夏休みになって、ヨーロッパからの広告メールが減りました。これはバカンスの季節が通常通り訪れたことを示唆するので、良い兆候です。しかしこちらもそこそこ暇。メールの数が少ないことも手伝って、ついつい読んでしまうのですね。これが大変な毒。
あまり変わらない頻度で送ってくるのは、ドイツ鉄道 Die Bahn。
さすがに8月も後半戦にかかろうかという時期なので、近場=ドイツ国内への旅行が提案されます。この辺は常識的な鉄道会社。で、写真はギリシア神殿風の箱モノ、ベルリンの Alte Nationalgalerie。「ベルリンにいても、ギリシャで休暇中の感覚になる」などと、センスのない言い回し。さらにリンクへのボタン、Jetzt Deutschland neu entdecken という単語の組合せは、使い古されたボロ雑巾のよう。ドイツに住むドイツ人には全くアピールしないでしょう。旅行業者は明らかに新奇な言い回しが必要です。
とは言っても、遠くに住む者では事情は変わってきます。この写真を見て、美術館島(Museumsinsel)へ突然行きたくなったので、個人的には訴求力十分でした。どうでも良いのですが、メッセージ冒頭の文、hätten Sie's gewusst? なんて TV 番組みたいだなんて思ったら、かつて実際に存在したようです。
同じドイツでもオペラの広告は下火です。伝統的に夏休みの時期は、演奏家も愛好家も音楽祭へ引越し。オペラハウスは事実上空になるので、広告や連絡も一時消滅します。今年の場合、Bayreuther Festspiele を含めてほとんどの音楽祭は中止
Bayreuther Festspiele 2020 - umfangreiches Alternativangebot | Der Neue Wiesentbote
ですが、オペラハウスの空白期間はそのまま温存されているようです。新しい常態に対応しようにも、やり方がわからないのでしょう。6月下旬以来、メールは無し。
久しぶりに届いた Deutsche Oper Berlin の宣伝。近々行うプログラムです。
社会活動が戻りつつあると言っても、感染予防には気が抜けず、オペラの苦しい時期は続きます。ただガストロノミーの関係者と異なり、ドイツでは音楽家の社会的な地位が高いので、大量閉鎖、大量失業は考えにくいのが救いです。
ついでに次シーズンの演目をチェックしてしまうのは悲しい性。9-10月の Deutsche Oper Berlin では、Nina Stemme が Brünhilde を演じるのですが、どこまで歌えるでしょうか。公演に駆け付けるのは、少々無理。
海外旅行を今計画するなら、アグレッシブとオプティミスティックは同じ意味になりますが、それでもいつのフライトを予約したらよいのか、判断は簡単ではありません。
渡航先はベルリン?