流行ですか。フライトの後にはアンケートが送られてきます。恐らくすべての搭乗者に同じメールを送っているのでしょう。すると相当な規模になるはずで、各社ビッグデータの処理に力を入れているようです。今日、手に職をつけるなら、数理・情報科学、データサイエンス。そういう表現が適当な時代なのですね。
ロスバゲ対応に関するアンケート
一つは、ロストバゲージ(つまり預入手荷物の紛失・遅着)への対応についてのアンケートでした。先日のエールフランス便のロスバゲ発覚後の経験についていろいろ聞かれます。
仏文・英文並記のメールが誘導します。
イレギュラー対応に関するアンケートは初めてです。メールのボタンは、アンケートトップページへのリンクになっていますが、Je donne mon avis ボタンをクリックすると英語の説明文が現れます。このルーティンには改良の余地あり。
国旗を選ぶと、Your survey is going to show in English. ...の部分がその言語に変わります。少し新鮮味があります。9言語対応です。おそらく全搭乗客の使用言語の上位なのでしょう。
もっともな質問が並びますが、思いもよらない回答選択肢が並び、エールフランスが何をやっているのか知ることができます。
ロストバゲージが起きたら、空港のカウンターで手続きするものと当然のように考えていましたが、電話しないといけなかったり、キヨスク端末が対応したり、ウェブサイト・アプリで申し立てる必要があったりと、5つの方法が併用されているようです。
手続き後、状況を追跡したくなるのは自然ですが、連絡方法が多様です。いろいろなチャンネルを残しているから、経費がかかるのではと思いました。コストカット進行中の過渡期なのかもしれません。
昔ロスバゲでウィーンからパリへ電話をかけて、状況を尋ねたことを思い出しました。いきなり切れまくっている係員が出てきました。心を病んでしまう仕事のようで、(社内ではそういう仕事だということもわかっていて、そういう仕事を与えられる人間だということもなんとなく見えてくるので)気の毒になりました。
「あなたの経験したことを鑑みて、エールフランスを(他の人に)勧める心構えはありますか?」と来ます。「事故対応がしっかりしているから、他人にも勧められる」と客が発想することを期待したのでしょう。「ロスバゲ起こしておいて、他人に勧められるかだと。どこまでツラの皮が厚いんだ。」と思う客が多いことには思いが至らないようです。
最後に、さらなる詳細を聞くためにアンケートの回答に名前を合わせてエールフランスに報告してよいかという質問。もちろんアンケートは専門業者が実施、回答者の個別情報は報告されず、結果の集計データのみがエールフランスに渡るわけです。ここで Oui を選んで初めて、エールフランスに意見を伝える可能性が生じます。
面倒が嫌なら Non。
利用が滅多にない事実に目をつぶるLH
ルフトハンザも利用すると必ずアンケートを送ってきます。片道でも1回、往復でも1回です。アンケートは、スターアライアンスの利用に関しての質問も並びます。盟主としての自意識が強烈。メールのリンクをクリックすると、メッセージの画面。英語です。
ルフトハンザに自分の使用言語は伝えていないので、考えられる理由は、
・英語が国際語だから
・航空券が英語で発券されているから
ぐらいです。最初の理由だと一般にメール自体が理解できない客が出るので、回答率が低くなります。すると2番目の理由でしょうか。つまりある段階で何気なく使用した言語が、後々まで影響します。個人データが自動リンクされる典型例です。概ね便利ですが、Pechedenferは危険性を嗅ぎ取ってしまいます。
それはともかく、アンケートで選択できる言語は19。大したものです。
工夫しているなと感じたのは、途中で出てくるこの場面。
全部回答を終えた時に出てくる次の場面が対応しています。
たぶんアンケートのために撮影しています。エールフランスやスカイチームより頑張っているという印象を与えます。
しかし客室乗務員のユニフォームは、スカイチームの方が多様ですね。スターアライアンスはエアインディアが異彩を放っています。
一方で、質問の構成はこなれているとは言えない感じでした。ほとんど初めに出てくるこの質問は「他人にルフトハンザの利用を勧めるか。」
最後近くに出てくるこの質問は、「自分が再び搭乗する気になるか」です。これら2つは並びそうなものです。
そして最後の質問は、「過去の異なった加盟会社を利用した経験から、周囲の人間にどのぐらいの可能性でスターアライアンスを勧めるか?」でした。過去1年間にたった4社しか使っていないと回答しているのに、スターアライアンス全体のことなんてわかるはずがありません。
何だか変です。
ともかくこういうアンケートは航空会社が何を考えているのかを伝え、情報源としても機能しています。実は双方向のコミュニケーション。真面目に取り組む価値があります。