届きます。+7,000円でしたっけ?それでいて月替わりで日本各地の米、日本酒、甘味がセットで楽しめます。決して高価な品は出てきませんが、味わいの時間はその地にトリップ。JAL国内線ファーストクラスの利用は価値ある「贅沢」です。

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