PECHEDENFERのブログ

Le rayon d'action illimité. D'une véritable ruche bourdonnante.

高揚感皆無の夏

コロナ禍ですっかり縮こまった日本経済。体勢を立て直さないと国が崩壊します。政府は全国津々浦々に指示した自粛を解除、自信満々に経済活動を再開しました。するととたんに感染が再拡大。新規感染件数は感染最盛期と並ぶ水準に戻りました。欧州でも移動制限を解除したのですが、新規感染は低レベルで落ち着いています。それでも日本並みかそれ以上の発生頻度なので、うらやむ状態ではありません。

 

さてこのブログの主な舞台は国際便。ところが国境を越える移動では、有効な検疫スキームが世界的に未確立です。こんな状況で長距離フライトの航空券を買う人間がいるわけありません。欠航により、日程変更が行われた便がさらに欠航になる始末。これでは方違えも不可能です。

f:id:PECHEDENFER:20200724144449j:plain

Mir erkoren, mir verloren, hehr und heil, kühn und feig!

こんな感じで各社、予約の後処理が底なしになっているようです。航空券が売れないことによる損失処理に加え、人員整理を行う理由も作らなくてはならないし、航空会社は滅多に見ない苦境に陥っていると想像されます。

日本の会社は国内輸送があるため、まだましとはいうものの、気楽に構えていられる状態ではありません。

 

矢継ぎ早に事業を拡張し、すっかり「望月のかけたることもなしと思えば」気分になっていた ANA。その分コロナショックは激烈だった模様です。JAL 最後の牙城ホノルルの攻略を画策、富嶽を凌ぐ積載量を誇る A380 を補充する予定でしたが、ホヌ航空隊の配備を目前にして疫病が襲来。「新高山登レ 二〇二〇」は発信できず、進攻計画はすっかり頓挫。ホノルルはおろか玉山にだって行けません。巨大な機材は成田に留置され、巨大な経費がかかるだけ。幸いグループ全体の借入金がとんでもなく多いので、A380の2機や3機が無駄になっても、株価への影響は限定的です。

 

という状況で FlyNG ホヌ A380 が日々垂れ流す赤字を少しでも軽くしようと遊覧飛行を企画する ANA。メールでご案内。

f:id:PECHEDENFER:20200724145420j:plain

 

成田空港発、同着で 90分のフライト。抽選受付が前提になる一方、強気の料金設定となっています。これで 500人も 600 人も応募があるのでしょうか?子供連れを歓迎し、機内オフ会を排除するため、需要予想に関係なく抽選としたのですか。しかしこういうイベントにはお祭り気分が欲しいところ。例えば ANA の機内を想起させるいでたち

https://www.ttrinity.jp/shop/cx902/collection/21568

で多くの人が集まると、騒ぐことなくお祭りらしくなり感染防止にも有効。ANAだからと、スターウォーズ装束での参加を考える方もいらっしゃるかもしれません。

Déguisements Star Wars et accessoires Star Wars pour enfants et adulte

Déguisements Star Wars pour hommes et femmes - Deguisetoi

fêtard(=お祭り男、お祭り女、パーティ好き)としてのセンスは良いのですが、保安検査で一悶着起きないように注意が必要です。いずれにしても特別企画ですので、盛り上がりが欲しいところ。このフライトを核に(安全と衛生に影響がない範囲で)オフ会でも開いてもらう方が良いと思います。

 マイレージクラブ会員は 380 マイル獲得できる一方、PP はゼロのようです。座席の事前指定はできず、空港ラウンジや優先搭乗サービスは利用できないと明記されます。すると当日はごねる、すねる、さけぶ会員が出そうです。しかし成田空港は今ガラガラ。係員があり余っているので、お客様ひとりひとりに十分な対応が可能です。10人ものタヌキ顔に取り囲まれたら、どんな問題児、どんな問題 JJI も大人しくなることでしょう。ご心配は無用。安心してお出かけください。

 

f:id:PECHEDENFER:20200724150502j:plain

f:id:PECHEDENFER:20200724150511j:plain


せっかくのアイデアに対してこんなことを言うのも何ですが、遊覧飛行なら A380 より俺たちのボンQ、Bombardier DHC8-Q400 の方が楽しいのではないでしょうか。プロペラ機は低空をゆっくり飛ぶのが得意です。47D-1 に始まり、YS11を経て今日に至る日本の霊感。プロペラ機にこそこだわりを見せて欲しいものです。

 

f:id:PECHEDENFER:20200724162454j:plain

 

かくして日本の空でも飛行機は飛ぶものの、国内便に限られます。国のかけ声は Go To トラベルと奇妙。全く高揚しない 2020 年の夏です。コロナさえなければ五輪が始まっており、今頃はお祭りだったのにと Konjunktiv。Go To Travel は標語だから奇妙でも良いし、平凡な表現となる go on a trip では標語にならないし、そんなことをわざわざネタに取り上げるメディアは英語が苦手なようですが、確かに日本語で「再始動、再発見、ニッポン」ぐらいにした方がよかっただろうと Konjunktiv。とにかく政治や行政の発信は、わかりやすいことを旨として欲しいものです。