先週末の特殊な4連休は、自粛解除後初の連休。夏の消費を占う上で重要でした。官製プロモ Go To トラベルも加えて、やるだけのことはやった日本政府ですが、結果はどうも今一つ。人出に増加は見られましたが、例年の水準にはほど遠い所ばかりでした。それに先立つこと数週間、街の飲食、風俗、エンターテイメント再始動に端を発して感染が拡大基調になり、旅心にブレーキがかかったのでしょうか。新宿歌舞伎町という知名度が高い地区がメディアで騒がれたのも痛かったようです。経済活動の回復は旅行業界だけではなく、街の水商売でも必要。負の影響を受けても仕方がない面もあります。
一方、Go To トラベルの混乱はいただけません。今の世の中、感染防止に都道府県の区別はほとんど意味がなく、個人の活動・行動を基準にした方がはるかに効果的です。非合理的な個人の束縛や職業差別にならないよう注意が必要ですが、東京都民が外に、外から東京都に出かけることの自粛要請と、会食、風俗そして人の密度が高くなるエンターテイメント(劇場、カラオケ、スポーツ観戦等)の自粛要請では、前者の方が問題が大きいと思います。感染拡大阻止のため、高リスク集団をそれ以外から隔離する政策です。後者に比べると前者は科学的な根拠がないと断じてもよいぐらいです。
un rêve éphémère
夏休みに海外旅行を予定していた方は大勢いると思います。その頃には疫病も収まっているかもしれないと楽観的な判断をした人たちですね。しかし、皆さん中止になっているでしょう。入国時と帰国時の面倒が許容できないという人もいるかもしれませんが、そもそもフライトがキャンセルになっているのではありませんか。Pechedenferも総崩れです。はかない夢でしたね。
À l'aéroport en fait
さて国際線が今どれだけ飛んでいるのか知りたくなり、本日の成田空港の出発便を調べてみました。結果は以下の通り。合計23便が出発、他は欠航です。
NH897 HAN B788
JL29 HKG B789
JL711 SIN B772
LO80 WAW B788
JL407 FRA B789
AI307 DEL-MAA B788
OZ101 ICN A321
BR197 TPE B789
NZ90 AKL B789
UA838 LAX B789
NH10 JFK B77W
NH180 MEX B788
NH6 LAX B77W
UA78 EWR B789
NH12 ORD B77W
KE704 ICN A333
JL58 SFO B789
NQ801 SIN B789
CI105 TPE A333
AA60 DFW B77W
JL18 YVR B767
EY871 AUH B789
QR807 DOH B77W
規模が小さな発展途上国の首都空港のような感じですね。欧州は2都市(ワルシャワとフランクフルト)で LOT と JAL が運航します。意外なことに感染が深刻なアメリカが多く、ロサンジェルス、ニューヨーク、ニューアーク、シカゴ、サンフランシスコ、ダラスと飛んでいます。ロスはUAとNHが飛んでいます。アジアは台北とソウルが2便ずつ。この辺は想像できる範囲内ですが、シンガポールも JAL と NQ で仲良く1便ずつ飛びます。香港が1便、バンコクとハワイはゼロです。アウトバウンドもインバウンドも観光輸送は壊滅しています。
全く変わらず飛ぶ中東勢は別の世界のようだというか、頼もしい限りです。個人的には、ニュージーランド航空のオークランド便が意外でした。
なお各社、意外と大型の機材を飛ばしています。航続距離の問題がない近中距離でも以前と同じ機材を飛ばしているケースが多くみられます。客は減っても、パイロット・機材繰りがつかないのでしょう。
新型感染症の流行は、空港をドラスティックに変えてしまいます。もちろん悪い方向にです。