疫病の収束が遅れても、6月19日にはステップ2に入り、都道府県をまたぐ移動が認められます。7月10日からはステップ3。都道府県をまたぐ観光もOK。認めるも何も、現在でも強制ではありませんが、国のお墨付きがあると地方の方は安心できるでしょう。
7月1日には、グアムが観光可能になりそうです。7月中には日本人観光客の入国を認める国が続々と出るはずで、政府も渡航を楽にせざる得ないと思います。それでも海外渡航の回復には時間が必要でしょう。今年の夏は、国内に出かけましょう。普段あまり旅行をしない人も、旅に出て消費することが世のためになります。例のGo To キャンペーンも期待できそうですし...。
観光施設の再開は、7月 10日が目安となります。すなわち堂々と他府県の観光ができるようになるには、まだ一月以上あります。しかしこれは実質的に観光スポットしか影響を受けません。さらに同じ都道府県在住者向けにはすでに再開して良いことになっています。例えば遊園地の現状は以下のとおりです。
ディズニーリゾートは再開予定を発表していません。浅草花やしき、としまえんも同様。荒川遊園は来年まで閉鎖ですが、これは施設リニューアルのため。USJ は 6月 8日から段階的に営業を再開。ひらパーは5月29日から、生駒山上遊園地は 6月 1日から再開しています。ナガシマスパーランドも、5月17日からほとんど普通にやっています。ハウステンボスは5月16日から県民限定で営業中。6月19日からはほぼ全面再開になるようです。
お上りさんに人気がある「高い場所」は、東京ですら再開しています。東京タワーは5月28日、スカイツリーは 6月 1日、ヒルズ展望台は 6月 6日、サンシャイン60展望台は 6月 8日に営業を始めました。役場の付帯施設は動きが鈍く、都庁展望室、文京シビックセンター展望ラウンジは閉鎖中です。
遊園地や展望室のように言い逃れができない観光施設では、再開に工夫が必要かもしれません。しかし人に会う、食を求める、散策するための旅行なら、6月19日ステップ2に入れば、誰もとがめません。
日本中どこにでも行けるなら、地酒を求めるのも一案。ここ20~30年、道府県単位で酒造好適米の開発 (と復興) が盛んです。ワインを見習ったのか、日本酒は土地の水ばかりか、土地の米も必要になってきました。例えば、山形県は出羽燦々、出羽の里、雪女神とだいたい10年ごとに大型の酒造米がデビューします。それぞれ人気を博しているようで、山形の酒の世界を豊かにしています。
お隣の宮城県は20年ほど前に蔵の華が生まれ、そして今期デビュー、期待の新人が吟のいろは。新種の米で醸造した酒は、最初の年より2年目、2年目より3年目と、年々良くなるはずです。しかし最初の年から知ると、理解が格段に深まりそうです。今後何十年も栽培、醸造されるようになるかどうかは、地元の人たちの努力次第ですが、土地に少し関心がわきます。
また新品種だと、独自の醸造方法を試す、確立するの部分が弱いので、蔵の違いが素朴に出るのも面白いところ。特定名称(本醸造、純米、純米吟醸、大吟醸、純米大吟醸など)のうち、限られたものしか造らないのも、比較を易しくします。
フランスで確立し、欧州に拡大している地理的表示(GI)保護制度は、日本でも一般的になっています。これは知的財産保護の制度ですが、農作物のブランド化を推進する効能があります。都道府県単位の競争も避けられません。各地の取り組みにすでに差が出ています。そういう角度での地方色も、現地で物色していると見えてきます。これはお取り寄せにはない、旅行の良いところ。
ちなみに 6月の JAL国内線ファーストクラスの日本酒は、高知県の美丈夫純米大吟醸鄙。高知には、土佐錦、吟の夢、風鳴子と独自の品種もあるようですが、この酒は山田錦から造られました。
写真は鄙ではありません。
今週半ばから、梅雨になりそうなことは少し気になります。天気に敏感なのは観光スポットであり、観光ではない旅行なら影響は小さいのですが、傘を持っていくのは面倒です。