エーゲ航空のマイレージプログラムは、かつてスターアライアンスゴールド会員になるのが最も容易ということで、世界中で話題になっていました。とても持続性がないようなプログラムでした。しかしエーゲ航空はそれで自社会員を十分集め、突然ほどほどの改悪を行い、プログラムに持続性を持たせたうえで、大量の自社会員を定着させました。どうもアライアンス加盟当初から、そういう魂胆だったようです。老獪なギリシャ人。その時、プログラムの名称も Miles & Bonus から Miles+Bonus に変わったのですが、新旧プログラムのけじめをつけた印象を与えました。
他のプログラムと同様、Miles+Bonus もちょくちょく小規模な改悪が行われます。特にスターアライアンス加盟各社の搭乗によるマイル加算は、予告なく悪くなっています。これは必ずしもエーゲ航空の問題ではないかもしれません。
今度の変更は自社で閉じた話です。やはり改悪とみるべきでしょうね。
エーゲ航空は近距離路線がほとんどで、国際線もせいぜい欧州線どまり。したがってマイルの加算は、国内線と国際線の2本立て、搭乗クラスによる区分がビジネスクラスと、3種のエコノミークラスと4区分。単純でした。数年前に欧州他社と同様、エコノミークラスにサービスを簡略化した商品 GoLight を設定、エコノミークラスは FlexとGoLight の二本立てとなりました。
いよいよその区分がマイル加算に反映されます。
多くを支払う人のマイルは増加し、少ししか支払わない人のマイルは減少するという常識的な線に沿った変更がなされました。6月16日以降の予約、再予約に対して新しいマイルが適用されます。
いままでは GoLight でも Flex でも予約クラスに応じて一律同じマイルが獲得できたのですが、航空券価格の差はかなり大きく、それが補正された形です。
この方向でのマイレージプログラムの改革は、他社に比べて2、3年遅れています。また加算率の違いもそれほど露骨ではありません。同業他社比では、Miles+Bonus は相変わらず貧者の味方です。
6月15日前後から、欧州の航空会社からは盛んにメッセージが届きます。移動再開にあたり、あたかも「私たちのことを思い出してくれ」と言わんばかりです。そんな中、一番爽やかで好感が持てたのが、ここエーゲ航空。
EUは人口当たりの新規感染者の数が、域内と比較して十分小さい国・地域からの渡航を認める方向で動いています。疫病の恐怖は後退し、経済のことがいよいよ心配になってきたようです。しかしこのスキームだと、原理的に旅行者は帰国後、(自主)隔離、経過観察が要求されることになります。日本から観光目的の渡航は早いうちに可能になるでしょうが、日本に帰国後、自宅謹慎が必要になります。
逆に日本が調整しているオーストラリア、ニュージーランド、ベトナム、タイからの入国に関しても同じことが起きます。まだまだ不自由なのでした。
世界はこんな段階を経て、元通りになっていくのでしょう。