バス代わりの飛行機

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空港アクセス:Flying Blue関連の新事業やパリの試み

空港アクセスのお話を2つ。Air Franceの利用者にはどちらも重要な動きですが、たまたま重なっただけで相互には関係ありません。

 

マイルが貯まる空港アクセスサービス

Air France はすでに30年も提携している Hertz とともに、新たな空港アクセスサービスを開始します。名付けて Hertz Drive U。内容はハイヤーの手配です。

https://airfrance.hertzdriveu.com/fr/

もともと Hertz レンタカーの利用でマイルが貯まっていたし、一般にレンタカー会社では運転手の手配もできるので、今回の新事業にどこまで新規性があるのかわかりません。宣伝されているサービスは、

・客の名前を大書した札を持った運転手が空港の到着出口で待っている

・利用金額 3 euroあたり 1 mileが得られる

・支払いは前もって計算された金額のみ(つまり固定料金制)

・運転手は客を90分まで待つ

・搭乗便の運航状況を追跡し、それに合わせてサービスを提供する

です。フライトの遅延はよくあること。最後の二つは機能的ですね。それからどうでもよい比較になりますが、得られるマイルは航空券購入で得られるマイルよりだいぶ少なくなります。

 

このサービスは、70カ国以上、300を超える空港で展開されます。搭乗が想定されているもののAir Franceである必要はなく、街—空港間の双方向の移動で利用できます。なお利用の3時間前までの予約が必要。

 Air Franceのファーストクラスを利用する場合は、このサービスは航空券価格の中に含まれます。ただし出発の24時間以上前に予約を行う必要があります。この辺の案内は出発前のメール連絡に含まれていそうな気がします。

 

実は Flying Blue には、昔から Driving Blueという配車サービスがあります。

https://www.drivingblue.com/book-a-ride-new/plan-your-ride

これは AF-KLM や Flying Blue とは独立した会社が提供するサービスのようですが、この会社が空港ごとに現地のハイヤー配車業者と契約しているようです。Pechedenferも何度か利用したことがあります。サービス内容は Drive U とほとんど同じ。キャラは完全に被りますが、これはこれで存続するようです。

 

さらに言うと、Flying Blueは 高級レンタカーの Sixt とも提携していますし、Sixt は運転手手配のサービスに力を入れています。(運転手付きの車で移動するなら、大衆車ではなく高級車を考えるのが人の心理ですから、これは当然。)ここでも被りますね。

 

こうしてみると Air Franceが Hertz Drive Uと他の提携業者によるサービスとの棲み分けを考えた気配はありません。Driving Blue や Sixt からも新しい提案があると、Flying Blueはますます使い甲斐のあるプログラムになります。

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パリの空港アクセスは自動運転に

Air France の本拠地 Paris-Roissy では、行政も新事業を考えています。Ile-de-France は Renault-Nissan および Waymo (Googleの子会社 Waymo – Waymo ) と協力して、2024年に CDG と La Défense 地区の間にシャトルサービスを開始すると発表しました。無人運転自動車によるシャトルです。

Une navette autonome entre Roissy et La Défense en 2024 - Le Parisien

 2024年の背景は、もちろんオリンピックです。自動車専用道路A1 と A86 に専用車線を設け、1日24時間のサービスを提供する予定。

 

自動運転は、一歩一歩実現に近づく近未来の交通。そのニュースに注目が集まるのは自然ですが、全区間に専用車線を設けるなら解決する技術的課題は大きくありません。実証試験としての価値は高いものの、一般にはオリンピックに花を添えるお祭り、アトラクション、パリとWaymoの宣伝、その程度のインパクトにとどまりそうです。

 

現在平均 40分ほど必要なこの区間は、毎日1,500 ~ 2,000 人が行き来しているそうです。この事業が計画通り実施されるなら、専用車線のおかげで所要時間は短くなり、遅延はなくなります。すると物見遊山の客に加え、ビジネスユースも増えます。オリンピック期間中の輸送量は、相当増えるでしょう。現在オペラ座が果たしている空港アクセスの拠点の役回りは、 La Défenseに移るかもしれません。記憶にとどめておくとよい情報でした。

 

Renault は 2018年にジュネーブのモーターショーで発表した Easy Go(6人乗り+その荷物の搭載)というコンセプトカーをベースにした自動車を提案しています。

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自動車専用道路に出没する強盗への対策など、パリならではの課題もありますが、大いに期待できます。


空港アクセスとは関係ありませんが、パリでは RATP も自動運転を導入しようとしています。Austerlitz 駅と L'hôpital de la Pitié-Salpêtrière (病院) との間に無人運転自動車によるシャトル路線を今年の夏から開業するようです。もちろんハードは RATP が開発したわけではなく、この事業はイスラエルの Mobileye の協力を得て実施されます。

Paris : des voitures autonomes entre Austerlitz et la Pitié-Salpêtrière dès 2020 - Le Parisien

RATPは、自動運転ではドアからドアへの移動を考えているようです。そのためバスやトラムとは異なり、小さな車両となるようです。

 

パリはこういう新技術実現の場になることには熱心です。都市ブランドの価値を高める方法をよく知っています。