PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

移動制限の出口予想

新型肺炎の発生以来、恐怖心を煽るために事実を歪め、人心を惑わすことが主な業務となっているメディア。疫病や大災害の発生時には、メディアが災禍を拡大することを再認識できた人が多いと思います。平時からそうですが、メディアの意図は事実の伝達にはなく、紛擾の誘起にあるので、当たり前と言えば当たり前。メディアリテラシーの一部です。

 報道として重要でも、人々の心を明るくするような取材は苦手。例えば、「新しい生活様式」や「休業要請の段階的解除」に合致した新しい旅行の姿は、旅行代理店や各地のコンベンションビューローが検討しているはずです。このセクターを取材して、彼らの見通しや旅の提案を積極的に記事にしたらよいと思います。地味に社会の動きを伝えるなんて、社の上層部には嫌われそうですが、読者には希望を与えるとともに実用的。仲間内の称賛は得られなくても、読者の心は掴めます。また青息吐息の観光産業の救済にも貢献します。

 

政府による自粛要請のうち、都道府県をまたぐ移動については、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、北海道を除いて 6月 1日に解除されました。これ以外の府県の住民は、これ以外の府県への移動してもよいとお墨付きを得たわけです。観光に携わる者は、三密の場所・行事を除いた「おらが村」の宣伝を再構築する必要があります。メディアは協力してやればよいと思いませんか。

 

6月の入梅前は、ゴールデンウィークと夏休みの狭間で、一般に旅行シーズンとは見なされません。しかし天気は悪くなく、紫外線は強いものの、日は長く、観光に向いた季節。生産年齢だとあまり旅をしない季節なので、実際に出かければ、新鮮な発見ができるはず。週末だけで、失われた今年のGWの穴埋めになるような体験になるかもしれません。

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カジカガエルもすでに鳴いています。東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県を含め、全都府県*に生息するかじか(河鹿)は、代表的な夏の季語。渓流へお出かけして、一句、一首、一ツイートはいかがというところ。 

 6月19日、移動の自粛要請は都道府県で解除予定ですが、全都府県**が梅雨になっているかも知れません。国内観光は今。

*:ごめんね北海道

**:うらやましいぞ北海道

 

このブログでは、国際線が主な関心の対象。自由な移動へのハードルは段違いに高いのです。現状では、自主隔離つきで駐在のための移動や地域経済圏での条件付き移動がそろりそろりと認められつつあります。

 自主隔離2週間が要請されては、観光、商談、訪問、コンベンションへの参加などは事実上不可能。まずはこれが撤廃される必要があります。

 大胆に予想すると、まず EU 内で多くの国境が再開放されるでしょう。これは夏のバカンスまでに行われます。そのころ世界では2国間で、相対移動が少しずつ許可されていると思います。日本―韓国は、早期に開放される可能性が高い気がします。次はオーストラリア、ニュージーランド、中国の特定地域、東南アジアの特定国と日本の間。例えば、タイやベトナムは新規感染の報告がすでに相当減っています。日本とEU諸国との間では、政府は難しい判断を迫られるかもしれません。

 

感染がほとんど制圧されている国との間の移動は、日本での新規感染数が十分低い状態が続くことが必要条件になります。こっちはウエルカムでも、向こうは来るな!になります。

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感染の状況が似た国の間で移動を認めるという、やけっぱちな政策がとられないとも限りません。抗体を持つ人が住民の数割にも達していれば現実的な話ですが、フライングもあり得ます。フランスやドイツには、意外と早く行けるかもしれません。フランス基準で***フランスは危ない状態を脱しています。後は自国のリスク許容度の押し付け合い。ふらんすに行きたしと思へどもふらんすはあまりに危うしでも、怖いもの知らずはある程度います。なし崩しで観光が復活しそうです。

***:これが常に重要。

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"Non mais c'est bien connu, tous les hommes ont un très grand cœur pour pouvoir mettre pleins de filles dedans."--- Amour et Turbulences par Alexandre Castagnetti.

 

アメリカは感染の収束に少しかかりそうなので、アメリカーフランス間で観光客の移動制限は続くはず。するとルーブルが空きます。ただし social distancing のため、入場制限が行われていると思います。どちらの因子がより強く影響するかよって、入場の難易度が変わります。

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Scène de Massacre de la Saint Barthélémy, La Reine Margot

 

フィリピン、マレーシア、インドネシア等のアジア諸国やロシアは、まだ流行が収まる気配がありません。ただその場合でも、地方や都市を限定して解禁という話は十分あり得ます。希望は持ち続けたいもの。

 

太平洋の島々は早期に国境を閉鎖し、感染拡大を見事に阻止しました。そのため抗体も持っていませんし、「恐怖への免疫」もありません。感染を経験した国との間で往来が可能になるには、かなり時間がかかりそうです。同じ理由で台湾も微妙です。

 現在感染が爆発的に拡大している地域は、インド、南米諸国などです。一部の国はまさに指数関数的に感染者が増加しています。こうした国への観光は、しばし忘れる方が良さそうです。