この記事を出してから数日して、だいぶ情報がまとまったので、改めて一つの記事にまとめました。
ヒースロー Terminal 5 でのサービス向上 - バス代わりの飛行機
この方が包括的です。
世界の極、ロンドン・ヒースロー空港では、ブリティッシュ・エアウェイズ BA が「お友達」の集約を進めています。ワンワールドの雄、アメリカン航空 AA が利用ターミナルを3から5に移すというニュースがあったのは今月上旬です。
ターミナル5は竣工以来 BA 専用だったので、ちょっとした驚き。ついでの JAL 再配置は勘弁して欲しい旨も書きましたが、祈りは届かず。日本の翼もターミナル5が根城になります。
Qatar moves to Heathrow Terminal 5
7月29日より新ターミナルで営業を始めるとのこと。
カタール航空 QR はターミナル4が定位置ですが、コロナ禍による閉鎖につき、ターミナル2にて仮営業中。そして 7月27日にターミナル5に移動します。むしろその話が主たるニュースで JAL の引越しはオマケ。悔しいことですがそれが世界の情勢です。
ターミナル5を使う BA 便が減便され、空いた枠でこれらの航空会社が発着するのでしょう。しかし JAL も QR も上級会員が多いので、Galleries ラウンジはこれまで以上に混雑しそうです。AA と JAL が消え去るターミナル3には、キャセイ・パシフィック CX とカンタス QF が残り、それぞれラウンジを持っています。現在は閉鎖中ですが、コロナ終息後どうなるのか見当もつきません。
QR は独自ラウンジの開設に熱心な会社。自社のビジネスクラスとファーストクラスの搭乗客のみが使える(QR 上級会員資格では入室不可の)ラウンジをあちこちに持っていますが、ヒースローのターミナル4にもそんなラウンジがあります。ターミナル5に新ラウンジを設営するかどうかはわかりません。
ロンドンで特製カレーの調達が難しいはずないと思いますが、JAL はヒースローにサクララウンジを持ちません。JAL 利用客の間では CX ラウンジが人気でした。ところが JL42便、JL44便で日本に帰る時にヌードルバーは使えなくなります。残念ですね。ターミナル3出発の BA 便では CX ラウンジも使えます。LHR 接続でヨーロッパに行く JAL の航空券を購入、乗継ぎが BA になる場合に期待しましょう。
これらの引越しで、BA 会員にも関心事が生まれました。AA、JAL、QR の利用時にコンコルドルームカードが使えるか否かという問題です。また JAL ファーストクラス利用時にコンコルドルームが使えるか否かは、JAL会員の関心事になるかもしれません。これらの問題に対する答は、そのうちわかります。
あなたがいないターミナル3なんて、辛子を入れない納豆、„Wie zwei Magneten ziehen wir uns an. Und kleben aneinander fest...“と、マッチョなAA にしおらしく JAL がついていったというシナリオは面白いのですが、たぶん的外れです。移動劇の背後には、BAが行う大西洋、太平洋の共同事業の効率化があることは間違いありません。近い将来、同じ共同事業のパートナーであるフィンエア AY も引越することでしょう。なおイベリア IB はもともとターミナル5を使っています。
コロナ禍で航空輸送が激減し、世界中で多くの空港ターミナルが閉鎖中ですが、空港利用の再編成のよい機会になっているようです。ヒースローでは、ワンワールドの残りのメンバー(AT, MH, RJ, S7, UL と CX, QF)、IAG傘下の会社(エア・リンガス EI、エア・ヨーロッパ UX)についても動きがあるかもしれません。逆に言うとこれらの会社で変化がないようなら、ヒースローに就航はするものの、影が薄い、あるいは世の変化に追従できないということなのかもしれません。この空港への就航はステータスですから、会社によりそういう濃淡はどうしても生じます。「あいついちびっとるし、いらんことばかりしよる。はみごにして欲しいんやろか。」と BA が親分提案する可能性はないはず。